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下手(ヘタ)こそ物の良さ分かる

下手でもいいのです。何かをやっていた経験は必ず自分の中に残って、心の豊かさにつながるものなのだと思います。私の場合は、卓球とブレイクダンスです。恥ずかしくなるくらい下手でした。上達するための努力もそれなりにしたつもりですが、競技と上手に付き合っていけず、少しコンプレックスに感じています。しかし、やっていたからこそ、上手い人の凄さがよく伝わってきます。やっていてよかったのです。

どんな世界にもすごい人たちがいます。将棋でもフィギュアスケートでも何でもそうです。もちろん、経験がなくてもプロの選手の凄さは伝わってきますが、自らその競技をやった経験があれば、プロの選手の凄さがさらに高画質で伝わってくるものだと思います。これは、教養の一種なのだと思います。私は将棋のルールをいまひとつ知らないため、羽生さん*¹の凄さがあまり分かりませんし、フィギュアスケートもあまり興味がないので羽生さん*²の凄さもよくわかりません。皆同じに見えます。その競技の選手たちが皆、同じような姿で見えている状態を低画質と呼んで差支えないでしょう。

私は中学1年生のときに剣道部に入りました。しかし、色々あって顧問の先生や部員の皆さんと折り合いが悪くなっていきました。居心地が悪かったので、2年生になってからは仲のいい人がいる卓球部に移りました。

卓球部は卓球部で、小学校の時から経験を積んでいる人たちが多くて私は苦労しました。高校でも何となく続けましたが、とにかく大会で勝てなくて部活そのものはあんまり好きになれませんでした。卓球自体は楽しいです。しかし、練習すれど上手くなっていく実感がないし、試合で勝てない。部活はコンプレックスでした。

卓球が弱いことがコンプレックスだったのもあり、高校の友だちに「ブレイクダンスやってみないか」と誘われたときはすぐ食いつきました。あまり人がやっていないことをしてみたい、という気持ちで始めました。友だちと一緒に練習しているときは、楽しかったです。大学まで続けました。
そして本格的にやっている人たちとも交流してみましたが、あまり馬が合いませんでした。当時の私が卑屈なだけだったなと思い、反省はしています。
が、その人たちとは上手くコミュニケーションができませんでした。

「Bboy 〇〇*³知ってるか??」「〇〇さんはヤベェ、知り合いになっておいた方がいい」みたいな空気でした。なんというか、内輪ネタの激しさというか、閉鎖的なコミュニティの空気というか、それらについていけませんでした。私に追い打ちをかけたのは、みんなオシャレさんで胸張って生きている雰囲気があったということです。それに対し、私はヒョロガリクソ眼鏡だったので、妙に卑屈になってしまいました。(気の持ちよう次第だったと思うんだけどさ)

とにかく、競技との付き合い方自体は私の気の持ちよう次第だったと思いますが、これらをやってきた経験は無駄ではなかったです。時々ブレイクダンスのバトル動画(試合みたいなもの)を見て「うわ、この人の動きどうやってるの?すごい」と言葉が漏れてしまうこともあります。これは、やっていたからこそわかる凄さなのだと思います。EXILEのファンはEXILEのメンバーの見分けがつくと思いますが、私はATSUSHIさんとTAKAHIROさん以外の見分けがつきません。物事の見分けがある程度つく、と自覚したならば、それは立派な教養のひとつなのだと思います。

何かが下手だからといって、卑屈になりがちな人もたくさんいらっしゃると思います。でも、決して無意味ではないのです。その競技や趣味の良さが分かるのです。その業界の凄い人の凄さが分かるのです。

それって、素敵なことこの上ないと思いませんか。



*¹ 羽生さん : 「はぶさん」と読む。よしはるさん。ややこしい。

*² 羽生さん : 「はにゅうさん」と読む。ゆづるさん。ややこしい。

*³ Bboy : ブレイクダンスをする人。またはその主体。「Bboy 〇〇」の〇〇をBboyネームと呼ぶ。Bboyネームとはブレイクダンスをするときに名乗る名前のことである。EXILEでいう「ATSUSHI」「TAKAHIRO」みたいな感じで、本名をローマ字にしたものが多かった。ちなみにEXILEとはダンス&ボーカルグループのことである。
ブレイクダンスの大会(バトルと呼ばれる)に参加するとみんなローマ字の名前を名乗っていた。まるでEXILEのメンバーみたいだった。今の世代の人たちには、EXILEどころか三代目J Soul Brothersと言った方が伝わりやすい可能性もある。しかし私は二代目を知らない。三代目、という名前はメディアでよく見聞きしていたものだが、そういえば二代目はいつどんな活動をしていたのか?と疑問に思うことも多い。私がEXILE系列で知っている曲と言えば「Lovers Again」「ただ逢いたくて」くらいである。三代目の皆さま方の曲は1曲も知らないくせに、名前を出してしまい大変申し訳ない気持ちでいっぱいである。誤解のないように言っておくが、私は当然EXILEの皆さまや三代目J Soul Brothers、EXILE系列グループ及び関係者各位に対する敬意を持っている。
ブレイクダンスの大会(バトルと呼ばれる)ではMCとDJがいる。私は当時MCのことを「イキっている鬱陶しい存在」だと思っていた。今もこの気持ちは変わらない。今度の休日はHIPHOPシーンにおけるMCの歴史をしっかり調べてみたいと思う。しかし、あいにくコロナ禍が影響して近所の図書館が臨時休業している。早く図書館に行きたいな。こうやって振り返ってみると、まだまだHIPHOPの世界において私の造詣が浅いのだと思い知らされる。誤解のないように言っておくが、当然私はMCの人たちに敬意を持っている。
日本におけるブレイクダンスのトップはTAISUKEさんやISSEIさんと呼ばれる人たちだろう。「シグネチャームーブ(Signature Moves)」と呼ばれる、その人独自の動き、または動きの組み合わせを持っていて、世界的な大会でも上位入賞をしたり優勝をしている。一度YouTubeなどで名前を検索してバトルを見てみると、その迫力に驚かされること間違いなしだ。


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