QuickClickで生まれる探究する学び
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QuickClickで生まれる探究する学び

山崎智仁(Tomohito Yamazaki)

先日、京都橘大学にて開催された未来の教室 in 明日の教室。

その「明日の教室セッション」のなかで、京都橘大学の池田修先生、TCSの久保一之理事長と共に開発したクイズアプリケーション「QuickClick」についてプレゼンテーションをしてまいりました!

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今回は、そのQuickClickでどんな学びを創り出すことができるのか、実際にプレゼンテーションで使ったスライドをもとにしてご紹介したいと思います。

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QuickClickで生まれる探究する学び、滋賀県の公立小学校と東京コミュニティスクールで行った交流事業を通じてご紹介します。

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QuickClickは四択クイズアプリケーションです。4つの選択肢の中に一つ答えが紛れていて、その答えを見つけ出す、そんな四択クイズに答えることができます。

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ただ、「クイズに答える」ということは、「知識を覚えたりすること」を連想させて、「探究する学び」とは程遠いものとして聞こえるかもしれません。

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探究する学び、とは正解のない問を考え続けていくこと、とも言えることでしょう。なので、四択クイズでは「探究する学び」とはいえないようにも思えてきます。

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さらに、クイズに答えていくだけでは、「アクティブラーニング」として、「主体的・対話的で深い学び」には、ならないのではないでしょうか?
つまり、与えられた問題を受動的に問題を解いているだけになるのではないか?と思ってしまいますよね。

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しかし、QuickClickはただの四択クイズアプリケーションではありません。
どういうことかというと・・・

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QuickClickは、子どもたちが四択クイズを「創り出し」て、みんなで早押し大会をすることで、創ったクイズを「分かち合う」そんなプロセスを実現する「探究する学び」のためのアプリケーションです。

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つまり、出題者である先生や大人が、解答者である生徒や子どもたちに、問題を出すのではなく、
QuickClickを使うことで、だれもが出題者になり、同時に誰もが解答者になることができるのです。今までの関係を反転させ、誰もが「問を立てる」力を高めることができるのです。

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QuickClickを用いた探究する学びの流れは3つに分かれます。
「調査する」
「創作する」
「共有する」
の3プロセスです。

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今回は具体例として、滋賀県の公立小学校と東京都の東京コミュニティスクールで交流探究授業を行ったときの具体例をもとに紹介していきます。
まず、お題として「お互いの都道府県のクイズをつくる」ことを子どもたちに提示し、交流授業のための準備をすることとなりました。

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まずは、1つ目「調査する」
お互いの都道府県のクイズをつくるために、チームになって情報を集めます。例えば「相手の都道府県」について知っていることをブレインストーミングしたり、社会科の「都道府県」の学習で学んだりするなかで、お互いの地域に思いを馳せ、思考の幅を広げていきます。

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二つ目は、「創作する」こと。
正解率50%のクイズをつくりだすことを目指して、都道府県クイズをつくります。
クイズづくりのポイントは3つあります。ダミーを考え出すこと、「なぜ」のクイズにすること、問題と答えを反対にすることの3つです。
例えば、ダミーを3つ考え出すことは、想像力を働かせてうまく「嘘」をつくことであり、さらにその「嘘が嘘であること」を確かめなければならないため「深く調べる」学びが巻き起こります。
また、「なぜ」のクイズにすることで、因果関係を考えるトレーニングになったり、観点を変えるために「問題と答えを入れ替える」ことも有効です。

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実際に作った問題を見てみましょう。この問題は東京コミュニティスクールの5年生が作った問題です。もともとは、「えびのように腰が曲がるまで長生きすることを祈って食べる食べ物は」というクイズに、答えが「えび豆」という問題だったものを、答えとクイズを反転させて上記のようになりました。

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滋賀県の小学校5年生がつくったこの問題は「なぜ」の問題をうまく活用したものですね。

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そして、最後に「共有する」です。作ったクイズで遊んで振り返り、「自分が正答率50%になると予測して作った問題」が実際にどのくらいの正答率なのかを知ることで、「問題づくりの改善」へと意識を高めることができます。
お互いの問題づくりの意図を披露し合い、振り返る中で問題づくり、思考力や判断力が磨かれます。

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多くの体験学習はなかなか探究につながりにくくあります。それはなぜかというと、環境学習や校外学習の「調査」からすぐに「表現」へと写ってしまうことにあります。
つまり、調査したことの表現は行うことができるのですが、「思考」や「判断」を行うための状況をつくることは工夫なしにすることができないのです。

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ただ、Quickclickを使い、調査の後に「創作」をかませることで、思考・判断・表現の3つを行うことのできる状況と文脈が形作られます。さらに、「共有」の機会があることによって、それぞれの「思考・判断・表現」が検証され、3つをさらにみがきあげるための手がかりになるはずです。

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つまり、ただ単純に「体験」だけをしてくるだけでは学びを「意味のある」ものとすることはできません。

私の好きなヒーローの一人にジョン・デューイという哲学者がいます。彼の言葉には

「思考することなしに、経験に意味を与えることはできない」

というものがあります。まさに、色々な体験、調査をせっかくしたのなら、QuickClickでクイズづくりをして、クイズ大会で共有することで意味を与えることができるのではないでしょうか。

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つまり、QuickClickで経験を振り返って遊ぶからこそ、探究する学びになるといえるのではないでしょうか。

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最後に紹介ページ。ご興味がある方は、こちら(tyamazaki[at]tokyocs.org)へぜひご一報を!

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山崎智仁(Tomohito Yamazaki)

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山崎智仁(Tomohito Yamazaki)
認知心理学と探究する学びをつなぐべく、日々試行錯誤。山﨑企畫研究所代表、慶應義塾大学SFC研究所上席研究員・Google for Education認定イノベーター