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カニカマだけを握りしめて幼稚園へ行った話。

今朝はなんと、手ぶらで幼稚園へ。

車で10分。幼稚園の駐車場について、さあ降りようと社内を見渡すもカバンがない。
娘の手には、強く握りしめられたカニカマが一本。車の中でなにか食べたい、というから出掛けに渡したカニカマを、まだ食べ終わらずに大事に握りしめている。

「やばい、カバン忘れてきちゃった」

娘を幼稚園へ預けたら一度家に帰って、荷物を持ってまた戻ってこなきゃ、なんて思ってすっかりテンションが下がったぼくを見て、娘がにやりと笑った。

「あー! カバンがないと困っちゃう! どうするぅぅ?」

目を大きく見開いて、困ったような表情をつくりながらも口元が笑っちゃってる。
子どもって、こういうミスがあったとき、なぜかとにかく嬉しそうだ。

「カバン、パパ取ってくるから先に幼稚園に行っちゃおう」

そういって娘の手を握って、幼稚園へと小走りする。

「あぁ。今日は軽いなぁ。お荷物ないから、めっちゃ軽いわー!」

スキップしそうな勢いで走りながら、もはやルンルンしながら、随分パパのミスをディスるじゃないか。

「お弁当もなかったらどうする?? 先生にもらわなあかんなー」

いや、家に帰って持ってくるって何度も言ってるのに。大丈夫だよ、今日の君のお弁当はハンバーグとポテトフライが入ってる。大好物だろう。

幼稚園の部屋へと駆け込むなり、「パパがお荷物全部忘れてん!」と先生にご丁寧に報告。

「荷物全部忘れは、史上初ですねぇ」と先生もニヤニヤしながら、ぼくを送り出してくれた。

***

今日も見に来てくれてありがとうございます。
ぼくも子どものころ、イレギュラーなミス(自分にいっさい否がないのは大前提)ってなんだか面白くて興奮していた気がします。
それにしても、ずいぶん笑顔で責められたなぁ。
明日もまた、ぜひ見に来て下さい。




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