最近解いた数学の問題~SNSで見かけたもの~

$${n}$$を$${3}$$以上の自然数とする。このとき
$${n^{2}+1<{n}^{n}}$$であることを示せ

$${3}$$以上の小さめの自然数を$${n}$$に代入してみれば当然成立しますし、そもそもパッと見て、「自明じゃないか」と思ってしまいそうです。

ここで思い出したいのは、$${a}$$、$${b}$$を実数とし、$${a<{b}}$$であるとき、$${c>0}$$を満たす実数$${c}$$を用いると$${\dfrac{a}{c}<\dfrac{b}{c}}$$が成り立つ、ということです。

ここで$${n}$$は$${3}$$以上の自然数ですので、$${n^{2}+1}$$と$${n^{n}}$$を$${n^2}$$で割っても大小関係は変わりません。
ですので、このふたつの式を$${n^2}$$で割ります。

このとき、$${1+\dfrac{1}{n^{2}}}$$と$${n^{n-2}}$$という式が計算できます。
$${n}$$は$${3}$$以上ですので、$${\dfrac{1}{n^{2}}}$$は$${1}$$より大きくなることはありません。
ですので、$${1+\dfrac{1}{n^{2}}<2}$$が成り立ちます。

ここで、$${n^{n-2}}$$を考えてみましょう。繰り返しますが、$${n}$$は$${3}$$以上の自然数です。
ですので、$${n=3}$$のとき上の式の値は$${3}$$になります。
$${n^{n-2}}$$は$${n}$$が自然数ですので狭義単調増加し、$${n}$$が大きくなればその値はどんどん大きくなります。すなわち、$${n^{n-2} \geqq{3}}$$が成り立ちます。

上記のふたつを考えると、$${2<3}$$ですから、
$${1+\dfrac{1}{n^{2}}<{n}^{n-2}}$$が成り立ち、両辺に$${n^2}$$をかけて
$${n^{2}+1<{n}^{n}}$$が成り立つことがわかります。
すなわち題意は成立です。

これは文系数学の問題らしいのでこの記事の形で解きましたが、理系の方は
$${f(x)=x^{x}-x^{2}-1}$$の形に持っていき、微分して増減表から評価するのが手っ取り早く感じられるかと思います。

余談ですが、$${n^2}$$を$${n^m}$$と考えて($${m}$$は定数で自然数)上記と同じように考えると、$${m<{n}}$$のとき
$${n^{m}+1<{n}^{n}}$$が成り立つことがわかりますね。

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