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読書ログ:ミステリ(2024.04更新)

 ついった/えっくすに書き溜めていた読書ログです。
 コチラは、ミステリ作品について。

 ほかのカテゴリは下記にまとめています。

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随時更新中……


 私は「ミステリ」「ホラー」を娯楽として読んでいます。
 「ミステリ」は「人が死ぬ → 解決する」の現実に望んではいけないカタルシスが起きるので好んでいる自覚があります。人間は減ったほうがいいと思っているよね。


▼ 黒死館殺人事件

巡り合わせでようやく『黒死館殺人事件』読みました! なるほど判らん!!!笑
もともとの解説を澁澤龍彦が好きすぎて書かせてもらったというくだりがさもありなんで納得しかない。好ききらいの前に、知識の足りない私には判らない、だけど一族がほぼ全滅していくかんじは好きでした!
2019年11月11日


▼ 九尾の猫〔新訳版〕

新訳版『九尾の猫』読みました。
前半がもやもやだらけの連続殺人だっただけに、容疑者が判って、被害者の共通点が明かされたときの腑に落ちるかんじがたまらない! そして逮捕劇のあとも割とページがあると思ったらもう! 面白いですエラリイ・クイーン······!


▼ カササギ殺人事件

遅ればせながら『カササギ殺人事件』読みました。
「バーナード嬢曰く。」のように、上巻を読み終えた時点で「下巻は!?」とはならず。むしろ期待せずに下巻を開いて止まらなくなるというか! ダブル・フーダニット、たしかにすごかったです。
 +
それにしても、よくよく『ジェーン・エア』が引き合いに出されていた理由は判らなかったな!!! スーザンはロチェスターが好みと言いつつ、クライマックスからするとあなたがロチェスターの立場でしたよね。そういう伏線? いやこの伏線に意味があると???
 +
ミステリーチャンネルで連続ドラマ「カササギ殺人事件」全話観ました。
現実の人物とモデルにした作中作のキャラを同じ役者さんにしているので、これは映像ならではのヒントだ!!!と喜びましたが残念ながら私には見分けがつきませんでした。役者さんを見分けるのが苦手です。
とはいえ、現実と作中作の境目をあえて曖昧にしているのがなかなかに初見殺しだと思います。スーザンとピュントが普通に会話するのがホラー要素みたいだったんですけど大丈夫ですか???笑 あと久しぶりに字幕作品を観たので倍疲れた……原作読んでても英語の音声だけで展開追うのは無理です。
2023年10月14日

▼ ヨルガオ殺人事件

カササギに続き、『ヨルガオ殺人事件』読みました。
今回は調査→作中作→解決編で、読者に対するフェアプレイがすごいという評価にも納得。まあ私は外側と内側のキャラクターリンクがピンと来なかったけれども!笑 あと円満に終わったのはスーザンだけよな。
前作でアランの性格・作品づくり・性癖が明かされていることが、今作の大きな仕掛けになっている点がうまいし、続編として申し分ないと思います。道理でゲイ設定のキャラクタが複数居てキーマンになっているはずだよ……この作者ゲイに恨みでもあるのかと思ったじゃない……ッ!


▼ 魔王の島

警戒していても、〈つくりごと〉が多すぎて推理はできない……。〈結末〉には〈事実〉だけしかなくて、それを分解して覆い隠して書き換えると、この物語になるのだなと思います。語るほうも聞くほうも、哀しみを分かち合うような物語に。
 +
ネタばれありで言うと、地の文すら〈信用できない語り手〉にしてしまう構造が秀逸だったと思います。何故なら、「地の文を含めて〈信用できない語り手〉が語ったものである」から。つまり第一部まるごと「と、サンドリーヌは語った」で締め括られるものであったと。
第二部からは、第一部の外側(「と、サンドリーヌは語った」世界)であるかと思いきや、それすらも「と、ダミアンは語った」世界であったことが明かされる結末。これは確かに禁じ手と言われてもやむなし……!
まあ、でも、私は〈信用できない語り手〉が絡む話は好きなので、ズルイと思うのが半分、ひたすら感心するのが半分でした。面白かったです。ネタがしんどいので、読み返して〈答え合わせ〉をしようとは思わないけれど。笑


▼ 図書館司書と不死の猫

テーマ買いした『図書館司書と不死の猫』読みました。
現代の書間体小説、と言っていいのか。録音や動画から謎解きするのは現代的だけれども、文字で再現するのはなかなかハードルが高いなと。その分、真相に辿り着いたときの爽快感はあるけれど!
 +
いつもながら、『ジェーン・エア』が引き合いに出されると反応してしまう。このシーンへの連想はあまり見かけない気がする。


▼ 黄色い部屋の謎 + 黒衣婦人の謎

創元推理文庫で、ガストン・ルルーの『黄色い部屋の謎』(宮崎嶺雄訳)と『黒衣婦人の香り』(石川湧訳)読みました。
「歴史的名作」ながら読めていなかったので、ようやく手を出したところ驚きの連続でした。前者の密室が密室足り得た理由だとか、後者で明かされる出生の秘密とか!!!
そもそも探偵役がルールタビーユということも把握していなかったので、冒頭でまずどえらく驚きました。「アンデッドガール・マーダーファルス」シリーズに名前だけ出てくる〈有能な編集長〉の元ネタはここか!!! 絶対元ネタあるんだろうなと思いつつ、調べなかった怠惰さが刺激になりました笑。
とはいえ、前者は旧訳、後者は新訳すらない絶版なのでリーダビリティがいいとは言い難く……でも表紙のデザインは好みだったので意地で古本を探しました……ッ
2024/01/21


▼ アリス殺し

まだるっこしい会話劇と、もどかしいアーヴァタールの探り合い、からのアリスの種明かしのカタルシス!!! 幻想譚と論理ミステリの融合がすごいなと思っていたら、最後の最後でカタストロフが起きて絶句しました。
2023年7月3日
 ↓
あらためて読むと、〈アリス〉について丁寧にミスリードされていて感嘆します。この1作目だけ、視点が井森/ビルではないせいでなかなか〈アリス〉が死なないというのも感慨深い笑。
井森/ビルが視点になるのは殺されるときだけだったし、あれはイレギュラー(そうしないと死の状況が伝わらない)だと思っていたので、2作目から井森/ビルが視点になったのには仰天しました。1作目の〈ビル〉は可愛いより苛立つからなおさら!笑
2024年1月29日

▼ クララ殺し

誰が誰のアーヴァタールなのか疑うことをすぐに忘れてしまって綺麗に騙されました。アーヴァタールが無事なら生き返る法則、とはいえ井森は可哀想だなと思います。そんなに殺されなくてもよくない???
残念ながら物語が半分くらい過ぎるまで、「くるみわり人形」ではなく「ハイジ」だと信じ切っていました。私の知らないハイジのキャラクターにグロテスクな改変がなされているのだと思っていました。だとしても頭をパカっと開くのはないだろ。ホフマン宇宙だって呼称されてただろ!!!
あと、なぜかずっと、ビルが人間サイズで二足歩行のしゃべるトカゲだと思っていたので、今作でサイズの言及をされて「!?」と思いました。表紙ちゃんと見ようね。まあ不思議の国なら生き物は擬人化されてナンボだろと思っていた節はあります。だからって、ねむりねずみは小さかったでしょうに!!!
2023年7月4日
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あらためて読むと「〈不思議の国〉と〈ホフマン宇宙〉では本体と分身がほぼ同一」という理屈で井森/ビルと読者をあざむく展開がすごいなって思います。信じたくもなるわけですよ、とにかくややこしいから!笑
2024年1月30日

▼ ドロシイ殺し

見せかけの大団円がものすごい悪意だなと思います。アーヴァタールの死すら逆行するオズの魔法は、為政者にとって万能。政治批判にも読めそうだけれど、そうすると賢い市民はツギハギ娘のように振る舞うべきか。
「オズ」シリーズはそれなりに読んできたので意気揚々と読みはじめたのですが、まあ原作のこともほぼ忘れていたし謎も解けませんでしたね。ファンファズムなんていたっけ……。でもボウムおじさんがオズの話書くのやめたいって言ってたのは知ってます。ピノッキオのコッローディおじさんみたいだね。
2023年7月5日
 ↓
今回は『玩具修理者』を読んだ後なので、そのひと知ってます!!! がとても楽しい笑 でもいちばん陰謀が渦巻いていて、冷え冷えとした読後感。巻き込まれた井森/ビルが哀れだね。
2024年1月31日

▼ ティンカー・ベル殺し

のっけからピーター・パンが暴力装置すぎて、この世界観に慣れてきたと思ったのは甘かったと思い知りました。最後の「ループのタイミングが悪すぎた永遠の地獄」はたいへん好きです。
2023年7月10日
 ↓
とにかく〈ピーターパン〉という暴力装置が苦手です。〈ウェンディ〉も分身が判るとどの面下げてと思ってしまうからいけない。だから最後の「死のループ」はやっぱり好きなわけですが。
2024年2月1日
我ながらここで笑ってしまったことに驚いたんですけど、ビル(肉食)が削ぎ落とされた鼻をめぐって、削がれた本人としていた「俺の鼻だ!」「もう僕の鼻だ!!」のやりとりが最高に好きです。なんだよ「もう僕の鼻だ!!」って!!!笑


▼ 裏切り

SNSで知って、シャルロッテ・リンク『裏切り』読みました。
父の「娘に対する裏切り」は当然ながら不倫なわけですが、背後にあった更なる裏切りに迫る展開に引き込まれて一気読みしました。その裏切りなら復讐は成されて良かったと私は思いますね!!!
2024年1月28日

▼ 誘拐犯

『裏切り』に続いて、シャルロッテ・リンク『誘拐犯』読みました。
「連続誘拐なのか」「動機が何なのか」に「犯人は誰なのか」が重なって、かなり複雑でハラハラしました。おまけにケイトの恋愛事情はハラハラを通り越してズタボロの気分。最後に報われるって約束してほしい;
なお、じつは『誘拐犯』から読みはじめてしまったので、作中でしばしば言及される「父の事件」にオヤァ……?と思いながら読み終えてアチャア!と思いました。独立してくれていたおかげで、後から『裏切り』を読んでもちゃんと新鮮なトラウマを負えましたあの父親許さないからな。
ちゃんと調べなかったせいでシリーズの2巻目から読んだのは、「百鬼夜行」シリーズの『魍魎の匣』以来2回目です。たぶん。うん。ほかの作品のときは買ってから気付いて読むのをストップしたはずなので。たぶん。
2024年2月4日



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