【ゴールキーパー育成】元Jユース・現コンサルタントの私から Vol.5
前回の記事
■ポジショニング
セービングの際に正面で処理する技術の重要性を説きました。
正面で処理する上で非常に大切なのがポジショニングです。
良いポジションを取れば、正面で処理できるチャンスが広がります。
サイドステップのみで正面に移動することが可能です。
ポジションでは「左右のポジショニング」と「前後のポジショニング」に分けて考えます。
□左右のポジショニング
基本を説きたいと思いますが、シューター(ボール)とゴールがある時に、真ん中に立ちます。
分かりやすいのはペナルティキック(PK)です。PKスポットは大人ですとゴールから11m離れたところにマークされます。ゴールに対して真ん中の位置です。
PKスポットは真ん中の場所の一つの目安です。PKスポットからゴールに線を引くとちょうどゴールを2分できる線が引けます。
その線とゴールライン上の真ん中(ゴールスポットと呼びます)を意識しながら、シューターとゴールスポットの真ん中に立つようにします。この時、体の向きはボールに正面となります。
ゴールスポットを見るには振り向かざるを得ず、そうするとボールから目を離してしまうので、この時PKスポットを意識するケースが多いです。
また、ゴールポストも自分とゴールスポットとの位置の目安になります。
□前後のポジショニング
極論を言えば、相手がシュートを打つ瞬間に、「1対1のシュートブロック」での技術を活用し、0距離でブロックすれば、ほぼシュートコースはありません。
つまり前のポジショニングと言うのは、距離を0にしてしまうのが最も良いことです。
ただし、これはあまり現実的ではありません。DFがいるのであれば、任せればシュートコースを限定できますし、前に出る間に頭の上を越されたり、巻いたシュートを打たれることになってしまいます。
前に出れば、届く範囲が増えます。横の移動距離も少なくて済みます。一方で頭の上を越される、巻いたシュート、反応時間が短いといったデメリットがあり、自分の身長や反射神経、判断スピードを加味し練習で身に着けることが良いでしょう。
また、コーナーキックやクロスからのシュートの際にはあえて、ゴールの中にポジションを取る方法もあります。これにより反応までの時間をコンマ何秒か稼ぐことが可能になります。
ゴールライン上であれば、ノーゴールですので、賢いポジション取りが求められます。
あらゆる可能性を想像しながら、ポジショニングを取っており、とても奥が深いのがゴールキーパーだと言えます。
□ペナルティエリア外のアプローチ
ドイツ代表のノイアー選手の様にエリア外のボールを処理することが2000年代以降、ゴールキーパーには強く求められます。
かなりディフェンスラインを浅くしているチームが多いため、ディフェンスラインの後ろのエリアのカバーが必要となっています。
トップの大人の試合ではFWからDFラインまでは25~30mと言われます。コートは半分で約50mですので、ゴールキーパーは30m~40mのカバーを行うことになります。
これはもう予測(スルーパスやクリアボール)を行い、判断するしかありません。育成の時にはある程度、失敗することもあるでしょう。
大事なのは失敗したとしてもそこから学ぶこと。
また、始めから高い位置を取ると、40m~50mのロングシュートを決められる可能性もあるので、それも意識しながらの前への意識という高度な予測が必要です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?