男性が家事をやる理由とは??
家事は何のためにやるのか?
スープ作家の有賀さんが、書かれた記事にとても考えさせられました。
僕は家事シェア研究家として12年以上、色んなご夫婦と家事について話をしてきました。そしてここ3〜4年の大きな変化がまさに「何のためにするのか」を男性が考え始めたことだと思うのです。
▶ 12年間の家事への男性の意識変化を思い返してみる
活動をはじめた12年前。
ちょうど「イクメン」という言葉が流行り始めていた頃。(2010年に流行語大賞となる)
その当時は育児についてはみんなモチベーションが高かったのを感じました。でも、びっくりしたのが家事は別物扱いだったことです。
育児は期間限定で、この時期を逃したら子どもとの楽しく大切な時間を失ってしまう。そんな切迫感すらありました。
抱っこをすること、色んな遊びをすること。そんなパワフルでクリエイティブな育児こそが「パパらしい」とされていました。
一方で家事については消極的。
「料理が苦手」「妻に怒られる」「時間がない」「何が家事なのかわからない」そんな声がアチコチから聞こえてきました。
また、「手伝う」という言葉はNG。
そんな声も、この頃から聞こえてきました。
面白かったのは「手伝う」と言う言葉を取り上げられたパパたちが、家事に対しての動詞を失ったことでした。
「やってる」とは言えない。「やってない」とは言いたくない。
たしかに、手伝うと言うのがぴったりな状態だったのだなと感じました。
コロナ前には「イクメンもどき」なんて言葉も広まりました。
育児の上澄みだけして、イクメン風を吹かせていると、SNSを通してママたちの不満が爆発していました。今でも、その傾向は多いようです。
そしてコロナにより、多くの人の働き方が変わり、家での過ごし方が変わりました。
▶ 「妻を助けるための家事」が終わりつつある
コロナ前は、男性たちに「何のために家事をするの?」と聞くと。
「妻を助けるため」「いつも大変なママにもひとり時間を作ってあげたい」という答えが多かったです。
でも家で過ごす時間が増え、家事育児を夫婦で同じようにやるようになった(一部の)男性にとって家事は「妻のためにすること」ではなくなりました。
生活をするためにやっているのは当然ですが、でも「生活」という、終わりが見えず延々と続く繰り返しに、「何のため?」と問い直したくなるのだと思うのです。
今は仕事でも「何のため?」を問い直す時代です。
言われたことを言われたようにやっておけばいいんだよ、という昭和な価値観ではなく「何のためにやってるのか」こそがモチベーションや社会的価値観に結びつき、よいパフォーマンスにも生きがいにも繋がると考える人が増えました。
だからこそ「何のため?」と家事についても考えるのだと思います。
きっと、人それぞれに「家事を何のためにやるのか」の答えがある。
さっきは少し否定的に書きましたが「妻のため」だってもちろんいいだろうし。「気持ちよく暮らすため」かもしれないし。「家事スキルが上がるのが楽しいから」って人もいるかもしれません。
各々が自分なりの答えを考えるのだろうし、それがどんな答えなのか。
僕もとても興味があります。
さいごに、ひとつだけ。
家族での家事シェアの形が変わるとは、「家族とは何か」が変わることでもあると思います。
▶ 家族は、「家を守るための縛り」から「夢を叶えるチーム」になる
色々な家族関連の論文や本を読んでいると。
これまで家族とは「家を守るための縛り」という側面が大きかったのだと解ります。
家を守るために、夫が労働に出て、妻が子を産み家を営む。
このスタイルが都市部を中心に定着していきました。
でも今は。
「家を守る」ために一緒になる人ってどのくらいいるんだろう?
それよりも「好きあったふたりが、一緒にいることで、より一層幸せになりたくて」一緒になる人が多いんじゃないでしょうか。
そう考えると。
これからは「結婚したほうが、お互いの夢や人生をより自由に叶えられるはず。だから結婚する」と、いう人も増えるのだろうなと思います。
家の面倒を見てくれるお嫁さんをもらう時代は、とっくに終わっているのです。
結婚して、家事育児を一方的に押し付けられるなら結婚しないというのが「そりゃそうだよね」と考えられる時代です。
だったら。
男性にとっても、女性にとっても。家事をすることはお互いの夢を叶えるための必須スキルなのかもしれません。
では、また。
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