夏の音

今何が聞こえる?
キミはそんな事を不意に聞く。

工房の外では、蝉、蛙、鳥、虫。
それが稲穂の揺れる音に混ざって、
風と共に耳に流れ込む。

意識しないと入ってこない、
けど意識せずともそこにいる、
自然の重なり、
生命の重なり。

人は時に、
目の前にある沢山の豊かさに気付かない。
もっともっとと何かを求め、
目を細めて遠くを眺める。

きっと大切なものは足元にあって、
すぐ隣にいて。
大きな深呼吸をして今に意識を戻すと、
ああ、
こんなにも僕の両手には、
幸せが抱えられてたんだなって、
気づいたりして。

気付こうと思う。
見つけようと思う。
そんな決意と意識を伝えたかったのかなと、
キミの顔を覗くと、
キミはゆっくりと頷いてくれた。

ともですっ、最後までご覧頂き本当にありがとうございます^^