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ぼくは毎朝、卵焼きをつくる。

「明日のお弁当、卵焼き入れてな!」
たまたま卵を切らしてしまってお弁当に入れていなかった日の帰り道、娘がぼくに訴えた。

「今日は入れてなかったからなぁ。それじゃ、卵を買って帰ろうか」

そういって、ふたりでスーパーへと向かった。


ぼくは毎朝、卵焼きを作っている。
ぼくがつくる卵焼きはしょっぱ味のだし巻き風。甘い卵焼きも嫌いじゃないんだけどほとんどつくらない。

中には、カニカマを入れたり、チーズを入れたり、コーンを入れたり、時と場合によっていろんなものを入れたりもする。
ポイントは、水を少し加えること。
TVかなにかでいっていた。ふっくら仕上がるのだと。

焼き上がった卵焼きをカットボードに取り出す。
数え切れないほどの数を作り続けた最近、ようやくふんわりとつくれるようになってきた。
涼しくなってきた今朝は、ほかほかと湯気が立ち上がっていた。

「卵焼きできた?」

娘が鼻をひくひくさせながらやってくる。

「できたよ」

椅子の上にのって、よいしょ、と覗き込んだ先にはできたての卵焼き。
しばらく娘はぼーっと見つめていたが、ガマンしきれず、

「卵焼き、たべたいなー」

とぼやく。
卵焼きは、いつも6等分。真ん中に包丁を入れて、それを3等分ずつ切り分ける。娘のお弁当に2つ。妻のお弁当に2つ。ぼくのお昼ごはんに2つ。

だけど今朝は、卵焼きが食べたい娘に2つ。ぼくのお昼の分をあげよう。

ぼくはあと何回、卵焼きをつくるのかな。
料理は好きだったけど、お弁当を作り始めるまでは卵焼きをちゃんとつくることができなかった。それは、普段のごはんで卵焼きをわざわざつくることがなかったから。
毎日卵焼きをつくるようになったいまでも、お弁当以外ではほとんどつくらない。

ぼくにとって、卵焼きと言えば、お弁当なのだ。

いずれにせよ、ぼくは明日もまた卵焼きをつくる。

***

今日も、見に来てくれてありがとうございました。
たまには、甘い卵焼きも作ってみようかな。
ぜひ、明日もまた見に来て下さい。

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