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【先週の生活者不満】(~2023/9/10)①レジ袋が紙袋にモヤモヤ、②”湿気疲労”は新たな気象病?

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週水曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。


先週の生活者不満(~2023/9/10)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は台風13号やこれに伴う大雨に見舞われた地域が多かったため、「台風」や「雨」に関する不満が多く寄せられました。一部では線状降水帯も発生し、記録的な大雨となりました。被害が出た地域の皆様にお見舞い申し上げます。

また、故ジャニー喜多川社長による性加害問題でジャニーズ事務所が記者会見したことで、これに対して、疑念や心配を頂く生活者から多くの声が寄せられました。被害者救済の方法やこれに対する事務所の在り方を問う声が多く聞かれました。

そのような中、①レジ袋、そして30代女性で増加が目立った②湿気に注目します。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。

①レジ袋が紙袋にモヤモヤ

先週は「レジ袋」また「紙袋」に関する言及が増えた一週間でした。この背景には「レジ袋」の有料化に関するニュースがあるようです。

大手流通のイオンが、衣料品や日用品の売り場で提供する有料のレジ袋をプラスチック製から紙製に順次切り替えると発表しました。イオンは2030年度に使い捨てプラスチックの使用量を18年度に比べ半減する目標を掲げており、達成への足がかりとするための取り組みとのことです。

紙袋は小を税抜き20円、中・大・特大を同30円で販売し、3~5円で提供していたプラスチック袋よりも値上がりとなる。紙袋の販売価格から原価を差し引いた額は、全国の自治体や団体に寄付して環境保全活動にあてるとのこととです。

これに対して生活者からは「何のための紙袋へのシフト・有料化なのか分からない」との声が多く寄せられました。

その中でも「そもそもレジ袋が有料になったのはレジ袋がプラスチックだったからではないか」との声が最も目立ちました。各自がエコバックを持参すること普及させよう、という大きな流れはあるものの、「プラスチックではない袋なのに値段が高くなる」という事象だけに直面すると納得がいかない生活者が多いようです。

ショッピングセンターでレジ袋をプラ袋廃止し紙袋にするとの事。だが有料。そもそもレジ袋が有料になったのはプラゴミじゃないの?!紙袋でも有料にするのは趣旨が違う!(40代・神奈川県)

衣料・日用品売り場の有料レジ袋を紙袋に変えるとの報道があったが、レジ袋を廃止して無料の紙袋にするのかと思ったら、一番小さい袋で20円って、レジ袋より高くなってるし、そもそもレジ袋が有料になったのはプラスチックゴミ削減の目的でエコバッグ利用を推進する理由だったはずなのに、リサイクル率が高く燃やしても有害物質が出ない紙袋に変えて何で客が今までより高い袋代負担しなきゃならんのよ。(40代・大阪府)

また、「プラスチックのレジ袋であればゴミ出しに使えた」「輸送コストなどを考えると紙袋の方が負荷が高いのでは」などの困惑・疑問の意見も聞かれ、実質値上げではないか、との不満に波及しています。

衣料品や日用品のレジ袋を有料紙袋に、小20円・中~特大30円。レジ袋よりも金額が上がるし、紙袋は再利用する要素がなく、結局はゴミとして出すしかなくなる。レジ袋の方がゴミ出しに使えて便利なのに。便乗値上げとしか思えないし、紙袋の方が製造から輸送までコストがかかって環境に良くないと思う。(30代・茨城県)

生活者が直接負担するレジ袋だけでなく、パッケージや容器などの環境負荷を下げる取り組みも必要で、流通会社としてメーカーに働きかけが必要なのでは、との声も聞かれています。

スーパーが、プラの有料レジ袋をやめて有料紙袋に切り替えるという。そもそもレジ袋を有料化してプラスチックの削減に繋がったのか疑問だけど、紙袋の有料化は何のため?プラスチック削減に取り組む姿勢を見せたいなら、商品の発売元に働きかけてパッケージや容器のプラスチックを減らすように働きかけたら、と思う。(60代・北海道)

日々の生活における環境負荷を下げる必要性については”大義”として共有されているにもかかわらず、企業側の想いや取り組みが生活者にしっかり理解されているとは言いにくいのが現状のようです。

企業として実現したい社会的価値を言語化し発信する「パーパス」を策定する企業が増えています。このような不満を踏まえると、「パーパス」を策定した後の具体的な「アクション」とこれに関するユーザー・生活者との「対話」こそが取り組みの本質であることを改めて痛感させられます。

おそらく、どれだけ充実したコンテンツを発信したとしてもこのようなすれ違いは解消されないでしょう。商品・サービスの開発のためだけでなく、企業としての社会的価値を高めるためにも、ユーザー・生活者の声に耳を傾け対話する。このことが結果として企業へのロイヤルティ向上につながる時代と言えそうです。

②”湿気疲労”は新たな気象病?

全体トレンドで見た通り先週は「台風」や「雨」に関する不満が増えました。そのような中で30代女性では「湿気」がトレンドワードとなりました。

今年は記録的な猛暑となり9月になっても高い気温の日が続く中で、湿気が高くなったことで、「蒸し暑さ」を不快に思う生活者が例年よりも多いのかもしれません。

実際、機能性ランジェリーなど湿気対策商品が多く販売され、快適に過ごすうえで「湿気対策」は重要な要素と言えます。

そのような中で不満買取センターの会員からは、「湿気でフローリングがベトベトする」「調理ラップが湿気でくっついてしまう」と湿気により発生する”生活の中のペイン”が寄せられました。
湿気対策にはまだまだ商機が隠れているのかもしれません。

窓開けていると外気はそんなに熱くないはずのに部屋の湿気がやばくてフローリングがベタベタして気持ち悪い。床が湿気でベタベタしない方法ないかな〜。室内歩くの気持ち悪いわ(30代・神奈川県)

湿気でサランラップを使おうとしてもラップ同士がくっついて離れず使えないのが不満。こんな現象は初めて。それだけ今日は湿度が高すぎるのだと思う。湿気でくっついてしまっているサランラップを上手く取る方法があるといいと思う。(30代・愛知県)

また30代女性からは「髪の毛のセットが決まらない」との不満も聞かれました。ゴアゴアになってしまう、前髪がうねってしまうとの声。「ただでさえ湿気で外出が憂鬱なのにそれに加えて髪型が決まらないなんて!」との不満と言えそうです。
ヘアケアに関しては「アホ毛対策」「前髪シール」などニッチな商品が流行していますが、「湿気対策」という市場もあり得ます

湿気で髪の毛がゴワゴワしてボンバーになるのが嫌。ヘアスタイルが決まらない。(30代・埼玉県)

朝と湿気で、前髪がすぐにうねってしまうのが辛い...(30代・埼玉県)

そして以外に多かったのが「湿度が高く体調が悪い・だるい」との声です。湿気そのものだけでなく、気圧との関係や空調との相性など様々な要因が絡み合っている可能性がありますが「湿気疲労」として新たな気象病と言えるのではないでしょうか。

涼しいのに、台風の影響で湿気がすごい。体力消耗する。(30代・大阪府)

湿度が酷過ぎて、クーラーの除湿機能と除湿機単体の二刀流。それでも、60%前後。湿度があると、具合悪くなるから、さっさとカラッとした季節になってほしい。(30代・千葉県)

湿気が多くて朝からだるい。仕事に行ってもすごく体が重くて。頭も重くて、頭の回転がついて来なくて、仕事しんどかった。(30代・大阪府)

この夏は地球温暖化の影響が日常の生活に大いに影響を与えることを実感した生活者が多かったようです。ますます加速している可能性があるこうした気候変化に生物としての人間がどう適用していくのか。環境保護対策といった根本対応に加え、大きな社会問題になる可能性がありそうです。


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Insight Tech 伊藤

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