シャンシャンの可愛さに負けず、パンダのビジネスモデルを図解・分析してみた。
2017年最大の謎=パンダはなぜこれほどまでに可愛いのか?
上野にシャンシャンがやってきて、様々なメディアにパンダの動画や写真が露出され、自分の時間はシャンシャンに奪われ続けています。
マーケターとしてパンダの可愛さに負けるわけにはいかない
動画を何百回と眺めているうちに、急に罪悪感が出てきました。
この可愛さを眺めて、癒されているだけではダメ!自分の仕事に活かさないと・・・という気持ちが出てきました。
シャンシャンがもっている経済や産業を活性化させる力を読み解き、企業のマーケティングやブランディングに繋げていくことが自分の使命!!だと、動画を100回くらい見ている中で強く思ったのです(真面目)
パンダはなぜ、267億円もの経済効果を生み出せるのか?
シャンシャンは自分より優れたマーケターであることは確実である。
だって、シャンシャンの経済効果はこんなにすごい↓
シャンシャンの経済効果は267億円だと言われています。
楽天の初優勝、大谷のエンゼルス入団、ポケモンGO@鳥取砂丘などの経済効果と比較しても爆発的な経済効果を、シャンシャンはつくり出しているのです!
マーケティングを生業としている人間として、この経済効果の秘密は整理しとかないと、動画を眺める資格もない・・・
このままでは2018年を迎えることができない・・・
と大真面目に考えたのです。
向き合いたい問い
パンダ(シャンシャン)のビジネスモデルに何が隠されているのか?
シャンシャンの人気を再現性のあるものにするために、この問いに向き合わないと年越しはできない!
この重大な問いについて、2017年最終日に整理をしてみました。
パンダが大好きすぎて、分析に思い込みがたくさん入ってしまっているかもしれませんが・・・ぜひ、パンダ好きな方も、ビジネスモデル好きな方もご覧いただけると嬉しいです。
①シャンシャン(上野パンダ)のビジネスモデルを読み解く
チャーリーさんの#ビジネスモデル図解シリーズに最近影響を受けていて、自分もビジネスモデルを図解しようと試みました。
まず、上野にパンダがやってきて人気物になるまでのプロセスを整理してみました。
パンダは日本に中国からレンタル移籍してきていて、上野動物園を管理・運営している東京動物園協会を通じて、僕たちのもとにやってきているのです。(これは知らなかった)
ビジネスモデル図解をすると、パンダを取り巻く経済の流れが理解することができます。
さて、ここから考えたいのが、「シャンシャン」独自のビジネスモデルについてです。
上野のパンダだけが経済効果を生み出す2つのポイント
実は、パンダは和歌山のアドベンチャーワールドにもいるのです。
でも、上野だけがここまで注目され、上野(台東区)に経済インパクトを与えている。
なぜ、上野のパンダだけがここまで注目されるのか?
2つのポイントがありそうだと考えています!
①希少性のストーリー
②共創のストーリー
この2つのストーリーをつくり、しっかり発信していることが、上野パンタ=シャンシャンが生み出す経済効果のポイントなのだと仮説をたてています。
ビジネスモデル図解でどこに当てはまるか考えるとこんな感じ↓
※このあとに詳しく解説していきます。
①希少性のストーリー
パンダの絶滅の緊急度は、三番目に高い存在だと言われています。
希少性が高く、とんでもなく可愛いパンダを、日本と中国の外交問題を乗り越えて上野にやってきた。そして、2012年にはパンダの赤ちゃんが亡くなってしまい、そんな悲しみも乗り越えて今のシャンシャンがいる。
外交問題を乗り越えてきたエピソードも、下記のような記事で紹介されていて、こういったストーリーが可愛さに「想い」をこめさせてくれるのです。
みんなで大切に大切に育てていこうという「共感の連鎖」が生まれる仕組みがつくられている。
劉維新は国からの命を受け、日本向けのパンダの選定を済ませていたのだ。選定の基準は2つ。健康なことと、とにかく可愛いこと。「可愛く見えるパンダには、ある法則があってね。目の周りの黒い模様、あれが漢字の『八』に近ければ近いほど、そのパンダは可愛く見えるんだよ」1972年「パンダ来日フィーバー」の裏側〜飼育員は見守り、外務大臣は乗り込んだ〜
この下の記事は、2012年のパンダの訃報を受けての内容です。
今年7月11日に東京上野動物園から発せられた訃報を、皆さんは覚えているだろうか?中国からやって来たジャイアントパンダ「シンシン(真真)」が同月5日に出産したパンダの赤ちゃんが、「誤嚥性肺炎(母乳が気管支に入ったことで起こる肺炎)」が原因で、11日に死亡した。日本の各新聞はこぞって号外を発行、テレビは臨時ニュースを流した。日本の多くの「パンダファン」が上野動物園にどっと押し寄せ、特設献花台に花を捧げ、合掌し、悲しみの涙を流した。日本新華僑報網が伝えた。上野のパンダ赤ちゃん死亡 前旭山動物園長「動物園に責任」
絶滅危惧種で希少性のある可愛いパンダの裏側には、歴史、外交、動物園運営、経済成長など様々なエピソードがある。
この希少性に紐づくストーリーの発信を上手に行ったのが上野動物園。
このストーリー発信力こそが、上野動物園と和歌山のアドベンチャーワールドの違いなのだと思います。
【参考】ストーリーを伝えるための参考になる本
※1972年のカンカン・ランランがやってきた時の上野動物園↓
②共創のストーリー
次に共創のストーリーについてです。
上野パンダのネーミングは一般公募により行われているのは有名な話ですね。※ネーミングの応募は322,581件あったようです。
また、シャンシャン・パンダグッズは地域の商店街を巻き込んで販売戦略が練られています。
①自分ゴト化=ネーミング
②プロセスの発信=成長の様子を発信 ※この動画も可愛すぎ
③ステークホルダーを巻き込む=地域産業との連携
この背景には、上野観光連盟の貢献もあるのではないかと予測しています。
参考:パンダ公開に商機:「売れ行き2倍」シャンシャン効果に沸く上野の街
共創マーケティングという言葉が使われますが、シャンシャンを取り巻くマーケティング戦略は、まさに共創のお手本と言えるのではないかと考えています。
【参考】共創マーケティングの参考になる本
パンダのビジネスモデル分析まとめ
僕たち1人1人がパンダと同じように経済効果を生み出すためには、
①希少性を磨き
②共創=プロセスから周囲を巻き込み
皆んながハッピーになるストーリーをデザインすること。
このシャンシャンが教えてくれる教訓を意識して、マーケティングやブランディングを実践していくことが大切だと思うのです。
自分も2018年はシャンシャンと同じくらいの経済効果を生み出せるマーケターになれるよう精進します。
結局、パンダの可愛さとは一体何なのか?
ビジネスモデルについて分析してきましたが、一番重要な問いに答えられていないのが心残りです。
ブルーオーシャン戦略で紹介される戦略キャンバスを使って、パンダの競争優位性を分析してみたものの答えは出ません・・・
青いのがパンダの線です。
戦略キャンバスとは、顧客から見た価値を横軸に、縦軸にスコアを描き、競争優位性を見える化するのに活用します。
個人的な分析だと、親子の絡みと人間(飼育員)との絡みが、パンダ独自の可愛さを醸し出しているなと感じていますが、ここは解明しきれていません。
この動画にある飼育員との絡みはパンダ独自なんだよな・・・
この、パンダの可愛さにおける独自性分析は、2018年の宿題にしようと思います。
2018年も、何か悩んだら、シャンシャンの動画をみて癒されながら、マーケティングの本質に立ち返って考えるようにしたいです!
pintrestにもパンダボード作成しました。
ぜひ、パンダ分析を一緒にやってくださる方がいたらご連絡ください!!
それでは、良いお年を!