プログラムのフォントで見る特級
ピティナ特級公式レポーターの森山です。
一応趣味、フォントみたいなことを書いた手前、一本くらいはその手の話をしても良いだろうと書きました。
ファイナルのプログラムを見る前ではありますが、恐らくこの時期が一番適切なのではないかと思いました。
きっかけはこのツイートです。
もうフォントについて話すまでもなく、このフライヤーのデザインから、これまでの予選とは大きく異なることは明らかですが、もうちょっと掘り下げて(フォント方面に)楽しみたいと思います。
二次予選
保存状態が良くないのはほんっとうにごめんなさい。もらった直後に撮影しておけばよかったんですが、三次予選ともども忘れていました……。
このプログラムをもらった時、コンクールの予選会現地って初めてで、とてもワクワクしました。参加者も曲数もとても多かったので冊子になっていました。中身はこんな感じでした。
コンクールの運営の方が、Wordソフトを使ってせっせと作ったのだろうなと想像しました。フォントについては推定ですが、ソフトの中に標準で搭載されているゴシック体と明朝体をが使われていると思います。
地味といえば地味ですが、2日間のタイトなスケジュールをスムーズに進行するぞ!という思いが込められているようにも感じました。
三次予選
本当にクリアファイルとか持ってくるべきだったのですが、何にも考えていませんでしたすみません。
参加者が、ファイナルで弾く予定の協奏曲をピアノの公式伴奏者の方と演奏するという三次予選、曲目が少ないのでプログラム内容は1枚にまとめられています。
黄色みがかった紙から二次予選より温かい雰囲気を感じますが、これはフォントに注目しても言えることで、Microsoft Office標準なのは一緒ですが、その中でも丸ゴシック体を使用しており、親しみやすさを感じます。
プログラムを受け取ったときは、会場は二次予選と変わらないのに何故?と不思議に思いましたが、演奏を聞くとわかります。三次予選は、オーケストラパートを弾く公式伴奏者の皆様の温かさで溢れていました。丸ゴシック体が使われていたことに超納得して会場を後にしました。
セミファイナル
二次予選と三次予選だけでも、見てて面白かったプログラムですが、セミファイナルになるととてもコンサートっぽいプログラムになります。
迫力のあるデザイン、圧巻の文章量ですが、フォントに注目しただけでもガラッと変わっています。見出しがゴシック体、曲名、本文が明朝体というところは同じですが、使っているフォントがお高い!
よく「フォントって買うの???」と聞かれますが、先に紹介していたプログラムに使われていたフォントも、意識していないだけで大抵は買っています。Microsoft Officeは有料だと思いますが、その料金の中にフォント代も入っているという訳です。
しかし、セミファイナルのプログラムに使われているフォントは、その類のソフトに標準で入っていることは中々なく、買っていると思われます。
見たかぎり、推定ではありますが、使用書体はモリサワの「見出し語MB31」というゴシック体と、「リュウミン」という明朝体です。(明朝体の方は、太さに細かい種類がありますが、そこまであんまり自信がないので割愛します。)
iPad版を除けば、2つの書体を一番安く使うにしても4万円を超えます。日本語は、ひらがなカタカナだけでなく、膨大な漢字が必要になるので、大体このくらいかかります……。
それだけ気合の入ったセミファイナルのプログラム!細部までゆっくり味わってみませんか?
おまけ
セミファイナルに向けて何冊か本を読んでいたのですが、このシリーズが作曲家の生涯以外にも、たくさんの曲が詳細に解説されていておすすめです。
今回演奏される曲目の中では、新曲課題と、モーツァルトの『サリエリの歌劇「ヴェネツィアの定期市」のアリア「わがいとしのアドーネ」による6つの変奏曲 ト長調 K.180』とバラキレフの『東洋風幻想曲「イスラメイ」』の3曲以外は全て解説されています。
何かトピックを立てて記事を書こうと思ってあまりの膨大な情報にちょっと時間が足りなかったのですが、時間がある方は読んでみてください。
(写真提供:ピティナ)
ピティナ特級Webサイト https://compe.piano.or.jp/event/tokkyu/index.html
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