「文豪春秋」

昔の文豪らの破天荒なエピソードの数々なのだが、漫画のタッチが水木先生に似てるね。アシスタントか何かやってたのかしら。

それに、漫画とはいえ、めっちゃ文字が多いじゃん。

文藝春秋の創業者、菊池寛(の銅像や肖像画)が、文芸部の編集者の女の子に語りかける体裁で、文藝春秋と関わりのあった作家らの様々なエピソードが紹介される。知ってたり、知らなかったり。

たいてい、私生活がハチャメチャでクズエピソードの多い作家は、人を唸らせる美しい日本語を駆使した小説を書くようで、悪人だからこそ、人を感動させる童話が書けるようなものだ。

やはり作家は、創作の基本となる純な魂と繊細な感受性をキープするために、その周りは世俗にまみれたドロドロとした醜悪なるもので固めないとダメなのだろうと思う。

「浮雲」や「放浪記」の林芙美子が、文壇の世界ではめっちゃ嫌われるほどイヤな女だったという話は面白い。志賀直哉は少年愛の人だったのだね。夏目漱石はホントは犬の方が好きだったとは。芥川龍之介の自死を一番悲しんだのは菊池寛だったか…。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。