【Weekly不満】なぜ、自宅周辺地図を手書きして学校に提出しなきゃいけないの? ほか(~2022/4/10)
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きくださいね。
先週の生活者不満(~2022/4/10)
注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
先週は多くの学校で入学式が開催されましたが、そのような中で制服が届かない、というトラブルが大きな注目を集め、これに関する不満の声が多く寄せられました。
そのような中で今回は、新年度らしい不満キーワードとして、①提出、②PTAに注目します。
なぜ、自宅周辺地図を手書きして学校に提出しなきゃいけないの?
新年度が始まり、お子さんがいる家庭では進級やクラス替えに伴い、様々な「書類」を「提出」することが求められているようです。これに伴う不満が多く寄せられました。
具体的には、以下のような不満です。
確かに、と納得してしまう不満ですね。毎年同じ内容を変更がなくても全て記入して提出しなければならない。しかも紙で同じ書類を何枚も提出しなければならない。面倒なだけでなく個人情報なので心配になる、という意見です。
「変更がある場合だけ」「インターネットで手続き」し、その「情報が管理されている」という民間サービス等では当たり前になったことが学校では実現できないことに驚きと戸惑いが隠せないようです。
そして特に不満が集中したのは「地図」。自宅周辺地図を手書きして学校に提出必要がある事への抵抗感です。具体的には以下のような声です。
自宅周辺の地図を手書きで書くことなんて滅多にないことであり、その苦手意識と相まって、「なぜネットの地図じゃダメなのか」という抵抗感につながっているようです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)、デジタル化といったキーワードを聞かない日はないほどですが、まだまだ身の回りにはデジタルの力を借りることで最適化できるところは残っているようです。
今のプロセスや方法を当たり前にせずに「なぜ、このやり方?」「どうして
必要なの?」という発想で皆さんの身の回りの不便を洗い出すことこそ、手段としてのデジタル技術の活用のスタートと言えます。
そして、学校・教育に関しては、「次世代を育成する」という、とても大事な役目に集中するためにも、DX、デジタル活用の余地が大きく残されているかもしれません。
PTA、価値あるからこそアップデートを・・!
続いて、「PTA」についても多くの不満が寄せられました。
上記Wikipediaによると、PTAは以下のように定義されています。
「義務ではない児童のための無償ボランティア活動」であるPTAですが、忙しい時間を送る両親にとっては現実的に対応が難しい場面が多いようで、様々な不満が寄せられています。
上記は「役員決め」のプロセスや基準について言及された不満です。ライフコースが多様化する中で、「企業等で働いているかどうか」=「時間があるかどうか」と判断されてしまうシーンもあるようで、納得感ある役員決めがされていない実情がうかがえます。
また、こんな不満も。
「PTAは必要」との前提に立ち、完全にボランティア参加だけでやることに限界を感じる生活者が多いようで、「みんなでお金を出して協力してくれる人やパートナーに支払ってはどうか」という解決策が複数寄せられています。「お金で解決させる」わけではないが、結果として半ば強制的になるよりは、できる方が気持ちよく活動できるような仕組みを導入して欲しい、という意見の顕れと言えそうです。
そして、最後にこの不満。
PTAに出席するために仕事を休むというのは確かに難しい調整を強いられそうです。PTAの集まりを、昼休みや夕方のオンラインミーティングにすることで、ある程度は解決できるのではないでしょうか。
PTA不満は多く寄せられていますが、だれも「PTAなんていらない!」と言ってはいませんでした。
PTAは地域と学校を結ぶ大切な役割だからこそ、保護者側が無理なく、そして過度な非効率なく貢献できるような風潮が今まで以上に求められています。
ネックになっているのは「気持ち」ではなく「時間」と「場所」。この「時間」と「場所」の制約を解消することこそ、デジタル技術が最も得意とする領域です。
前述の「提出」不満と合わせて考えると、「教育」そのもののデジタル化だけでなく、「教育にまつわる手続きやシーン」のデジタル化が、結果として教育の価値をさらに高めることになりそうです。
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