幼稚園で”多様性”を学んだ1年。

今年。娘の幼稚園最後の年は”多様性”について学んでいたようでした。

▷ 抽象的だけど深くて大切なことを幼稚園で学んだ

今日は幼稚園で”劇ごっこ”を保護者が見る日でした。
その劇のテーマはどうやら”多様性”。

冬支度をはじめたアリさんたち。
餌を集める冒険に出かけます。
その冒険の先で、大きなハサミが自慢のカマキリ。長い身体をくねらせて土に潜るミミズ。糸を吐き出して立派な家を作る蜘蛛と出会います。
でも、アリたちは自分とは姿かたちの違うそれらの虫を「気持ち悪いー」とバカにして逃げ出してしまいます。
心無い言葉に傷ついた虫たちは、報復を企てます。
だけど、一匹の虫が「仕返しじゃない方法があるんじゃない?」と言い出したのです。

物語には本来、伝えたいテーマや描きたい価値観があるはず。
でも幼稚園の発表会などでは、「自分の子どものかわいい姿」にばかり目が向いてしまい、子どもたちがその物語を通して何を学ぶのかということにまで、あまり目が行かないのではないでしょうか。

冒険の先でアリたちは鳥に襲われてピンチをむかえます。
それを見つけた虫たちは、アリを助けるために力を合わせました。
カマキリの大きなハサミ。ミミズたちは土を掘り避難させ、蜘蛛は糸でアリたちをはぐれないように束ねます。
それぞれの「気持ち悪い」と言われた特徴が、アリたちをピンチから救います。
仕返しなんかしなくたって、ちゃんと認め合えるし受け入れ合える。

子どもたちは、長い時間をかけてこの劇についてみんなで考えてきました。
娘の話によると、絵本を読んで虫達がなぜ仕返しをしなかったのかを考えたり。

「なんで虫が仕返ししなかったか知ってる? あんな、絵本でな仕返ししようとしてる虫に『仕返しって楽しいの?』って聞いたら」
「『楽しいよ!』って答えて、雫を見たら『こんな怖い顔してるのに?』ってなったからやで」

仕返しを楽しいと思っている自分の顔を見たときに、なんて怖い顔をしてるんだろうと気がついた。だから仕返しなんてよくないよね、と。

劇の台詞を覚えるとか、動きを覚えるとかだけでなく物語の持つ大切なメッセージを教えてくれる。

しかも、この物語は先生が考えたらしい。
先生が1月に見た夢を元に創り上げたお話だと言っていました。

思い返せば、今年度の最初に幼稚園からの課題図書で購入した絵本は「せかいのひとびと」。

世界には色んな人がいて、色んな文化や考え方があるということを教えてくれる絵本です。
娘はこの絵本が、とてもお気に入りで毎晩飽きもせずに読み続けました。

劇は、ミュージカルのようにみんなが歌を歌いながら進んでいきます。

「悲しくなったり、怒ったり、
誰かを許せないことがある。
そんな気持ちも大事にしつつ。
でも最後はみんなで笑いあう
ことができたなら素敵だね。

人と違うところ、
なぜか不思議に思ってしまうけど、
誰もが持っているわけじゃない。

それが、それが、そうそれこそが。
君だけが持ってる魅力。
君だけが持ってる魅力」

最後には4歳から6歳までの子どもたちが、みんなでこんな歌詞の歌を歌います。

悲しいことも、怒ることも、誰かを許せない気持ちさえも大事にしつつ、なんて子どもたちが楽しそうに歌うのです。
人と違うところこそが、自分だけの魅力だって、歌うのです。

ぼくも妻も、本当にこの幼稚園に娘を入れることができてよかったと思いました。
わざわざ東京から京都まで来た意味があったと。

この幼稚園における劇は、親に見せるための発表会でも、成長した姿を見せるだけのための発表会でもなくて。
保護者が見るのは、子どもたちの学びのプロセスの通過点なのだと言います。
だから、この後も子どもたちは森で実際に自然や虫たちと触れ合いながら劇の続きを楽しみます。

ぼくたちは、そのプロセスの一部を見せてもらったに過ぎないのです。

それでいい。

ぼくは心からそう思いました。
娘が上手に歌えたとか、間違えずにセリフを言えたとか、泣かずに最後までがんばれたとか。
大事なのは、そんなことじゃないよなって。

劇を通して、子どもたちが多様性について学び、人と違うところが自分の魅力なんだと知り、負の感情だって大切な気持ちなんだということに、触れられた。

しかも、楽しみながら。

もう、最高じゃないか。
あと一週間で、一足先に卒園してしまうけど。
とにかく、幼稚園にはありがとうの気持ちでいっぱいです。

では、また明日。

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