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保守的・悲観的になるのは簡単で、大事なのは「その中でどう勝つ施策を見出すか」。何もないのに効率化しても縮小均衡になるだけだから注意という話。

巷で行われているwithコロナの経営の対応

方々で言われていることですが、コロナは会社が戦っていた前提条件を変えてしまいました。いわゆるスタートアップについても多くの会社にとってその影響は当然甚大で、また事業規模が大きくないほど直撃します。風が吹けば吹っ飛んでしまうからです。

こんなとき、スタートアップ関係者の皆さんは、事業計画を見直しに走ります。売上を保守的に見よう、コストを圧縮しよう、資金繰り大丈夫か、、、と点検を始めます。

これ自体は正しいことなのですが、色々な会社を見ていると違いがあることに気が付きます。

会社によって出てくる違いとは?

まずもって、「スピード」。

これは上場会社の反応を見ていても分かると思いますが、経験豊富な人ほど初動が早い。一般には「そんな過剰反応しすぎでしょう、、、」と思ってしまうほど、早く検討し始め動きます。野生のカンなのか、以前に見た風景と似ているからなのか所説ありますが(冗談です)、事業が成り立っている前提、それが変わる怖さを理解しているからだと思います。実行するフェーズでもこのスピードは目を見張るものがあります。

一方、ある会社はとってもスローです。コトが起きて数か月して動き始める。基盤がしっかりしていない会社ほど影響が大きい=リスクが大きいにもかかわらず。これは危ない。気が付ければ手遅れになりかねず、波にのまれます。

第二に、「徹底さ」「ストレッチした考え方」ができるかどうか。

気が付いた後は、売上を上げ、コストを絞り、CF・BS点検、保守的なプランに振り切ります。

この時、痛いところを変えずに、サクッと変えられることしか変えないのが普通の人。連続性の中でしかとらえられていないので、本当に危なくなった時にどこまで踏み込むか考える幅に限界があります。まあそうだよね、、というところに落ち着きます。ただ、1回見直すだけ。リアルタイムに更新してこそワークするのですが、見直さないから実態との乖離が生まれてます。乖離が生まれるというのは結果であって、その前には起きている状況をちゃんと認識できていない、危機感が足りないという問題が根っこにあります。

一方で、熟練の会社は、事業ポートフォリオ組み替えるとか、事業売却するとか、「そこまでやるか!」「そんな案があったか!」というシナリオまで考えています。それも毎日、徹底的に。最初は議論が広がりますが、現実をとらえるようになってくるので情報が集まり、思考が研ぎ澄まされ、解像度が高まり、どんどん実行・当てカンが出てきます。今考えられるシナリオはこれとこれ、こうなったらこう、この時これが起こる、こうなったら危険水域でこういう対応をとる、と手に取るように説明できる状態になります。

結局、橋は叩きすぎると壊れる、守っていても何も攻めれないという話

第三に、保守的な考えしかしない人と、攻める機会を探る人。

リスクが多い局面では、不確実な点が大きく見えます。複数ある場合には掛け算されて大きく見える。よほど楽観的な人か経験ある人でない限り、そうなるのも分かります。

保守的なシナリオを探る、ボトム(底)を探るというのをした上で(これは大切なのでマスト)、前向きな勝負するポイント・積極的に行うところを意識的に考えることです。

どんなに保守的に見ても守りにはなりますが、それ以上にはなりません。特に、規模が小さいときは守るほど、効率化すればするほど何もなくなります。投資をする時期に投資をやめたら何もHappenしません。もともと事業を作る、価値を作る局面なわけなので、攻めるのが存在意義なのです。

その意味で、良くないのは、保守化して動き止まってそのまま縮小均衡していってしまう会社。

強い会社は、ボトムを見た上で攻める。取れるリスクの範囲の中で自分たちが勝つポイントに投資をします。リスク許容度を高めるために資金を集めたり、何か手放したり、あるいは投資の方法もリスクを抑えた方法を工夫しますが、ファイティングポーズ。数年後にこの市場自分全部が取ってやる、勝ち切ってやるという気概を感じます。

伴走している未上場の投資家(上場株と違って売れない=流動性ないので基本BETし続けるサガにあります。その意味で一蓮托生・運命共同体)は怖いのですが、経営陣の胆力に近いものを感じます。決めたからには何としてもやり切る、応援しきるという気持ちに切り替わる瞬間でもあります。

ステークホルダーは保守化しやすい

ステークホルダーの立場(例えば株主・社外役員の方)では、もっている/見えている情報が限定的であり、経営側に比べて事業の習熟度がありません。なので、基本保守化しやすいです。「ほんと大丈夫?」「もっと保守的に」という思考になります。

株主・社外役員の方は、経営側が持っていない情報や経験を持っているという側面もあり、どちらが良い・悪いということではありません。

ただ、両方の立場から改めて意識したいのは、

守ったうえで、攻めないと縮小均衡に陥る。攻めるポイントを探ろう。

という点です。攻めるためのリスクマネー、攻めないと何も進まない。やるべきことを整理した上で、リスク取るべきところは取りましょう。

この辺のバランス感覚、議論の程度、渇望感!というのがとても大切です。

現在は将来から見た場合、市場で勝てる大きな分岐点になっているかもしれません。競合は普通の会社で我々は常人ではない会社であれば、ありきたりな判断をした競合はいなくなっているかもしれません。我々が普通の会社なら逆の立場です。

あるいは、大きな差をつける好機かもしれません。それが鍵となり、将来の勝負がついているかもしれません。

最後に

こんな局面ではありますが、
・スピーディーに、徹底的に準備する
・守りすぎない。ボトムを想定したら攻めるべきポイントを意識的に考える
・スタートアップの存在意義はリスクを取ること。今は将来振り返った時に勝つ分岐点であるかもしれない。ただしリスクの取り方は工夫する。
・ステークホルダーは保守化することを意識する。その上でベストプランを設定しましょう
・あとは実行(スピード・徹底)、仮説検証してチューニング

これ頑張りましょう。

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