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モルディブの記憶………

※写真はモルディブの鰹節ではありません。

他人のためにできる最高のことは、自分の財産を分け与えることではなく、相手の持つ財産に気づかせること。
                -ベンジャミン・ディズレール


モルディブでの鰹節作り(ざっくりと)


モルディブの無人島での鰹節造りから始まった。
あれから約30年〜
一本釣りの本枯節として日本の食卓に迎えられる日が来るとは………

モルディブでの“鰹節”作りは、ガーフダールアトゥル(ガーフダール環礁)のティナドゥと呼ばれる島に隣接する無人島でスタートした。

無人島にコンクリートブロックを積み上げた燻製炉の様なものを作り、カツオ漁師から直接カツオを買い取り、三枚におろし、せいろに並べ煮沸、燻煙、日干し、燻煙…


 元々、モルディブの海域では「鰹」が獲れ、ディベヒ(モルディブの人達は自分達のことを“ディベヒ”と呼ぶ)は日本の高知県民かそれ以上のカツオ好きの国民。 主食は米でおかずはカツオ。鰹の水揚げが無いと、夕食の食卓も明らかに寂しさが漂う。(まるで、リアル551蓬莱CM)

当時はドーニーと呼ばれる車のエンジンを乗せた木造船に一本釣り用の太いグラスファイバーの竿。
ドーニーに男たちが乗り込み、遥か向こうの鳥の群れを目指して船を走らせる。

鳥の群れの側で用意しておいた、小魚を撒きカツオを誘き寄せた上で、疑似餌の付いた竿を下ろす、漁師たちは勿論ヘルメットもかぶらず全員裸足だ。

漁師達の足の指は見事に開いて木造船の甲板を掴む、絶妙のバランスで立ち竿を振り下ろす。

現地の漁師に話しを聞くと
 「随分昔に日本人が伝えたと聞いている、モルディブは資源保護の為、網漁が禁止されているし、カツオ漁は一本釣りが一番」誇らしげに話す。

釣り上げられたカツオは当時は沖に停泊している「缶詰船」にすぐさま運ぶ、首都のマレに近い漁師はマレの魚市場に運ぶ船もある。

マレの魚市場はカジキ、マグロ、バラクーダ、シイラなどインド洋の魚が並び、見ているだけで魚好きには面白い、ここでもやはり一番に売れるのはカツオで、他の魚を買うのはリゾートホテルのレストランの料理人など外国人の為に料理する人達だとか。

モルディブの人達は自分達の事をディベヒと呼ぶ、モルディブの言語はディベヒ語だ。

 ディベヒは生魚は食べない、「ローマス、カニワ、マルクライワニ」(生魚を食べると目が見えなくなる)と僕が“生魚”を食べるのを彼らが目にする度に言ってくる、むかしからの言い伝えだそうだ。
ディベヒのカツオの食べ方は塩茹で、焼き、油で揚げるとレパートリーは結構多い。
食べきれない分が『保存食』になる。

『保存食』の作り方は、カツオを三枚に下ろして、「茹でて、干して、煙で燻す」カツオ節造りの起源そのものだ。
 この方法は、日本から伝わった(日本➡︎モルディブ)ものではなく、どうもモルディブが「起源」の様だ。
※日本の鰹節起源は諸説あり。

 煮汁も煮詰めて調味料として使う。

“モルディブ式鰹節”は料理の隠し味で使われる、日本のダシだ。
日本の鰹節のように削って使うのではなく、砕いて使う。

「カレーに入れると美味い」と向こうの食通はコレも誇らしげに話す。
 インドやスリランカに輸出も行われていた。

この“モルディブ式鰹節”に“手火山式”製法を導入すれば、日本でも通用する鰹節ができるのでは?と考えた。

静岡県焼津で有名な鰹節製法で有名な手火山式を学び。
魚の捌き方、煮沸温度、燻煙時間等々管理、「水」の調達、燻煙時間用の「木」の調達
問題は山積する。


徒歩で一周しても1時間もかからない無人島での地下水はほぼ海水、鰹を煮るには真水が必要、雨水に頼るしかない、雨水を貯めてそれを煮沸に使う。小さな島々が集まった国で「木」をどうするかも大問題、日本なら、楢や橅が豊富にあるがモルディブで調達するには国外調達しか無い。

最初はモルディブ国内の近隣の島からマングローブを調達し燻煙に使うが「薫り」の問題が見えてくる、「問題」と「解決」の繰り返しは既に始まっていた。

とりあえず。
記憶のままに書きなぐって見ました。
 モルディブでの記憶「鰹節編」はとりあえず(完)

ジャリール

当時世話になったジャリール
彼は敬虔なムスリムなので写真は御法度だったが
無理矢理撮ってしまった………

この記事は以前Twitterでツイートした記事を少しまとめたものです。

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