2023年6月14日~27日 最近のこと

・近況
 梅雨どきで体調は優れない日が多い。最近は本をかなり注文していた。ジュリアン・シモンズ『ブラッディ・マーダー』やユリイカのレイモンド・カーヴァ―特集号、ミステリマガジンのミルキィホームズ特集号などが届いた。他にもほしい雑誌の特集号はあるけれど、自重した。とりあえず、今は久保書店の『マンハント』全巻揃いがほしいけど……。
 古い雑誌はなんだか独特の魅力があるなぁ、と思う。ミステリファンの端くれとして、単行本未掲載の読みたい短篇をいろいろ拾っていきたいけれど……。
 今年は、同人誌に五冊ほど僕の文章が載る、のかなぁ。とりあえず今のところ二冊には載っている。この調子でペースを上げていきたい。福岡の文学フリマの出店がどうなるかまだわからないので、どういうペースで個人誌を書こうか悩むところではある。早めに終わらせるに越したことはないけれど、準備がまだまだ必要なので、頑張る。

・最近読んだ本
 小説はあまり読めていない。小説で読んだのは久美沙織『丘の家のミッキー』4、5巻。再読だけど、やっぱり『丘の家のミッキー』は素晴らしいな、と改めて感じた。入院中のつらい時期に読書のリハビリとして読んで、小説の面白さを再実感させられた作品なので、思い入れが深いというか、思い出補正込みで評価しているところはあるけれど。

 飯城勇三『密室ミステリガイド』を読んだ。ネタばらしの部分で、もっと作品について語ってほしかったというか、全体的に文字数制限がきつくてなんだか物足りない。示唆的な文章や解説があったのは良かったけど。僕はこの本の対象となるような読者ではないのだろうか、とも思ったり。

 ボワロー、ナルスジャック『探偵小説』を読んだ。白水社クセジュの古い本。若干抽象的すぎる感は覚えたけど、理論的に探偵小説を追っていく、必要であればエドガー・アラン・ポーの書いた理論に立ち返って議論を進めていくところは良かった。ちょっとだけジャン=パトリック・マンシェットやADGらの記述があって得した気分だった。やっぱりミステリってジャンルとして広い範囲を指すよなぁ、と改めて思った。

 ジャン=ポール・シュヴェイアウゼール『ロマン・ノワール フランスのハードボイルド』を読んだ。こちらは記述が具体的すぎて、参考にはなるけれどついていけなかったところがあった。ただ、90年代までのセリ・ノワールの状況や、フランスにおけるミステリ(ポラール)の発展の仕方が詳細に書いてあるのは、他の邦訳書ではなかなか見られないと思うので、ためになった。邦訳書が少なすぎて、セリ・ノワールをそれだけで把握するのは無理だと思うんだけど、この本で多少なりとも糸口の端がつかめるのかな、とは感じた。

 あ、あと小説で読んだものを思い出した。紙城境介『シャーロック・アカデミー』。いろいろ思うところはあるけれど、謎解きミステリというジャンルの面白さをより多くの人に伝えよう、という心意気は感じたので、内容云々は置いておくとして、そこは良かったと思う。

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