「竹取物語」

文豪・川端康成の現代語訳による“かぐや姫”のお話。

最後の解説で、また話をなぞってるのは如何なものかと思うけど、とにかく読みやすくて面白かった。

誰もが知ってるかぐや姫。我が国最古の小説。

竹取の翁が、幹の光る竹筒の中から、3寸(9㌢)ほどのかぐや姫を拾って育て、たいそう美しい美女に育ったわけだが、彼女は、5人の、契りを結びたいと言い寄る男(貴公子)を、無理難題をふっかけてかわし、最後は、恋する帝(天皇)にさえも姿を見せずにふって、月の世界から降りて来た天女たちと共に昇っていくー。

なぜ月の世界から降りてきたのかは詳しく語られてないけど、かぐや姫は結果的に、周囲にいた男たちを、恩のある翁でさえ、全て一蹴したわけで、世俗の世界とは違う高貴な人間が、嘘やニセモノを使ってもなんとか彼女を落とそうとする男たちの態度に接して、人間の世界に失望して昇天して行ったと考えられなくもないね。

いけすかない生意気な女(宇宙人)だ(笑)。

天の羽衣を着ると、人間の世界での一切の煩悩が消えて、何の未練もなく昇天してるし。

当たり前だけど、1000年以上も前から、イイ女がいると、野郎はなんとか振り向かせたい、モノにしたいと頑張るものなんだなぁ。

求婚する女の家に夜に行って、歌を詠んで、返事を待って、また歌を詠んで、という“夜這い”の起源も書かれている。男は、女を振り向かせるセンスの良い歌を詠まなきゃならないから、ある程度、教養が必要だったろうな。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。