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相手に「期待」するからこそイライラする/夫婦の悩み#2

今回の夫婦の悩み『妻が大ざっぱで困っています』

私の妻は大変に大雑把で、何をするにも雑なんです。例えば、食器を洗うのでも、洗剤が十分に落ちていなかったり、洗い残しがあったりなんです。作業時間は短いのですが、私はもっと丁寧に洗って欲しいのです。また、掃除にしても掃除機をガチャンガチャン壁にぶつけたり、床に置いてあるものもどかさずにチャッチャとやってしまいます。洗濯も、洗濯機の容量などは全く気にせずにガンガン回してしまいます。家や物をもっと大切にしたいという、私の思いなどは全然意に返してはくれないのです。逆に私が気になって、食器洗いや、掃除・洗濯をしようとすると、時間がかかる、電気代・水道代が勿体ないと言ってやらせてくれません。このように、妻と私の性格の不一致からの衝突が絶えません。最近ではそのことが、私の最も大きなストレスとなり、大変に困惑しています。


今回のお悩みをピックアップしてくれたのは夫のともみん。見ると内容が「妻が大ざっぱ」というもの。これは、暗にわたしもそうだということを言っているのか…。そんな不穏な思いが一瞬かすめつつ、ふたりでこのお悩みをテーマに話し始めました。

(夫ともみん/以下ともみん)男性の方が、妻の家事に対していろいろと願いがあるんだよね。想像なんだけど、きっとこの男性は「こうしてほしい」という自分の気持ちは伝えていても、「なぜそうしてほしいのか」という理由までは言っていないんじゃないかな?

予想外にも、問題の矛先が男性側に向けられたので安心していると「ふさこちゃんもよく食器に洗剤が残っているよね」という一言。そうなんですよね。でも、よくじゃないですよ。たまにですよ!

(妻ふさこ/以下ふさこ)そういう時、ともみさんどうしてるの?

(ともみん)ただ「洗剤がついてるな」と思って自分で洗って終わり。相手を責めたりとか、そういう気持ちは全然ないよ。

(ともみん)自分と相手は違うということを認識すると楽だよね。夫婦だと、相手も同じだと思っているか、相手も理解してくれるとか、相手が自分に合わせてくれるとか思いがちだけど。

相手を自分に合わせようとするよりも、「自分が相手を理解しようとすることが最善」と話す夫。なんだかこれでこのテーマは終わってしまいそうな雰囲気ですが、「相手を理解する」って言葉で言うのは簡単ですが、実際にするのはなかなか難しいですよね。感情が先立って、理性的に対処できないこともあります。


そもそも、なぜストレスを感じているのか?

このお悩みでは、男性が妻の家事のやり方にストレスを感じています。ここでの「ストレス」を「イライラ」という言葉に言い換えて考えてみました。

(ともみん)じゃあ、ふさこちゃんはぼくに対してイライラする瞬間ってある?

そう言われてみると。そんなに思い浮かばないのですが…。いや、ありました!
それは、夫の「痩せる痩せる詐欺」。

期待して、裏切られたと感じると、イライラする

夫に対してイライラすること。それは夫が「痩せる」と言っているのに一向に痩せようとしないこと。結婚前、夫は今よりも10キロ近く痩せていました。それなのに結婚後に増加の一途をたどり、だいぶ恰幅がよくなってしまいました。ただ、そのこと自体にイライラするわけではないのです。

問題は、夫が自分から「ぼくはこれから痩せる」と何度も宣言していること。そして痩せるためにわたしにも食事の上で協力を求めていること。だからこそ、私は夫が結婚前の体型とは言わないものの、スリムな体型になってくれるだろうと期待しました。それなのに、夫が実際には全く痩せていないということにイライラするのです。なぜ痩せないのかというと、夫が一人で外出している時にたくさん食べていることが原因です。

つまり、私は夫が痩せることを期待して、期待通りにやっていない夫を見ると、イライラするのです。

要するに、相手に対して何かを期待するからこそ、裏切られた時にイライラするようです。

今回のお悩みの例でも、男性は「妻が自分の願う基準で家事をこなす」ことを期待していたのではないでしょうか。しかし自分が期待していたように女性がやっていないので、イライラするのでしょう。

結婚する際に、前提として相手に何かの期待を持っていることがあります。
例えば、今回のように「家事をちゃんとしてくれること」、あるいは「お金を稼いでくれること」など。
それは言い換えると相手は何かを「与えてくれる」ことを期待しているということ。

(ともみん)結婚生活って、初めから「与え合う関係」ではないよね。前提として相手が「与えてくれる」存在だと思うと、結婚生活は無理があると思う。反対に、相手に何も期待しないとすごく楽。


実際わたしは、「痩せる」こと以外でも夫が家事をあまりしてくれていないということでイライラしていたことがありました。それは夫が家事をしてくれるだろうと期待していたからこそ。
反面、夫はわたしに対してあまりイライラすることがないそうです。その理由は、やはりわたしに対して期待すること(これをやって当然だと思っていること)がないからだそうです。家事に対しても、妻であるわたしがやって当然だという風には思っていないので、わたしが家事をやりたくないという時にはナチュラルに「じゃあぼくがやろうか」と言ってくれますし、「じゃあ出前取ろうか?」となったりもします。

期待することは「悪」なの?

期待して、裏切られたと感じると相手に対してイライラしてしまう。それならば、いっそのこと何も期待しない方がいいのでしょうか。期待することは間違っているのでしょうか?

(ともみん)いや、良い期待というものもあるよ!

例えば、と言って夫が引き合いに出したのが『ドラゴン桜』というマンガ。このマンガは、落ちこぼれ高校の生徒を、元暴走族の弁護士・桜木健二が東大に合格させるため奮闘するというストーリー。

元暴走族の弁護士・桜木健二は、経営難の三流私立校・龍山高校に債権者代理として乗り込む。教師・井野真々子らを前に、学校の解散と教師の解雇を通達。だが、弁護士としての名を上げるため、桜木は解散ではなく東大合格者を輩出する進学校にする再建案を立ち上げる。桜木は東大受験のための特別進学クラスを創設し、生徒たちの東大合格のために奮闘する。(Wikipediaより)

(ともみん)このマンガで第1巻に出てくる、東大を目指すための大前提があるの。なんだと思う?

(ふさこ)受かりたいっていう…

(ともみん)そう!本人の意思なの。東大に行きたい奴はこの場所にこの時間に来なさいって言うの。そしたら2人が来るの。それって本人の意思だよね。
本人の意思がある時に、期待するのは良いことだと思う。

本人にやりたいという「意思」がある場合、そのことを尊重したり、応援する意味でも、期待するということは良いようです。ただし、やりたいと思っていなことに対して勝手に期待してしまうのはNG。相手が期待通りにならないと、結局は自分自身がストレスを抱えてしまう結果に。

(ともみん)だからふさこちゃんが、ぼくが「痩せたい」と言っていることに期待しているのは、良い期待なんだよ。

そう言って笑う夫。果たして夫は無事に痩せられるのでしょうか。温かい目で見守っていきたいと思います。


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