「真説 日本左翼史」
戦後から60年安保までの左翼史を対談で振り返る新書。
中核を成すのは日本共産党と社会党であるが、基本、政治思想ってのは虚しいものである。
左だけでも枝葉末節の如く、様々な運動体が生まれてはいるけど、ほとんど現実化することはない。
理論闘争などといって、運動体同士、つまり権力とは別の、弱いもの同士で争い、殺し合いまでするからだ。
そして、年月が経つと、運動体に関わる者の、老後を過ごす場所と化して、カルト化する。
そして結局、おじいちゃんの、昔を懐かしむ政治思想のひけらかしとなって、若い世代に煙たがられる。団塊がまさにそうだ。
政治思想が現実化しないのは、大衆とは大きく乖離したエリート連中の、俺の方が頭がイイ、というヘゲモニー闘争で終わってしまうからであろう。イデオロギーに身を委ねるから、逆に負の人間性が大きく開花する。
共産主義は、資本や財産をみんなで共有する平等な社会体制で、その前段階といわれる社会主義は、資本は国のもので、国がそれらを管理して平等に分配する体制。資本主義と社会・共産主義の大きな違いは、個人が資本を持てるかどうかという点にあるが、大きな間違いは、人間の本質を見誤ったことだ。
つまり「欲」である。
意味のない政治思想は夢のままにしとくのがイイ。現実化させると、必ず人間を阻害することになるから。
人間には、平等でなかろうと格差が出ようと、やはり資本主義がよく似合う。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。