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巾着型のソーセージ包装廃止は大賛成!でも・・ ほか (先週の生活者不満:~2022/1/31)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きくださいね。

先週の生活者不満(~2022/1/30)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は新型コロナ感染症の新規感染者数が更に増加したことで「検査キット」が不足しさらに「自宅療養」が求められるケースが増えてきたことに伴う不満が増加しました。
また、電車内で「喫煙」を注意した「高校生」が「暴行」されたことも大きな話題となりました。

そんななか、今週は①「ソーセージ」、40代女性で増加した②「花粉症」、30代女性で増加した③「牛乳パック」に注目します。

巾着型のソーセージ包装廃止は大賛成!でも・・

2022年1月27日、「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」が巾着型のパッケージの切り替えを業界全体で進めていくと発表したことに続き、ソーセージを製造する食品メーカー各社が、ソーセージの「巾着型包装」を廃止することを発表しました。

これにより、ソーセージ包装に用いられているプラスチックが3割削減されるそうです。これに対して以下のような不満が寄せられました。
多くの生活者は巾着型包装の廃止に賛成しているようで、むしろ「なぜ今までやらなかったのか」と気づいたことに伴う不満が発生したようです。確かに今まで何気なく見ていた包装ですが、「こんなところにも無駄・負荷が隠れていた!」と気づいた生活者が多かったようです。

プラスチック削減のため、ウインナーソーセージのパッケージの巾着型の袋を切り替えるというニュースを見たが、なぜ今までやらなかったのか。環境のためにもさっさとやってほしい。(60代・広島県)

また、巾着型廃止には賛成するも、過度に余裕のない包装にしないで欲しいという意見も聞かれました。「使いかけの袋の口を丸めておけるほどの余裕」は必要とされているようです。

新型コロナ感染症の影響もあり、買い物の頻度を減らすために「まとめ買い」をする生活者が増えたこともあり、「包装・パッケージ」に対して「保存・保管しやすさ」が今まで以上に求められています

これから各社の新パッケージがどんな風になるのかまだ出そろわずわからないけれど、巾着型の上部が無くなっても、使いかけの袋の口を折って丸めて封しておけるくらいのゆとりを残してあると嬉しい。(50代・東京都)

そして、これに波及して「二つ売りパックじゃなくて一つの袋にしてほしい」という不満も聞かれました。
確かにスーパーの多くで、二つの袋をテープで纏めて販売している例が多いですね。これも「一つにまとめてくれればゴミが減るのに」という想いが背景にあるようで、外出自粛によって自宅で食事をする機会が増えたことで食品ゴミが増えたことが関連していると考えられます。

ソーセージの巾着型袋を廃止する動きはありがたいけど、二つ売りパックじゃなくてまとめて一つの袋で売って欲しい。(20代・沖縄県)

加えて、「裏側同士で二つがくっついているのでパッケージ裏面の情報が読みにくい」ことを不満に思う声も。確かに「包装・パッケージ」には「機能・原材料を伝える」という重要な役割があることを思い出させてくれる貴重な声です。

ソーセージの巾着型を止めるそうだ。ついでに2つ連結させるのもやめてほしい。裏側同士がくっついているので原材料などの表示が見にくくて困る(50代・東京都)

「安心して賢く買いたい」
そんな生活者の商品選択において「包装・パッケージ」が果たす役割が高まっています。

あれ、こんな寒いのに、もう花粉飛んでる?

40代女性に限定してみると、先週は「花粉症」がトレンドワードとなりました。どんな不満が寄せられたか見ていきましょう。

まだ1月ですが、花粉症の症状を訴える声が寄せられています。

目がかゆい。もうすでに花粉が飛んでるのかな〜。(40代・岐阜県)

確かに日本気象協会のサイトによれば、飛び始めているところもある、とのことです。まだ寒い日々が続いていますが、もう花粉は飛び始めているんですね。

毎年悩まされる花粉症。それへの対応は永遠の課題ともいえる不満のようで、「花粉をシャットアウトできる網戸」や「眠くならない花粉症の薬」などのアイデアが寄せられています。花粉症の備え・対応につながる商品欲求はまだまだ満たされていないようです。

春になると花粉症で窓を開けられないので不満。風は通すけど、花粉はシャットアウトする網戸ができたらいいと思う。(40代・神奈川県)

朝から花粉が酷かったので、花粉症の薬を飲んだら今日は1日中、極度の眠気との戦いで辛過ぎた。眠気が起こらない薬が欲しい。(40代・東京都)

また、花粉症の鼻水やくしゃみ、喉の違和感などの症状が新型コロナ感染症なのかもしれないと不安になることが不満の声も多く寄せられました。

花粉の時期とコロナ流行時期が重なると鼻水出ただけでどっちかわからないから恐ろしい。(40代・和歌山県)

ここ何日か発熱こそないものの喉が痛くてイガイガして、少しの咳とほんと軽い倦怠感があったので、もしかしたらもしかするかも?と思っていたけど、今年も無事に花粉症が始まっただけでした。この時期わかりづらいから本当に困る。(40代・神奈川県)

不安を解消するためには「新型コロナ感染症に感染しているか」をチェック・検査することが不安を解消する上で有効ですが、検査キット自体がひっ迫している昨今、日ごろから自身のアレルギーについて理解しておくことがこういった不安の軽減につながると考えられます。

気軽にアレルギーを検査できるようなキットやサービスに対する期待が高まりそうです。

牛乳パック、リサイクルしたいけどしにくい問題

30代女性に限定してみると、「牛乳パック」に関する不満が増加しました。

牛乳に用いられる紙パックの回収率が低下していることがメディアで報道されたことを踏まえての不満です。


どんな声が寄せられているのか見ていきましょう。
寄せられた声の多くが「リサイクルには賛同するけどそのための手間が不満」という声です。リサイクルするためにはハサミで切り開く必要があるがその手順が分かりにくい、はさみで切りにくい、という声が多く寄せられました。

牛乳パックを捨てる際に都度はさみでパックを切り開かないといけないのが非常に面倒です。リサイクルのためと思ってやっていますが、はさみ等を使わなくても切り開けるようなパッケージになったらとても便利だと思います。(30代・東京都)

牛乳パックをリサイクルに出しているが、パックを開く時の切り方にいつも悩む。自分なりの開き方ルーティンはあるが、それが正解なのかもわからない。全メーカー統一で、どういう形に開くのが正解なのか記して欲しい。(30代・長崎県)

牛乳パックの回収率が下がっているというニュースをみたが、洗って乾かして切り開くという一連の動作が正直面倒くさい。もっと切り開いたり潰したりしやすい作りになっていればいいのにと思う。(30代・埼玉県)

先に示した「ソーセージの包装」問題と同様に、食べる・飲むだけでなく、その前後のプロセスにおいてストレスを発生させないことが「包装・パッケージ」に求められているようです。

また、以下の声のような声も。

牛乳パックの回収をしているお店が少ないのが不満。スーパーに義務付けて欲しい。(30代・鹿児島県)

生活者の行動変容を起点をした社会課題解決を加速させるためには、生活者一人ひとりのへの行動意欲を高めるだけでなく、行動に移すための抵抗・制約をより広い目で解消していくことが求められています

今週も皆さんにとって穏やかな一週間になりますように。


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