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「テートブリテン」

みなさん、こんにちは。
今回はロンドンにある美術館「テート・ブリテン」についてご紹介します。

テートブリテンの場所と概要

 テートブリテンは1897年にオープンしたイギリスのアート保存を目的とした美術館です。ロンドンの中心部ウェストミンスター地区にあり、地下鉄ピムリコ駅から徒歩約10分です。入場料は無料です。

外観

 わあ~素敵な外観ですよね。ロンドンの他の美術館に比べ小さめですが、私は結構お気に入りでして。小さい分まとまった感じがして見学しやすいですし、イギリスっぽさがあって落ち着くんですよね。こう、派手でもなく、色彩が穏やかな落ち着いた雰囲気がいいんです、個人的に。笑

 建築の柱の模様をチェックするのが毎回の楽しみです。今回もなかなか凝ってますね~。そしてよく見ると屋根の上には彫刻が。右はユニコーン、真ん中は騎士?左が何か見えません、、。あんな見えないところもちゃんとこだわっていて、発見するのも楽しいですね。

テートブリテンの見どころ

 テートブリテンの見どころといえば、なんといってもターナーではないでしょうか。ターナーは19世紀に活躍したイギリスを代表する画家で、こちらにはターナーの作品が数多く展示されています。

 また展示品の中で最も有名なのが、恐らくこちらの写真の絵画。ミレーの「オフィーリア」です。シェイクスピアのハムレットに出てくるシーンが元になっています。実物は細かいところにもたくさん色が使われているのが見え、とても美しく、みんなその色彩をじっくり見ています。その他、フランシスコベーコンを始め数々の著名なアーティストの作品があるので、イギリスアートを満喫したい方にお勧めの美術館となっております。

テートブリテンの歴史

一人の実業家のコレクションから始まった

 さて、テートブリテンは1889年にヘンリー・テートさんという実業家が、彼のコレクションをロンドンのナショナルギャラリー(国立美術館)に寄贈しようとしたところ、スペースがないと断られたことから建設計画が始まります。彼は砂糖事業で成功し、角砂糖の特許を買収、ロンドンに精製工場を作りました。現在も工場は稼働しているそうで、要するにめ~ちゃくちゃお金持ちでした。笑

 彼はビジネスで成功したお金で、アートをコレクションするようになります。彼が寄贈しようとした絵画たちは当時の価値で約7,5000ポンド、現在の価値基準だと約610万ポンドで、日本円でなんと約10億円です!
ええ!?まじ!?目ん玉が飛び出ます!!笑
大富豪だったんですね、テートさん。そりゃ自分の名前がつきますわ~。

 砂糖精製が奴隷制度を利用していた歴史があるため、彼にも疑惑がかかっていましたが、資料を読んだところ、歴史上何度も議論がされたが、奴隷制度と彼が直接関わった事実はないと運営より正式に声明が出ております。しかし、イギリスの歴史と奴隷制度は切っても切れない存在ですので、このテートブリテン建設に関しても様々な議論があったようで。気になった方は公式ホームページにも声明がでていますので、調べてみてください。

元々は刑務所だった

 1816年から1842年までこの土地には刑務所がありました。正確には更生施設ですが、現在の建物よりも大きな施設で川沿いまで施設が広がっていたとのこと。
その後、1842年にはオーストラリアに移送される犯罪者を拘留する施設として使われていました。

 今とだいぶイメージが違うので、驚きですね。今や世界中から観光客が訪れる場所となりましたが。

建築家シドニー・スミス

 そしてテートさんがナショナルギャラリーにお断りされてから3年後の1892年にテートブリテンの建設が決定し、建設費用はテートさんより莫大な資金が提供されました。お金持ちって美術館作れちゃうんだね、、笑
 その後、何度も改築・増築がされますか、最初のデザインは建築家シドニー・スミスさんが手がけます。彼はテートさんがロンドンに設立した複数の図書館も設計していました。
 図書館も作っていたとは、、もはや私はテートの作った街で生きている?笑 それは言いすぎですが、こうやってお金を図書館や美術館など国の貴重な財産を守るために使うのは素晴らしいですね。

 シドニー・スミスさん(1858–1913)はヴィクトリア朝後期の建築家で、テートブリテンはネオクラシック様式(新古典主義)でデザインされました。 ネオクラシックとは、18世紀後半から19世紀初めにかけて流行した様式で、ローマ時代やギリシャ時代の古代のデザインを使おうといったスタイルです。
要するに、ゴテゴテスタイルじゃなくて、一回昔の原点に戻ろうぜ!スタイルです。笑
私の勝手なイメージです、専門家の方々すみません。

 そういわれると、確かに外観結構スッキリしていますよね。これがオリジナルのデザインのままなのかはわかりませんが、内装も結構スッキリしています。
では、中に入ってみましょう!

テートブリテンの内装

ドーム型の天井

わ~きれい~。館内の一番の特徴はこのドーム型の天井です。昼間だと太陽の光が降り注ぎます。こう見ると確かに柱とかは装飾がシンプルかなと思いますね。戦時中に爆撃に合い、ガラスが全部割れてしまいますが、今こうして元の形に戻っています。

あと、この螺旋階段が特徴的です。こちらはかなり新しく2013年にデザインされました。このイチョウ型?扇形の模様がちょっと和風ですよね。全体的に静かなお洒落を感じます。

展示スペース

 こちらは中央部にある展示室です。深紅の壁が落ち着いた雰囲気を醸し出してます。ここはいつも絵画の模写をしている方が多い印象です。こんな場所で絵を描くのも楽しいですね。

天井のお花

天井はこんな感じ。天井にお花の模様、よく見るスタイルです。
見上げても楽しいんですよね、イギリスの天井は。

部屋ごとの入口デザイン

 このお部屋ごとの入口のデザインがいいんですよね。この石が!重厚感があります。色も落ち着いた深緑のような色で、くぐるたびに壁紙の色も変わって、気持ちが次の部屋に切り替えられますね。

フローリング

そして床がめっちゃ綺麗。木の床が。滑らかで、歩いていると、これはいい床!と感じるぐらいです。美術館で床を撮る人。笑

ベンチにもこんな遊び心が。建物の絵が描かれていて可愛いですね。

彫刻やボードゲームも展示

 彫刻や現代アートもあるんです。冒頭で比較的小さいと言いましたが、じっくり見てたら日が暮れます。笑
ここは床の色が暗くて、壁の色と合わさり落ち着いた大人の雰囲気ですね~。この、つるつるの床が好きです、個人的に。

こちら、随分綺麗だと思ったら2007年のボードゲームだそう。イギリス出身のアーティストさんによるもの。昔のものから、現代のものまで、イギリスの様々なアートが楽しめます。

玄関付近のホール

さて、今回はイギリスらしい美術館についてご紹介しましたが、みなさまいかがでしたか。
美術館って、いつ来ても、贅沢で心豊かな気持ちになれますよね。

 今回は絵画にあまり焦点を当てませんでしたが、また訪れる際は絵画についてもご紹介したいですね。イギリスのアート保存を目的としているだけあって、こちらでは、歴史上の数々のイギリス名品が拝めます。大英博物館やナショナルギャラリーなど有名どころも人気ですが、イギリス好きな方はぜひこちらも訪れてみてくださいね。

 ちなみに私が一番好きな絵画は現在他の美術館に貸出中でした。
絵画もご縁ですかね。また見られるときに行こうと思います。

では、また次回。
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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