樹智花

まっつー(たまさか)だよ。海外文学が好き。

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最近の記事

対偶を取ることはなぜ元の命題と同じなのかの軽い雑記

「対偶を取る」とは、「$${A}$$ならば$${B}$$」を「$${B}$$でないならば$${A}$$でない」と言い換えることで、これは数学的に同じことを言っています。 これを別の言い方をすれば、「$${{A}\Longrightarrow{B}}$$と$${\neg{B}\Longrightarrow\neg{A}}$$は論理的に同値である」と書き換えられます。 ではなぜそう言えるのでしょうか? ここで「真理表」というものを使って考えてみたいと思います。 命題が真のとき$

    • 最近解いた数学の問題

      そもそも、$${\zeta(2)=\dfrac{{\pi}^{2}}{6}}$$であり、$${{\pi}^{2}}$$は$${12}$$より小さいので、与式の$${n}$$を無限大にしても$${2}$$より小さくなります。 ここで、$${1^{2}+\dfrac{1}{1*2}+\dfrac{1}{2*3}+\dfrac{1}{3*4}+\dots+\dfrac{1}{(n-1)*n)}}$$を考えます。この式を①とします。 (与式)$${<}$$①ですが、①は$${1+(

      • 最近解いた数学の問題~logの問題~

        1)は基本問題ですね。 $${\log_{10}{5}=\log_{10}{\dfrac{10}{2}}}$$ですので、 $${\log_{10}{\dfrac{10}{2}}=1-\log_{10}{2}}$$、すなわち$${\log_{10}{5}=1-\log_{10}{2}}$$です。 1)の式の両辺を、底を$${10}$$で取ると、 $${m\log_{10}{5}>19}$$ すなわち、$${m(1-\log_{10}{2})>19}$$です。 計算すると、$${

        • 最近解いた数学の問題~SNSで見かけたもの~

          $${3}$$以上の小さめの自然数を$${n}$$に代入してみれば当然成立しますし、そもそもパッと見て、「自明じゃないか」と思ってしまいそうです。 ここで思い出したいのは、$${a}$$、$${b}$$を実数とし、$${a<{b}}$$であるとき、$${c>0}$$を満たす実数$${c}$$を用いると$${\dfrac{a}{c}<\dfrac{b}{c}}$$が成り立つ、ということです。 ここで$${n}$$は$${3}$$以上の自然数ですので、$${n^{2}+1}$

        対偶を取ることはなぜ元の命題と同じなのかの軽い雑記

          気になって調べたこと、その2~MWA賞(アメリカ探偵クラブ作家賞、エドガー賞)の規定~

          ・はじめに    引用した記事の姉妹編として、世界を代表するもうひとつのミステリの賞であるMWA賞(アメリカ探偵クラブ作家賞、エドガー賞)の選考規定も気になりました。  「MWA」は"Mystery Writers of America"の略です。日本では通例として「アメリカ探偵作家クラブ」と呼ばれています。  ちなみに、余談ですが「PWA」、「アメリカ私立探偵作家クラブ」という団体も存在しています。日本で言うところのハードボイルド小説の作家による団体です。「PWA」は、"

          気になって調べたこと、その2~MWA賞(アメリカ探偵クラブ作家賞、エドガー賞)の規定~

          気になって調べたこと~CWA賞(英国推理作家協会賞)の規定~

          ・はじめに    伊坂幸太郎さんの『AX』がCWA賞(英国推理作家協会賞、ダガー賞)のイアン・フレミング・スティール・ダガー賞のショートリスト(最終選考)に残りましたが、ここで私はCWA賞の規定が気になりました。  CWA賞に数ある部門の中で、それらにどのような選考基準があるのか、についてです。  ちなみに、「CWA」とは"The Crime Writers' Association"の略です。イギリスではジャンルとしての「ミステリ」のことを"crime fiction"や"

          気になって調べたこと~CWA賞(英国推理作家協会賞)の規定~

          最近解いた整数の問題

          整数の基礎的な問題ですね。 ちょっとうろ覚えですので条件が抜けているかもしれませんが、ご容赦ください。 $${\dfrac{n}{n-p}}$$を眺めていると、分子が$${p}$$になれば素数という条件より解きやすくなりそうです。 なので、ちょっと与式を変形してみます。 $${\dfrac{n}{n-p}=\dfrac{(n-p)+p}{n-p}}$$ よって(与式)$${=1+\dfrac{p}{n-p}}$$ 分子に$${p}$$が作れましたので、後は簡単です。 $${p

          最近解いた整数の問題

          簡単な幾何の問題

          (図形が汚いことはご容赦ください) 四角形$${ABCD}$$と$${BEFC}$$は平行四辺形より $${AD=BC,BC=EF}$$より$${AD=EF}$$です。 ここで、$${AE=DF}$$が示せれば、対辺がそれぞれ等しく題意が示せます。 なので、$${\triangle{ABE}}$$と$${\triangle{DCF}}$$が合同であることを示しましょう。 四角形$${ABCD}$$は平行四辺形より$${AB=DC}$$……② 同様に、$${BE=CF}$$……

          簡単な幾何の問題

          2023年12月 雑記

          今年からはじめたこと ・洋書を集める、読むようになった ・評論的なエッセイを積極的に書くようになった ・エッセイを書くときは資料に当たる、という当たり前のことをするようになった ・恋活(婚活)を始めた ・考えていることを紙のノートに書きだすようになった ・自己肯定感が上がるかと思い、その日に出来たこと、出来なかったことを書き出すようになった 今年変わったこと ・B型を辞めて就労移行支援にまた通い始めた(お仕事が決まった上で) ・ボランティアで中高生に勉強を教えるようになった

          2023年12月 雑記

          ロベルト・ボラーニョと海外ミステリ

          ・はじめに  先日、ロベルト・ボラーニョの本や執筆に関するエッセイ集"Between Parentheses Esseys, Articles and Speeches"を購入し読んでいたところ、ボラーニョが意外とミステリを読んでいて、なおかつ評価していたので、ひとまず記事にまとめようと思いました。  ボラーニョを通じて「文学」と「ミステリ」、「ストレート・ノベル」と「ジャンル・フィクション」(対立事項ではないですがあえてこのような書き方をします)が邂逅していて面白く、

          ロベルト・ボラーニョと海外ミステリ

          ウィリアム・トレヴァー個人的短篇傑作選

          ・はじめに  ウィリアム・トレヴァーといえば、チェーホフと比べられるほどの短篇小説の名手です。  トレヴァーの作品には、読む価値がないものはひとつもない、といっても過言ではないでしょうが、個人的に好きな作品を列挙していきたいと思います。 ・作品 ・「パラダイスラウンジ」  なんといっても対比構造が綺麗です。ここまでエモーショナルで宝石のような対比構造と、それを破綻なく完璧に書き上げてしまうトレヴァーの手腕には驚かざるを得ませんし、読み終わったあとに訪れる深い余韻が素晴ら

          ウィリアム・トレヴァー個人的短篇傑作選

          最近解いた数学の問題

           $${24=3*2^{3}}$$であり、$${p^{2}-1=(p-1)(p+1)}$$ですので、 $${(p-1)(p+1)}$$が$${3}$$と$${2^3}$$を持ち得るか確かめればよさそうですね。 ここで、$${p-1,p,p+1}$$を考えてみましょう。 これらは連続する三つの自然数ですので、これらのうちひとつは$${3}$$の倍数です。 また、$${p}$$は素数ですので、$${p-1}$$か$${p+1}$$のどちらか一方は$${3}$$の倍数ですね($$

          最近解いた数学の問題

          2023年7月28日~8月30日 ここひと月のこと

          ・近況  体調はなんとか安定してきた。あとは睡眠をどうにかすればいいかな。本は最近なかなか読めていない。読んでも再読が多い。同人誌に向けての再読も多いけど、どれ以外の読書でも再読が多め。もっと自分にとって新しい作品に出会いたい気持ちはある。  コーマック・マッカーシーの未訳の遺作を購入する。早川書房が版権を買ったのは知っているけれど、装丁の素敵さと待ち切れなさで我慢が出来なくなる。  ここのところ、買う小説の内容はクラシック・ミステリが多くなっていることに気づく。国書刊行会の

          2023年7月28日~8月30日 ここひと月のこと

          2023年6月28日~7月27日 ここひと月のこと

          ・近況  梅雨時期で体調は悪めだった。持病のお薬が変わり、適応するのに時間がかかっている。睡眠導入剤もいろいろ変わったので、そちらも合わせるのが大変。  ミステリ評論やレアなミステリー小説をお安い値段で買ったりしていた。意外と穴場なメルカリ。あと、ネット古書店も利用している。クリスチアナ・ブランドの『自宅にて急逝』や『ゆがんだ光輪』を1000円以下で買えたのは嬉しい(『自宅にて急逝』は既読だが……)。 ・バレーボール  10年ぶりくらいにバレーボールの練習に行った。スマホア

          2023年6月28日~7月27日 ここひと月のこと

          2023年6月14日~27日 最近のこと

          ・近況  梅雨どきで体調は優れない日が多い。最近は本をかなり注文していた。ジュリアン・シモンズ『ブラッディ・マーダー』やユリイカのレイモンド・カーヴァ―特集号、ミステリマガジンのミルキィホームズ特集号などが届いた。他にもほしい雑誌の特集号はあるけれど、自重した。とりあえず、今は久保書店の『マンハント』全巻揃いがほしいけど……。  古い雑誌はなんだか独特の魅力があるなぁ、と思う。ミステリファンの端くれとして、単行本未掲載の読みたい短篇をいろいろ拾っていきたいけれど……。  今年

          2023年6月14日~27日 最近のこと

          2023年5月23日~6月13日 最近のこと

          ・近況  最近体調は少し悪め。5月末に高校時代の友人たちと飲んだ。久々に集まって、色々話ができた。  あと大学時代のサークルの先輩と飲む機会があり、たくさんミステリについてお話しできた。小説の好みが近かったりするし、こちらよりはるかにミステリを読まれていて、ツーカーで話が通じるので、ついたくさんお話した。  ここ数か月、お酒は月一回飲むか飲まないかだったから、立て続けに飲み会があって、お酒に弱くなったなぁ、と実感した。  ブックオフに、アメリカ英語の英英口語熟語帳が売っていた

          2023年5月23日~6月13日 最近のこと