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大学院進学前に知っておくべきこと (この記事について)

はじめに

 以前、母校の先生より、「自分のゼミ生で院進学希望者(いわゆる研究者志望)がいるので、相談に乗ってあげて欲しい」という依頼があった。他の院進学希望者(人文社会科学系)にも十分通用する内容と思うので、ここで少し防備録も兼ねて述べておく。
 主に、これから大学院の進学を考えている人や、その後研究職(いわゆる「アカデミックポスト(以下、『ポスドク』と略)」での就職を考えている人を対象に、大学院とはどういう場所なのか、学部と何が違うのか、今のうちから何を準備しておけばいいのかといったことについて、自分の経験を含めてお話ししていきたい。

 よくよく考えてみたら、多くの人にとって大学院について詳細に話を聞く機会というのは、なかなか無く、せいぜい入試説明会ぐらいである。入試説明会は、言わずもがな、いわば入学者の勧誘の機会なわけで、その研究科の良いところしか話されない。それは仕方の無いことだが、どの大学にも長所短所両方あるわけで。良いところしか聞く機会がないというのは、やはりアンフェアと言わざるを得ない。

 分野によっては院への進学者が多かったり、3年生や4年生になると日頃から院生と接する機会が多かったりする環境もあるだろう。そのような所なら、自然と、これから私が話すことを察し、理解していくものかと思う。しかしながら、学生数の多い大規模私学や、院生が殆どいない小規模大学など、多くの環境ではそのような機会にはなかなか巡り会えないのではないだろうか。そのような環境にいる人達の一助になれれば幸いである。

各記事について

 各回有料にしているだが、最初から読まなくても理解できるよう、最低限の配慮をしているつもりである。全てを購入しなくて良いので、必要な箇所だけでも、まずは読んでみてほしい。

筆者について

 個人の特定を避けるため詳細は書けないが、私は現在30代前半で、某地域の中堅私大で教員をしている。今からおよそ10年前に大学を卒業し、大学院に進学した。
 専門は福祉社会学、歴史社会学。いわゆる高齢者福祉や女性労働の歴史研究をしている。大学院在籍中に日本学術振興会特別研究員、某地方の小規模私大(女子短大)教員を経て、現職。


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