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読書ログ:シリーズあれこれ(2024.03更新)

 ついった/えっくすに書き溜めていた読書ログです。
 コチラは、シリーズで読んでいるものについて。

 ほかのカテゴリは下記にまとめています。

読書ログ:エトセトラ

読書ログ:アンソロジー

読書ログ:ミステリ

 ▼ 随時更新中……


▼ 「カスミとオボロ」シリーズ

『カスミとオボロ』読みました。
装画に惹かれてだったけれど、中身もたいへん好みでした!
清く毒舌な香澄と、強く純粋な鬼の朧の、主従で、擬似姉弟で、前世の因縁。鬼はそこらじゅうに蔓延れども、あのふたりはどこか静謐で、それがとてもいい。

『カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語』読み返しました。
潔癖なカスミと甘党なオボロのふたりの関係と掛け合いがやっぱり好き・・・・・・! オボロが鬼を喰らってくれるの、世のため人のためってかんじで好きだよ笑


▼「少年検閲官」シリーズ

▽ 少年検閲官

少年検閲官たるエノが出てくるまでに。クシエダ、クリス、ユーリと少年が何人も出てくるので「この中に少年検閲官が居る……???」と勝手に疑いました。笑 でも後半になるまでエノが出てこないのすごいな!?
ネタバレありで言うと、〈探偵〉たるアサギは、手ずから作った〈紙〉の〈本〉に、いったい何を書いて、息子に読ませる気だったのだろうか。あの世界に〈創作物〉はなく、彼が創作に長けているとも思えない。書けるとすれば、手元にある〈小道具〉の〈首切り〉ミステリの写しだけだろうに。

▽ オルゴーリェンヌ

作中で「少女自鳴琴」を「オルゴーリェンヌ」と読ませるのを見て、ちゃんと前作を踏襲してるーーー!!! とうれしい衝撃を受けました。書物の失われたこの世界で、音楽がいかに重要なものであるか。


▼「図書館の魔女」シリーズ

『図書館の魔女』読みました。
思っていたのと違った、もっと知識を持つことそれ自体に重きを置く安楽椅子探偵みたいな物語だと思ってた!笑 知識は、否、言葉は、成すべきを成す手段。だからと言ってあれほどに外交に関わるなんて! 双子座の最後だけが切ない。たとえ仇なす敵であっても。

『図書館の魔女 烏の伝言』読みました。
ずっとニザマ国内の謀略で、エゴンやユシャッバ姫や鼠たちは好きだけどーーーと思っていたら、マツリカ様がちゃあんと出てきてくださってうれしい・・・・・・カロイの伏線もすごくよかった・・・・・・!


▼ 「ヒポクラテスの誓い」シリーズ

表紙とテーマ買いした「ヒポクラテスの誓い」シリーズ、文庫版3冊読みました。
真琴先生が解剖に納得するまでがしんどかったけども; 腹の決まった真琴先生も、光崎教授もキャシー先生も古手川刑事もみんなそれぞれの論理で動くから好き!笑 下っ端ふたりの「まるで夫婦」感も!

『ヒポクラテスの誓い』読みました。
ちいさな謎解きからの大きな謎解き、連作短編の王道ではあるけれど、傍若無人に見えた光崎先生の振る舞いの意図がわかったときの納得が大きかったです。まさに「生きている人間は嘘をつくが、遺体は嘘をつかない」!

『ヒポクラテスの憂鬱』読みました。
今回の「ちいさな謎解きからの大きな謎解き」、社会的なクライムサスペンスに見えて、その実そんな動機か、といい意味で裏切られました。いや後味は全然良くないですが。権力をもった矮小な人間は、どこの組織にも居るね。

『ヒポクラテスの試練』読みました。
今回は大きな謎解きがメインで、気持ち置いてけぼりにされたような。真琴先生と古手川刑事が後半別行動するせいもあるだろうけれども。笑 たしかにどいつもこいつも、死んだって構わなかった。それが感染症でさえなければね。

『ヒポクラテスの悔恨』読みました。
犯行の動機に同情の余地はあっても、その犯行自体はすべて利己的で同情に値しない。のに、犯行予告のおかげで自然死にされずに済んだ事件があるという事実が歯がゆい。
2023年7月11日

写真は作中の浦和大に引っ掛けて取った浦和駅との2ショです。
2023年7月11日


▼「大正地獄浪漫」シリーズ

▽ 大正地獄浪漫 1

江口夏実さんの絵に釣られて『大正地獄浪漫 1』読みました。
途中までは、キャラクタの個性がどぎつすぎて読みづらくって仕方なかったけれど、事務屋さんの能力と背景が判ってきて、力ある本が主題であると知ってからの楽しさったら!!!
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ざくざくひとが殺されていくけれど、ぜんぜん痛快ではないし(*褒め言葉)、組織内がギスギスドロドロしていて最初は大混乱するのだけれど、眼鏡屋ちゃんの本当の能力と真の役割が判ると一気に引き込まれる。
識字率が上がったからこそ、「本」が支配の道具になる時代。いまのような「情報過多」ではない分、拡散に時間と手間はかかるけれど、1冊への依存度は高くなる時代。たいへん理にかなった〈幻想譚〉だと思います。

▽ 大正地獄浪漫 2

『籠目』のときと同じく『死娼館』も、最初は男が女(あるいは弱者)を喰いものにするばかりと思っていたら、その男たちすら「知識人」になぶられているという地獄。おまけにゲヒルンは圧倒的に女が多いのに、牛耳っているのは男という事実。
一方で、背景に根付く〈男尊女卑〉はやっぱり否定したい。女が発言することが問題なのではなく、「いずれ嫁入りする娘たち」向けの教育しか受けられてないことが問題だと思うよ。同じ条件で学んで、それで弁論が立たないというのなら認めてもいいけれど。条件に差をつけて勝つなんて、むしろ哀れだ。
大正時代であれば、〈衆愚政治〉を危惧する気持ちは理解できてしまう。政治や国体について日々研鑽を積んできた〈知識人〉が中枢に集まっているのであれば、聞き齧ったものを声高に叫ぶだけの〈一般人〉の意見など邪魔でしかないだろうね。権力がセットになっているから信用できないだけで。

▽ 大正地獄浪漫 3

『湯蒸譚』が「力の弱い本」であるなら、数多ある思想書がそれなのだと思う。「力の強い本」という〈特別なもの〉で思考性を奪ってきたけれど、今度は思考性を増長するあたりが、文字情報が優先される現代にも通じていて、薄寒くなる。
このあたりから、文字で人心を支配するという〈先進的〉な考えが、じつはすべて血族志向の上に成り立っていたことを知る。さらには種族差まで。もともと〈鬼〉という呼称は出てきたけれど、心身ともに明らかな差があるなんて、思いもしなかった。

▽ 大正地獄浪漫 4

古から大和の地で起きていた闘争。それを引き継いで、煮詰めて、死んでいった数多の者たち。〈土蜘蛛〉も〈鬼〉も血族が死に、当代でこの闘争は終わる。しかしそれは〈愚者〉だけで国を統治することでもある。その後の史実を仄めかすように。
民族譚が出てくる物語は正直めちゃくちゃ好みなんですけれども、そこに日本的な〈お家〉が出てくると、途端にしんどい。近親交配をしない限り、〈純血〉なんてものは有り得ず、それを求めることで生物として破滅していく業。馬鹿らしいと判っているのに、私たちはまだ「姓」と「性」でひとを見ている。


▼「ギルドレ」シリーズ

 文スト原作者のカフカさんの作品ということで手に取りました。好きなのですが、序盤も序盤で止まってしまったのが口惜しい。。。

『ギルドレ(1) 有罪のコドモたち』読みました。
大人の勝手な理屈で有罪扱いされて、それが同世代のコドモたちにも伝播して、孤立しながら足掻いているギルドレとかそういう設定大好きですよ!!! まあ主人公カイルはまだ日が浅いけれども笑、ニィナの心中がもう······もう!

『ギルドレ(2) 世界最弱の救世主』読みました。
カイルの「選択」は量子学······って判らないけれども、それがニィナを護ってくれるのなら、カイルがどの側の存在であったとしたって構いやしないよ。

『ギルドレ(3) 滅亡都市』読みました。
カイルとセロの距離感が目まぐるしく変わって戸惑うんだけど、どっちもギルドレになるなら仲良くなってね!? あと救出されたロマちゃんかわいい。


▼ 「筐底のエルピス」シリーズ

「筺底のエルピス」シリーズ、『おそれミミズク』で知ったオキシさんの別作品だからと軽い気持ちで読んだら······すごく濃密なSFでした······。

▽ 筺底のエルピス -絶滅前線-

予想よりずっと取っ付きやすい設定で一安心。人類がいずれ絶滅するとして、目の前の鬼を見逃す理由にはならない。日本の鬼が西欧の悪魔と同存在であるとか、好みです。この鬼退治の果ては、どこへ。・・・・・・地獄へ?
2017年10月4日
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固有名詞も設定も盛り沢山だけれども、この先もっと複雑化していくことを知っていると、最初は存外読みやすいと感じるから不思議!笑
2023年9月19日

▽ 筺底のエルピス2-夏の終わり-

鬼を狩る物語だと思っていたのに1巻から同業者との抗争でアッレェと思っていたらこういうこと!? 人外より恐いのは人間って月並みだけれど明らかに人類のほうが恐ろしい。鬼が島はここだ、日本列島だ!
2017年10月7日
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きっかけは《白鬼》だとしても、なぜ鬼じゃなく人類と戦わねばならないのかと、読み終わってからいつも茫然とします。SFのうえに組織同士の攻防戦と群像劇は、当然ながら情報量が多い!
2023年9月20日

▽ 筺底のエルピス3-狩人のサーカス-

尋常じゃないくらい仲間が死ぬんですけど······!? そりゃあ逃避行だって判っていましたけど、いま! この!! タイミングで!? 希望がなくて、絶望ばかりが重ねられていくよう。
2017年10月10日
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《I》という組織は理解できないけれど、組織内のグループ名はめちゃくちゃに好みです。シャターズ・カンパニーとか! そのうえ、サブタイトルも納得しかない。《エンブリオ》はひたすらに絶望的だけれど。
2023年9月21日

▽ 筺底のエルピス4-廃棄未来-

あああ、だから廃棄未来! 廃棄せざるを得なかった、未来! 壮絶な地獄に残された少女ふたりは、もう元には戻れない、のに、分岐した世界は巻き戻る。あまりに複雑で、あまりに残酷な仕打ちではないのか、これは!
2017年10月12日
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堕ちていく叶の姿があまりにつらい。自分以外が廃棄すると決めた未来に取り残された彼女と、仲間殺しを背負わされた彼女が、せめて同志であれたら良かったのに。
2023年9月22日

▽ 筺底のエルピス5-迷い子たちの一歩-

あれほどの地獄を、幾度も重ねてきた者が居る、など。長い長い不毛の鍔迫り合いをしてきたふたつの集団が相容れられたのは、<門戸>の当主がイレギュラーだったおかげ、なのかな。それとも、これすら、仕組まれていたこと?
これで後半戦のスタート? 嘘でしょ!? どんな地獄がまた待ち受けているというのか!!!
2017年10月13日
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同じ地獄をくぐり抜けなければ理解し合えないという言説は受け入れ難いけれど、同じ地獄をくぐり抜けなければ通じ合えないことがあるのは事実だと思う。要は、そこで共に歩むことを諦めるか否か、だ。
2023年9月25日

▽ 筺底のエルピス6-四百億の昼と夜-

世界を再構築する系SFはしんどいし理解が追いつかないけれども大好きです! スイッチ一回ばっちんばっちん切って、そこから一気にばちばちばちんっと入れ直す圭さんが最高ッ!······だったのに、そこから急転直下で状況悪化とかもう·····
2019年6月11日
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またサブタイが秀逸。カナエが味わった〈捨環戦〉が「ちいさなもの」と言えてしまうほどの文明リセットが行われていたという事実。馬鹿と阿呆の抵抗に希望を覚えた矢先の魔手がまた恐ろしい!!!
2023年9月29日

▽ 筺底のエルピス7-継続の繋ぎ手-

絶望的な状況を、ひっくり返すのではなく、地道に突き崩して御前たる燈を奪還する圭の力量!!! それを「自分以外の積み重ねがあってこそ」と言えるのも圭らくてすごくいい。《四不象》の由来解釈も好き!
2022年3月15日
 ↓
これまでになく絶望的なのに、圭の本領発揮でこれまでになく落ち着いて読めたのが驚き。もちろん仲間たちが居てこそだけれど。でもようやく反転攻勢だなと思うのに、次章が「絶望時空」と言うからもう!!!
2023年9月30日


▼ 「依存症」シリーズ

作者の櫛木さん曰く【「性犯罪は心を壊す」がテーマ】ゆえの憤りを味わいながらも【描写がエグいと言われることもありますが、性犯罪そのものの描写は控えめにしています】【実際の判例を読んでいると「これは書けないし書きたくない…」と思うことが多々でして、現実の方が残虐です】という絶望感!

何の因果か『殺人依存症』読みました。
未成年への性暴力が連なるのでものすごく胸糞だし、語り手になった刑事は本当に運が悪かったとしか言えないのだけれど、最後の最後で何故か犯罪を主導した彼女が逃げ切ってほしいと思いはじめる自分に驚く。
2024年2月19日

何の因果か『残酷依存症』読みました。
前作がクライムサスペンスなら、今作はピカレスクロマンという印象。他人を甚振ることに因果が持ち込まれて、復讐は為されてしまえが信条の私などはよろこんで読みました。機会さえあれば報復するという構図がたまらなく好きです。
とはいえ私とて前作『殺人依存症』を読んだ身です。いかに今作の真千代がピカレスクヒーローになろうとも、彼女が性犯罪者を積極的に手助けし、少年少女を甚振っていた過去は消えない。彼女のしていることは罪滅ぼしではなく、いつか報復されるべき犯罪者であることは忘れずにいようと思います。
2024年2月20日

何の因果か『監禁依存症』読みました。
思っていた報復と違ったけれど、この報復のほうが好みです。1作目の『殺人依存症』から連なる因縁は消え去ることがないとは言え、ここでまた因縁が強まるとは。1作目の苦々しさとも、2作目の爽快さとも違う、呆然とした結末でした。
2024年2月21日


▼「獄門撫子此処二在リ」シリーズ

甲田先生が推薦文を書いたと聞いたのがきっかけだったので、誰が推薦文を書くかって大事だなって噛み締めました!!!

『獄門撫子此処二在リ』読みました。
ハードな描写と設定盛り盛りながら、垣間見える撫子の可愛らしさがとても愛おしいし、アマナが軽薄にならざるを得なかった背景にもぐっとくる。読んで良かった。ぜひ続刊が欲しいです。
2023年8月26日

『獄門撫子此処二在リ2』 読みました。
今回は撫子があんまりお腹を満たせなくて可哀想だな……と思ったり。なのでメキシカンな料理をうっとり味わう姿はとても好き。まあ、そのメキシカンが伏線になるとは思っていなかったのでウワァ!? となったわけですが!!!
2024年2月24日


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