独りで、ほとんど人のいない海を眺めて、砂に麻痺脚を取られないように慎重に歩いていると、自分は、まだまだ長〜いトンネルの途中を歩いてるように思う。

既に、海は気持ちを高揚させる解放された若さのものではなくなって、足元で騒がしい波音を立てる潮水は死を感じさせる暗黒の恐怖でしかなくなってしまった。

7年前に脳の血管が破れて、一部を血液に浸して殺してしまってから、今だに脳内のみで旅行を続けているのだ。

いくら頻繁にハードに麻痺側の筋肉を動かしてみても、今以上に筋肉が明確な意志を持つことはないのかなぁ。ヤレヤレだ。

せめて想像・創造力を最大限にする脳内麻薬の過剰な放出を求む。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。