無印良品から学ぶ!体験型ショールームのつくり方

みんな大好き無印良品。

自分は、マーケティングやデザインという視点も無印良品のファンです。

無印良品、良品計画は顧客体験を設計するという点では、他の小売業より一歩抜き出ているなと感じます。出店戦略、店舗デザイン、店員の振る舞いにいたるまで「MUJIらしさ」が追求されていて、理想の「顧客体験」を実現しています。

ブランド価値や思想を体験に落とし込み、生活に浸透させるマーケティング施策が他のブランドより長けています!

無印良品の取り組みの中でも、MUJIホテルに最近注目が集まっています。

無印、銀座の新旗艦店とホテルに秘めた野望

小田急グループのUDSがHotelづくりに関わっていて、自分が大好きな京都のアンテルーム京都のプロデュースにも携わった会社です。

Newspicksで、下記のホテル特集記事があり、記事内でこのようなコメントをしました。

【寄稿】ラブホからMUJIホテルまで。ニッポンの「変わり種ホテル」7選

ホテルは「体験型ショールーム」という要素をもっている。MUJI HOTELのような、製造小売業がホテルに参入するケースはこれから増えてきそうですね。インバウンドニーズに応えるのであれば、「カリモクホテル」ができたらニーズがありそう!

MUJIホテルは新しいショールームの可能性を示してくれる事例。

今日は、MUJIホテルが体現している「体験型ショールーム」をキーワードに、今後ブランドに求められる顧客体験について考えていこうと思います。

ショールームとは?

そもそもショールームとは何でしょうか?改めて定義から確認

ショールーム(英: Showroom)は、商品を展示する部屋[1]。展示室、陳列室。
自動車ショールームや家具ショールームは、日本(東京都)において、都市施設の分類では「展示場」に該当するが、その場での物品販売が主である場合には「物品販売業を営む店舗等」に該当することになるという[2]。Wikipediaから引用

商品を展示する部屋とありますね。

今までは、商品を展示する場をつくれば、人が買ってくれていたのかもしれません。モノが溢れている時代に、商品が展示されていることに価値を感じる人は多くありません。

マーケティングの指標は露出数から体験数=ブランド浸透度へ

マーケティングでも、露出、リーチを増やすという言葉が使われますが、「体験者」を増やさないことにはファンはつくれません。

マーケティング担当者に求められる問いは、

身体でブランドを体感してくれた人がどれだけいるか?

ブランドを体感してくれた人が、ブランドをライフスタイルに取り込んでくれている人がどれだけいるか?

といったブランド浸透度を指標として、マーケティング活動を行っていくことが大切だと思うのです。

体験型ショールームは、身体でブランドを体験し、ブランド浸透度を高めるための場だと自分は考えています。

ブランド浸透度を高めるための時間と空間

ブランド浸透度を高めるためには、ブランドを体感する「時間」と、集中して体感してもらうための「空間」が必要。

ブランドを取り巻く時間と空間のデザインをすることが、体験価値を高めるためには重要な視点だと考えています。

MUJIホテルは、店舗だと1時間程しか顧客接点をもてないという課題を、ホテルで半日以上に。そして、その半日はMUJIブランドだけが体験を独占できるという空間をつくっている。

非日常と日常の統合

ブランド浸透度を高めるためには、ショールームの体験だけで終わらず、顧客の日常に落とし込む必要があります。

ホテル=非日常だとすると、店舗=日常。

非日常と日常を統合して、新鮮な体験を日常に持ち帰ってもらうための導線づくりは意図的に行いたいですね。

『MUJI ホテル』はその需要に対応し、『無印良品』の店舗と連携することで、タオルの手触り、コンセントやスイッチの配置、レストランのメニューや空間などを提供し、『無印良品』の思想を体感してもらえるホテルを目指す」。世界旗艦店では「無印良品」の約7000アイテムの全ラインアップとサービスを全て体感できる店とする。「MUJI ホテル」と合わせて「1棟全てで『無印良品』の世界を堪能できるものにしたい」と続ける。

日常への導線は、必ずしも店舗でなくても良いはずです。

無印良品を参考に、自社の資産を組み合わせて、適切な導線設計をしていきましょう。

参考:ブランド浸透度を高めるためにシェアハウスもショールームになり得る?

以前に、資生堂がBeautyシェアハウスという名の、美しくなるためのライフスタイルが体験できる、まったく新しいシェアハウスを運営開始していました。

個人的にはシェアハウスをショールーム化するプロジェクトをやってみたい。シェアハウスのスポンサーにメーカーをつけて、その商品を体験してもらう→レビューしてもらう→商品のリデザインに繋げるという流れで。

まとめ

モニターやショールームといった言葉が、売るための場ではなく、豊かな体験を提供するための場と意識は変えていきたいですね。

今後、ショールームの在り方は、VRやARのようなテクノロジー要素でも、大きく提供する体験が変わってきそうです。

無印良品を参考にしながらも、無印良品を超えるような次世代型ショールーム、顧客体験のデザインに挑戦していきたいと思います!