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2022年11月12日~22日 最近のこと

体調は変わりなく。最近は天神まで出かけることも減った。昨日は定期通院の日だった。最近は小説を読む気力がほぼなかったが、ようやく一冊小説を読めて良かった。もう少ししたら図書館に本を返しに行かないと……。

『聖闘士星矢 黄金魂~soul of gold~』を勢いで全話視聴した。黄金聖闘士が好きなら見ても損がないのでは。アニメオリジナルのアスガルド編の続編的作品。外伝漫画・アニメのロストキャンバスでも蟹座の株が上がったが、この作品でも蟹座のデスマスクの評価が上がるはず。こんなに熱い聖闘士だとは思っていなかった。再度得た生を新たな地で謳歌しようとするデスマスクは彼らしいと思うし、「黄金聖闘士が嘆きの壁で一致団結したのは奇跡的だよな」(要約)みたいなセリフは「そうだよなぁ」となった。黄金聖闘士って個性がバラバラすぎて一つの大義がないと彼らがまとまらないのはわかる。エリシオン編のさなかに地上で起こっていたことを描いたお話なので、「なぜ黄金聖闘士たちは再び生を得たのにエリシオンへ向かわないの?」という疑問は残るが、アテナと星矢たちが地上に戻ってきたときにそこがロキによって支配されていたらそれはそれでマズいので、彼らの選択にも一定の理解の余地はある。あと黄金聖衣の神聖衣が単純にかっこよく感じるのもいい(ごてごてした装飾に見えるかもしれないけどやはりかっこいい)。別にアテナの血で修復しなくても、涙や短剣だけで一時的に神聖衣になれるのか。黄金聖闘士の大盤振る舞いみたいなド派手さがあるので、好きな人は好きになれる(僕も好き)。乙女座のシャカの天舞宝輪にあのような使い方があるとは想像してなかったので、そこにも驚きと感動があったし、「神聖衣でアテナエクスクラメーション放ったら面白くない?」みたいな勢いが好きだった。そして魚座のアフロディーテに「そんな能力あったのか」というのと「登場場面はおそらく一番少ないと思うけど、実際の活躍はすごくない?」というのを感じた。ただ限られた話数で12人にそれぞれ見せ場を作るのは大変だったろうなと思う。クライマックスでロキを差し置いて双子座のサガと射手座のアイオロスが会話し始めるのは少し笑ってしまったが(サガの中にあったわだかまりを解消するために必要だったとは思うけど)。それと作劇上の対比構造がわかりやすく多くの場面で使われていたのも印象的だった。

久々に小説を読んだ。ハーラン・コーベン『WIN』田口俊樹 訳(小学館文庫)。「勝利」の方のwinではなく、人名の通称である。以前ハヤカワ・ミステリ文庫で出ていたマイロン・ボライター・シリーズのスピンオフ作品で、マイロンの親友で相棒のウィンザー・ホーン・ロックウッド三世(通称ウィン)が主人公。普通なら主人公が逡巡したり迷ったりためらったりして物語を展開させてエンターテインメント性を作り出すところが、この作品ではほぼ見られない。ウィンは自分の思う正義感や考えを最後まで貫き通し、それによって物語のエンターテインメント性が上がっている。ウィンは揺らぐことがほぼないのだ。マイロン・ボライター・シリーズを読んでいて、「暴力装置としての人物」的な面を持っていたウィンを主人公に据えるのが面白い。例えばマット・スカダー・シリーズのミック・バルーやパトリック&アンジー・シリーズのブッバ・ロゴウスキーみたいな役割を背負っている人物でもあるので(基本的に彼らよりは物語の全面に出ているとは思うが)、そこをどう展開させるのかも読みどころである。そして謎解きミステリとしてもクライムノベルとしても面白く読めた。ただ、マット・スカダー・シリーズが出版されてからだいぶ経つので、どれだけの人が覚えていてどれだけの人に刺さるのかはわからないが、ファンブックとしてはもちろんきちんと小説として面白かったと思う。

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