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【息子のサッカーを見て、見えてきたこと Vol.49】育成効率という観点

こんにちは!

ヨーロッパで活躍する日本人選手がどんどん増えていて、週末の楽しみが増えています。

個人的にはJリーグがシーズンがヨーロッパとずれているのは良いことだと思っています。

Jリーグが終了してもヨーロッパはシーズン中ですし、ヨーロッパが終わってもJリーグがあると言うので、両方を楽しめます。

さて、本日は育成効率について、触れていきたいと思います。

ヨーロッパで活躍する選手が増えているものの、昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントに進むことができた日本人選手は限られています。

フランクフルトの長谷部選手と鎌田選手のみ。強豪国と比較してもまだまだだと考えざるを得ません。基本的にCLの決勝トーナメントに進むのはビッグクラブですので、そこに到達していなければなりません。

この点を育成効率と言う観点で、考察していきます。※育成効率ですがどれだけ効率的に育成を行なえているかと私の中で定義します

例えば、先日訪問したデンマークと言う国は人口が約600万人です。イメージとしては、横浜市(370万人)+川崎市(150万人)+相模原市(70万人)という神奈川県の政令指定都市を足すと同じくらいです。

ここからは推定の数値で考えて行きたいと思います。少し古いデータですが、デンマークの年間出生者数は約6.5万人(UN:2000-2005年)。単純化のため、7万人と想定します。

今回は男子で考えたいと思います(女子サッカーは非常に重要であり、かつヨーロッパでは盛んになっている競技ですが)。半分が男の子とし、3.5万人。

サッカーをプレーしている割合は、サッカーが国技である国なので、3.5人に1人(実際はもう少し割合は低いでしょうが、あえて多く見積ります)と捉え、1万人がサッカーをしている計算とします。

一方で、日本のプレー状況ですが、こちらはJFAにデータがあります。2022年度の4種(小学生)の登録者数は、約25万人。

1年生の登録は多くない想定ですので、25万人を5学年で単純に割る(実際は4、5年生に偏りがありそうですが)と、1学年5万人の計算となります。

このうち、我が国では女子よりも圧倒的に男子のプレーの割合が高いことを考え、8割(実際は9割かも知れません)と捉えると、4万人の少年がサッカーをしていると見なせます。

つまり、推測では日本人の方が競技人口として4倍ほど多いと見積りました(日本:4万人、デンマーク:1万人)。デンマークは多く見積っていますので、実際は4倍よりも多いかも知れません。

効率面の評価は様々で難しさがありますが、単純化のため、昨シーズン(2022-23)のCL決勝トーナメントの出場選手数で比較したいと思います。

日本人は前述したように、2選手。デンマーク人は
・Simon Kjaer(ACミラン)
・Alexander Bah(ベンフィカ)
・Pierre-Emile Höjbjerg(トットナム)
・Yussuf Poulsen(RBライプツィヒ)
と4人が出場しています。
※transfermarkt.comより独自調査
※Andreas Skov Olsen(クルブブルッヘ)は怪我でラウンド16を欠場したので除外

20歳~34歳の15年と考えると、日本は60万人のサッカー少年がいたのに対して、2/60万(長谷部選手は当時39歳なので、本当は1とした方が良いかも知れません)=1/30万人。

一方で、デンマークは4/15万人ですので、1/3.75万人となります。つまり8倍の効率性の高さになっています。

デンマーク国内ではベスト16に出場するほどのビッグクラブはないため、限定されてはいますが、オランダ(1700万人)やポルトガル(1000万人)ですとさらに数値は高まるでしょう。※調査が大変なので割愛します

今まで、いくつか問題提起をしましたが、こうした改善をしなければ、効率性の改善には繋がらないのかも知れません。

もちろんトッププレーヤーを生み出すことがスポーツの目的ではありません。一方で、純粋にスポーツを楽しむ(プレーする、観戦する、関わる)環境として、日本が勝てているかと言うと、多くの面でヨーロッパに劣っていると感じます。

この点に目を背けてはいけないですし、少子化や子どもが外で遊ばなくなっている状況を考えると、真摯に向き合っていくことが関係者には求められます。

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