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【先週の不満ビッグデータ】(~2024/6/9)①免許返納、②麦茶

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の不満ビッグデータ」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週水曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。



先週の生活者不満(~2024/6/9)

Insight Techが運営する不満買取センターに寄せられる不満の声。注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」です。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は、自動車メーカーなど5社が車の性能試験で不正があったと国土交通所へ報告したことがわかり、一部の車種が出荷停止となりました。このニュースを踏まえ、生活者からは「不正」に対する不満が増加。改めて企業のコンプライアンス順守がブランド価値に大きく影響を与えることが分かります。


そのようななか、今週は①「免許返納」②「麦茶」に注目します。これらも先週増加が目立った意見です。具体的にどのような意見なのか、早速見ていきましょう。

①免許返納

高齢者による交通事故が続いているためか、先週は「免許返納」に言及する不満が増加しました。

多くは「高齢者の免許返納を促してほしい」という意見でしたが、一方で免許返納後の移動手段のことを考えると、家族のサポートだけでなく、国や自治体の更なる施策が必要との意見・要望も多く寄せられました

免許返納済みの義父義父の通院など、いざというときの為に返納せず乗る義母高齢者の事故を見るたびに免許を返納してほしいと思うけど…返納されて、何かと頼られるようになるのもイヤだ。この葛藤がつらい(40代・埼玉県)

高齢者の免許返納の年齢制限など、国が法を作れば事故を少しは防ぐことができるだろう。公共交通機関の利便さやタクシー券配布など、返納しても安心して生活できるような街づくりにすればいい。国や自治体が動いてほしい。(40代・和歌山県)

すでに各地では免許返納者を対象とした各種優遇サービスが展開されています。例えば東京都では一部タクシー事業者において免許返納者の運賃を10%割引とするなどの優遇サービスが実施されています。

このようななかでも増える免許返納への不満。様々な優遇サービスだけでは免許返納が進まないと感じる生活者が多いのが実情と言えそうです。
無理のない免許返納を加速させるヒントを生活者から寄せられた不満から見てみましょう。

不満の声を見ると、生活者はテクノロジーの活用を期待しているようです。
免許返納を目的化してしまうと「免許返納した後の移動はどうすれば」となることは自明であり、その代替手段を公共交通だけでは担保できないのが実情です。そのような中、生活者からは「自動運転の技術」を「高齢者の移動手段確保」のために活用することが期待されています。自動運転の安全性が担保されればいわゆる交通空白地域においても安全かつ便利な移動環境が担保できそうです。

運転が苦手でも、田舎で暮らすには他に手段が選べず仕方ない。それが理由で免許返納できない高齢者の方も少なくないと思う。一日も早く自動運転を実現普及させてほしい。それまではタクシー無料券を配布する、ライドシェアを普及させるなどしてしのげるようしてほしい。(50代・広島県)

自動車の自動運転は絶対ではないところ。自動運転が可能になれば高齢者に義務付けての乗車が可能になり事故もなくなる。義務違反すれ免許返納でいいんじゃないかな。(40代・兵庫県)

また、自分で運転することの危なさや判断能力の鈍化を客観的に実感できる技術としてVR技術の活用への期待の声も聞かれました。危険性を疑似的に体感することで事故を未然に防ぐことができるのでは、との声です。

高齢者の免許更新講習で、VRなどで事故体験などを経験させて免許返納を促して欲しい。高齢になると家族の言う事なんて聞かない。事故を起こし被害者を出す事が問題なのは言うまでもなく、自らも加害者になれば大きな負担になるし家族にも相当の心労がかかる。事前に防ぐ方法を考え対処すべき。(60代・東京都)

社会課題になりつつある高齢者による交通事故。
一足飛びに「免許返納を」となりがちですが、免許返納をした後の移動の脚をどう担保するのかを考える必要があるのは言うまでもありません。危険を回避しながら移動機会を担保するうえで、テクノロジーが果たす役役割はますます大きくなりそうです。そのためにはテクノロジーに対する安全性・信頼性が前提になり、ユースケースを想定したテクノロジーの磨き上げが重要となります。
社会課題×テック。今後の注目領域と言えそうです。

②麦茶

6月も半ばとなり、夏の風物詩である「麦茶」への不満が増加しました。

まず目立ったのは、「パック」の扱いのしにくさへの声です。「注ぎ口をふさいでしまう」「パックが沈んでしまいうまく取り出せない」「取り出すときに袋が破れる」など麦茶を作ったり片づけたりするシーンでの「パック不満」が多く寄せられました。

麦茶のパック冷蔵庫で水出しするのにしてやかんで作るにしても注ぐ時出口塞ぐあれ鬱陶しい(20代・埼玉県)

麦茶のパックが沈んでしまうとうまく取り出せないことが不満です。パックを浮かせられるパーツが欲しいです。(40代・福島県)

麦茶のティーバッグを取り出そうとしたら袋が破れて中身が飛び出てしまった。1度では無いので、もっとティーバッグの強度を上げて欲しい。(30代・兵庫県)

無印良品など一部店舗では「横置きできる」「パックが取り出しやすい」などの生活者目線での麦茶ポットが発売されており、引き続き、先ほどご紹介したような生活者の不満が改善の種となりそうです。

その他にもちょっとしたイノベーションにつながる不満がありました。
「少人数向けの小さな麦茶パックがほしい」という意見です。もはや単身世帯が標準世帯と言われる中で「大きな麦茶ポットで麦茶をつくる」ことも標準ではなくなっているようです。麦茶は常温では痛みやすいなどの特徴があるため、「1人や2人の世帯が美味しく安心して飲めるサイズ」が新たな価値を生み出しそうです。

麦茶パックは大容量しかなくて困ります。もう少し少ない容量でも販売して欲しいです。(40代・静岡県)

わが家は夫婦での二人暮らし。通常の麦茶パックは大きいポットでの利用を想定した大きさになっているけど、二人暮らしだとそんな量はいらない。麦茶は日持ちしないのでもうすこし少ない量を想定したパックが欲しい。(60代東京)

世帯人員の減少といったマクロトレンドを背景に、調味料や即席ラーメンなど、食の領域では「ダウンサイジング」が一つのトレンドとなりつつあります。麦茶などの飲み物においても「ダウンサイジング」が新たな価値を生み出しそうです。


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Insight Tech 伊藤


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