【邦画】「台風クラブ」
日本の女優らしい女優、工藤夕貴が出てる故・相米慎二監督の「台風クラブ」(1985年)。
イタリアのベルナルド・ベルトルッチ監督も推しの映画で、ATGらしいATGだね。
この映画ほどじゃなくても、俺も中坊の頃はこうだったのかなぁ。
台風の襲来をキッカケとして、男女中学生が、思春期らしい感情を持て余して爆発させる。子供の頃の即物的な部分と、大人になる社会に阿った部分との狭間で、意味なく鬱屈してイライラした感情が、台風という自然の猛威によって全開になるのだ。それは驚くほど理解不能な過激さであって、驚くほど繊細で危うく儚くもあるー。
台風の夜、学校に残った15歳の中学生らは、ストリップをして踊って歌って乱痴気騒ぎ、狂乱の一夜を過ごすことになるが、遠くから女子中学生のヌードが拝める(笑)。
このシーンは、思春期の危うく安定することのない心理状態を、わかりやすく表現していてまことに面白い。やり過ぎの感もあるが、物足りなさもある。映像そのものが中坊だね。
誰しも、こんな時期を通って来てるんだよなぁ。
メッチャつまらない日常が、台風でエキサイティングな非日常になるのは、ケ(日常)とハレ(非日常)の日本文化だね。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。