見出し画像

「名もなき家事に名前をつけた」ら、なんと家事の本質が見えてくるではないか。

お風呂から上がってさっぱりした夜。
「さあ、お茶でも飲もうかな」と冷蔵庫を開けてキンキンに冷えた麦茶に手を伸ばす。
しかし麦茶の入った容器をグッとにぎった瞬間、嫌な予感にかられた。

──軽い。。。

そっと持ち上げて見るまでもない。底の方に残り一杯分となった、麦茶パックの粉が沈殿した茶色い液体。

──残り約一杯分。明日幼稚園の水筒に入れる分は足りるか? 足りないか?

頭の中のコンピューターがすばやく計算をはじめる。

「コップ一杯分=水筒、1/3杯分」デス。。。

アウトだ。容器を洗って、明日の分のお茶を作らなくてはいけない。なぜ、自分が先に見つけてしまったのか。。。

***

家事とは、つまりこういうことの繰り返しなのだ。
料理? 洗濯? 掃除? うんうん。もちろん大切。めちゃくちゃ大変。
だけど、細々してて、いちいちパートナーに頼むほどでもなくて、「そんなのさっさとやっちゃえばいいじゃん。すぐ終わるよ」なんて言われたら「そんなのわかってるわい」と頭で繰り返しながらイライラする。
これって家事って言っていいの? なんて雑多なものこそが、もしかしたら圧倒的に多いのかも知れない。

こういう家事を「名もなき家事」と言う。ダイワハウスが提唱し、NPO法人tadaima!も家事シェアという点で携わらせて頂いている。

この無数にある名もなき家事たち。
名前がなかったから、ずっとモヤモヤしてた。
名前がなかったから、ずっと日の目を見なかったし、人それぞれだった。
なにより、家事をやっていない人には「へー」ってたぶんあんまり実感を伴って理解されなかった。
名もなき家事は、家事の担い手の心の叫びだったのかもしれない。
「これだって、あれだって、家事って言っていいじゃないか!」と。

だけど、この名もなき家事ひとつひとつに名前をつけた人がいた。

コピーライターの梅田悟司さん。

名もなき家事を見つけては、名前をつける、なんてよく思いついて、よくつけ続けたもんだ! と驚く。
しかも、名前のセンスが抜群すぎて、家事の話題にありがちな「ネガティブ感」をまったく感じないのだ。

共感と爆笑。

晴れて名前をつけられ、日の目をみた数々の名もなき家事たち。

この、名前をつけられた名もなき家事たちの本は、なんといっても夫が読んでも心から楽しめるのがいい。
だいたい、家事の大変さを訴えた本や記事って、どうしても夫にとっては読んでいて辛くなる、責められている気がするものが多い。
だから、笑いながら読めるってものすごく大切。

そして、「料理」「掃除」「洗濯」に限らない家事の本質を理解し合うのにもいいバイブルになるんじゃないかな。

最後に少し宣伝。
こちらの本の「おわりに」にNPO法人tadaima!の名前を少しだけ出して頂いているのですが、そのご縁で著者の梅田悟司さんと、ダイワハウスの多田綾子さんとトークセッションをすることになりました。
10月5日、大阪梅田の蔦屋で行います。お近くの方はぜひ遊びに来て下さい!

***

今日も、見に来てくれてありがとうございました。
じつは、梅田さんの『「言葉にできる」は武器になる』という本も大好きで、文章を書き始めたころにとても参考にさせていただいていたのです。
だから、こんなところで、こんな繋がり方をするなんて思ってもおらず。今からお話できるのがとても楽しみなのです。
ぜひ、明日もまた見に来て下さい。

この記事が参加している募集

読書感想文

最後まで読んで下さり、ありがとうございました! スキ・フォロー・シェアなどしてもらえたらとっても嬉しいです。 ぜひまた見に来てください!!