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【経験学習モデルの定着化】日本初のプロトタイピングスクールを個人的に解説してみる①

2年前の2019年に設立され、先日2周年を迎えた日本初のプロトタイピングスクール「プロトアウトスタジオ」。その運営に参加をしてから同じく2年が経過しました。
この2年の間に様々な機会に恵まれ、多くの受講生を輩出をしてきたプロトアウトスタジオですが、その実態はあまり知られていないかもしれません。

今回は、公式的な発表内容ではありませんが、運営に伴走している個人として、「プロトアウトスタジオ」を3つの視点で連載型にて皆様に解説したいと考え筆をとりました。

本記事はその第1回目「経験学習モデルの定着化」です。

前半ではプロトアウトスタジオで行われている実践を、後半ではプロトアウトスタジオでの実践によって、経験学習モデルが定着化し、自己学習化のエンジンが受講生に実装されていく様を解説します。


1. プロトアウトスタジオとは

プロトアウトスタジオは、プログラミングとプランニング(企画)の両方のスキルを兼ね備えた人材輩出を目指すプロトタイピング専門スクールです。
プログラムは前半の授業フェーズと後半の卒業制作フェーズにより構成され、それぞれのフェーズで講師やメンターが受講生の学習を強力にバックアップするのが特徴です。

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前半の授業フェーズでは、1週間単位で「ハンズオン型授業」→ 「学んだ事を応用しプロトタイピングをする、実践型の課題」→ 「課題レビュー&フィードバック」が行われ、学びから実践、フィードバックまでを超高速回転しながら、様々な技術応用力を身につけていただくように構成されております。

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2. 授業サイクルの例(4期生・機械学習授業回)

授業サイクルのサンプルとして、2020年夏より開講した4期第6回授業「機械学習」の回を紹介いたします。

■ステップ1授業:機械学習
機械学習を題材に採用しているのは、技術的に応用できる幅が広くなり、機械学習に関連する機能のAPI化、オープン化が進んでおり学習しやすいためです。
この回では、以下の項目について授業で取り扱いました。
 ・ml5.js ハンズオン
 ・Teachable Machineハンズオン
 ・応用例サンプル集
 ・エクストラ実践

授業では「講義を聞く時間」と「手を動かす時間」にわけ、基礎的な部分を実践しながら学んでいただきます。

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■ステップ2課題:機械学習を利用したプロトタイプ制作
プロトアウトスタジオでは、授業で受けた講義内容を応用化することで定着を図るために、授業毎に課題が課され指定日までに提出(Qiitaで記事を書き公開)が求められます。
※この課題を通じて「プロトタイピング」の経験値を向上を狙います。

この回の課題は「機械学習を利用したプロトタイプ制作を行い、Qiitaに記事公開」でした。
制作ルールは以下の2点でした。
・ml5を使ったプロトタイプ制作
・どのようにそのアイデアに至ったかを章か節を作り内容を200文字以上で記載する

受講生から提出された課題を1点事例として共有します。

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■ステップ3レビュー:課題へのレビュー・フィードバック
プロトアウトスタジオでは提出いただいた課題に対し、講師陣がレビューを実施し、レビュー内容を動画にて共有しております。
この一連の流れで、受講生の授業内容の定着化を確認しております。

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※非公開内容のため詳細は割愛させていただきます。


3. コルブの経験学習モデルについて

ここからは個人的な解説になります。
ここまで紹介をしたプロトアウトスタジオのプログラムは、「経験学習モデル」の要素を多分に含んでおります。

「コルブの経験学習モデル」と呼ばれるこのモデルは、アメリカの組織行動学者デービッド・コルブ氏が提唱した、経験を活かした学習モデルのことを指します。
一般的な学習モデルは体系化された知識を「受動的」に習う「知識付与型」の学習であるのに対し、「コルブの経験学習モデル」では、経験→省察→概念化→実践 というサイクルを繰り返すことによって、学びを獲得していく、「経験」から開始する学習モデルです。

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4. 経験から「学び」がスタートする、プロトタイピングファースト人材へ

この「コルブの経験学習モデル」に、プロトアウトスタジオの学習サイクルを当てはめるとこのようになります。

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受講期によって異なりますが、このサイクルを少なくとも6〜9回程度繰り返す事で、経験学習モデルが身体にインストールされ、新しい分野であっても「経験」から学びをスタートすることができる、所謂プロトタイピングファーストな人材が誕生するのです。


5. 最後に

我々の日常業務の大半は、「仮説」から始まる行動が多いのではないでしょうか。
それは「業務」という特性上、失敗する事の許容度が低くなってしまい、如何に失敗しないかが重要になってくるためです。
(昨今は小さな失敗で検証し、大きな失敗を避ける手法も多くなってきました)

プロトアウトスタジオでは「コルブの経験学習モデル」のように、「経験」から学びをスタートするため、失敗し続けることが前提として構成されております。失敗が許容されている場だからこそ、「自己学習化」が身についていくのです。

経験すること、失敗することを第一と捉え、そこから如何に学びを得ていくのか、そのような「失敗許容度」高い学びの場にご興味をお持ちいただけましたら、以下よりお気軽にお問い合わせください。
(適宜説明会開催中です)
https://protoout.studio/posts/protoout-enter-form

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