【映画】「デッド・ドント・ダイ」

まさか、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のジム・ジャームッシュ監督がゾンビ映画を撮ってるとは知らなかった。「デッド・ドント・ダイ(The Dead Don't Die)」(2019・米)だ。

ホラーでも、これはホラー・コメディで、ヒットはしてないと思うけど、カルト映画になりそうな予感が。

アメリカのど田舎の町で、動物たちが突如、異常な行動を取り始める。
近所では地球の地軸がズレるような大規模な地下工事が行われてた。
そして、町の小さなレストランで内臓を喰われる悲惨な殺人事件が起こって、警官が調査に乗り出す。
夜になると、墓地に埋葬されてた死体がゾンビとなって復活、人間の肉を求めて町を襲う…

というゾンビ映画によくある定番のストーリーだけど、3人の町の警官を中心に、ジャームッシュ監督らしい、間の多い、ゆったりとした雰囲気と流れで、ゾンビ映画をおちょくってるんじゃないかと思える展開だ。

警官同士のやり取り、同じ行動と台詞の繰り返しが面白かったりして、笑えるコメディになってる。「こんな展開は台本に載ってなかった」って言ったりして。

警官を取り巻く町の住人らも、森に住む浮浪者だったり、トラッシュ白人だったり、働き者の優しい黒人だったり、ガススタンドのヲタク店員だったり、少年院に収容されてる子供たちだったり、剣術に長けてる葬儀屋の不気味な女性だったり、3人の町の旅行者だったり、超個性派揃い。

中でも、葬儀屋の女性は、殺陣のように剣でゾンビの首をバッサバッサと斬り落として、異様な速さでPCを扱い、最後は町に飛来したUFOに乗って行っちゃった…。?なんなんだ?宇宙人だったのか?

所々、現代人がこだわりを持つ言葉をゾンビが何度も喋ったりして、一応、文明批判的な要素も入ってると思うけど、ジャームッシュ監督らしい、世界をナナメから見るような飄々としたユーモアが全面に出てて退屈しなかったね。ジョージ・A・ロメロに対するリスペクトも感じた。

あっ、コーヒーを持ったゾンビはイギー・ポップで、“世捨て人”ボブはトム・ウエイツだったのか!

ゾンビって、いつも墓から蘇って来るけど、そもそも、今は土葬は少ないし、古いものは既に骨となってるだろうし、生前の服をそのまま着てるけどそんな訳はねえし…と真面目に言ってみたりする(笑)。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。