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母娘は似てるね。

ちょっとくすんだ使い込まれたパンプス。
まだ小さな娘は、そのパンブスを手に取ると嬉しそうに妻を見上げた。

「この靴、わたしがお姉ちゃんになったらもらってもいい?」

「いいけど、その頃には新しいのを買ってあげるよ」そう言って妻は笑った。


ママと同じマフラーがしたい。
ママと同じ帽子やで。

娘はママとお揃いであることが嬉しくて仕方がない。買ったばかりの洋服が届くと「わたしがお姉ちゃんになったらそれちょうだい!」と真っ先に"予約"する。

お化粧だって、ネイルだって同じようにやってみたいのだ。

母娘って面白いものだなと、ふたりを見ていると思う。父息子も同じようなことがあるのだろうか。


ぼくも子どもの頃、お気に入りのジャンパーがあった。それは父のジャンパー。カーキ色をした少し大人っぽいデザイン。
もらったわけじゃなく、勝手に着ていた。

そっと父のタンスから出して、こっそり羽織って出かけていたのを思い出す。

父が使っていた手帳に憧れて手帳を買ったこともあった。なにも書くことがなくて、ほとんど使わなかったけど、持っていることで大人になれた気がしていた。


娘は、妻と洋服なんかの好みが似ているなと思う。
そういうのが遺伝なのか、目にする機会の多少の問題なのかはわからない。でも、ふたりが楽しそうに洋服を選んだりしている姿が、ぼくは大好きだ。(退屈だけど)

「わたしの新しいパンプスにすぐ気がついたんだよー!」と妻が教えてくれた。家に帰ってくるなり「あー! ママ新しい靴買ったん?」とウキウキしていたらしい。

そして今回も、そのパンプスは娘がお姉ちゃんになったらもらうのだと、すでに"予約"済みなのだと。


では、また明日。

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