「戦争童話集」

当然のことながら、子供も読める童話とはいえ、悲しい結末のものが多い。

妹セツ子が出て来るものもあるから、「火垂るの墓」のセツ子と一緒なんだろう。

主人公の子供たちと、動物たちの楽しかったエピソードが語られるが、戦時下で、やがて苛酷な日々を過ごすことになり、やっと終戦となった昭和20年8月15日、人知れず野垂れ死にしてたような…。

少々、身も蓋もないと言って良いような話で、戦争の悲惨さを訴えるというより、淡々と短く冷たく無骨に筋を流してる印象がある。

焼け跡世代(戦時中に生まれた世代)のやけっぱちの反骨精神みたいなものを感じる。

戦争というものは、体験した者にしかわからない高揚感と絶望と恐怖と虚無感があるんだなぁ、きっと。

ちなみに、「火垂るの墓」は、野坂先生の体験は少しだけ盛り込んであり、ほとんどが創作話という。確かに妹はいたけど、野坂先生が養子のため、血は繋がってない。で、前に野坂先生のエッセイか何かで読んだが、戦後の混乱期で食うのも大変な時に、病気の妹がホントに邪魔で、疎ましく思ってたと。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。