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”お粥”沼にハマったので「粥活マガジン」はじめます。

この世に生を受けて42年。
僕はこれまでずっと「お粥」を侮っていました。

「お粥なんて、病気のときに食べる食事でしょ」

水っぽくて、味がなくて、あんまり食べた気もしない。
食欲がないときにはいいけど、元気でお腹が空いているときにわざわざ選ぶものじゃない。なんて。

だけど。42歳にして、僕の中にあったそれほど強固ではないけど確固としたお粥の概念が180度覆ってしまったのです。

それは、1月のある日のことでした。

▶ 気まぐれではじめたファスティングが全てのはじまりだった

ちょっと疲れ気味だった年末年始。
気分を変えようと思って、思い切ってファスティングにチャレンジ。

回復日の朝。2日ぶりに食べる固形物にワクワク。自分が食べたいと思うフルーツや野菜を食べよう、とのことで選んだのはみかん。
みかんのおヘソに指をグッと入れた瞬間、パッとみかんの香りが広がりました。その華やかな香りに、鳥肌が立ったのをいまでも覚えています。
そして一口食べた瞬間。

これまで食べた中で、最も”みかん”らしい”みかん”だ!

信じられないほどのフレッシュさを感じたのです。香りが口内から鼻孔へと抜け、酸味と甘味が口いっぱいに広がる。

ちなみに、食べたのは普通のみかんです。特別なみかんじゃありません。

それでも、この美味しさには感動した。
ファスティングをしたことで、驚くほどに味覚が敏感になっていたのです。

そしていよいよ次はお粥。
みかんに感動した僕は、ふと思ったのです。

「この状態で美味しいお粥を食べたら、どうなるんだろう??」

この小さな好奇心が、僕をお粥沼へと誘う火種となりました。

お粥を家で作ってもいいし、簡単にレトルトを買ってきて食べてもよかったのですが、せっかくなら美味しいお粥を食べに行こう。

そして、僕は人生ではじめて「お粥」のお店を検索したのです。

▶ お粥屋さんのお粥との出会い

そして見つけたのが、たない粥。

新大塚駅から徒歩数分。だけど、仕事で山手線に乗っていたため大塚駅からわざわざ歩きました。20分くらい歩いたかな。
「お腹も空いてるのに、わざわざお粥のためにこんなに歩かなくてもな」って何度も思ったけど。そんな気持ちの裏側では「お粥屋さんってどんなお粥が食べられるんだろう」という期待も膨らんでいきました。

「ここかな?」
いくつものお店が並ぶ一角に、「中国粥・中国語教室・台湾銘茶」と看板が並びます。すりガラスになっている入り口ドアの窓からは中の様子が全然見えません。ちょっと躊躇。この扉を開けたら最後、もう引き返せない。そんな気がしました。

ガラガラと扉を開けると、こじんまりとした15席ほどの店内。
恐る恐る席に座ると、優しそうなおじさまがメニューを持ってきてくれます。
「お粥って、こんなにメニューがあるのか!」
それまでお粥に注目したことがなかった僕はメニューを見て驚きました。
野菜粥、鮭粥、豚肉と高菜粥、海鮮、豚肉とザーサイ、豚肉キムチ、鶏肉と野菜粥の全部で7種類。

ファスティング明けの胃に優しそうな野菜粥を単品でチョイス。
セットの水餃子も惹かれましたが、今日は我慢。

野菜粥

「でかっ!!」
大きめのラーメンどんぶりほどの器に並々と入れられたお粥。

驚いた。お粥って、こんなに大きな器に入ってるのか!

それにしても、なんといい匂いなんだろう。温かくてお米の甘い香りが漂っています。

はじめて。お粥屋さんで食べるお粥。お粥で勝負しているお店が出すお粥ってどんな味がするんだろう。

蓮華で掬うとどろりとしたトロミ。
熱々のそれを口に運ぶと、鶏ガラベースのしっかりした旨味に、程よくとろけるお米の舌触り。
「ああ、うまい」
一口食べて、このでかいどんぶりをマジマジと眺めてしまいました。

シンプルなお粥だから、トッピングされている野菜や小ねぎがいいアクセントに。そして何よりも感動したのが揚げワンタン。
比較的さっぱりしたこのお粥に油の旨味とサクッとした歯ざわりがたまらない。
うん、こういうのを「いい仕事をしてる」って言うんだろうな。

ファスティング明けの胃袋には、多すぎるかと思ったけど案外ぺろり。
それでも大満足の満腹でした。

「お粥は物足りない」そんな概念すらも、覆してくれたのです。

▶ お粥の世界をもっと知りたい

うまいうまい、とお粥を食べている間。
「お粥の世界をもっと知りたい」と、自然に思っていたのです。
これには自分でもびっくり。これまでも美味しいものを食べたことはあるし、他に好きな食べ物だっていっぱいある。
たとえば、僕は珈琲も大好きで、最近はカフェインレス珈琲も色々試してたりします。

けど、それとはちょっと違った。
無理やり言語化するなら、いきなり世界が広がった感じがしたのです。

珈琲の世界ってマニアや専門店が山程あって、嫌でもその奥深い世界があることを想像できていました。
珈琲が好きじゃなくたって「珈琲ってマニアな世界だよね」って知ってると思う。たとえば、ワインだってウイスキーだって、ラーメンだってそうでしょう。

その世界を知らなくても「奥が深い」ことは想像できる。

でも、僕は本当にお粥のことを何も知りませんでした。お粥の世界があるなんて想像もしたことがない世界線でこれまで生きていたのです。

ところが。はじめてお粥専門店に行き、はじめて外食でお粥を食べてみて。触れてみたことではじめて「お粥の奥深い世界」の片鱗を見た気がしたのです。そこに世界があるって思ってなかったのに、ちらっと見えた先には信じられないくらい奥深い世界が広がっていた。

お粥をすすりながらね。目の前が真っ白に光り輝いた気がしたんです。

▶ 週一回の粥活をはじめました!

そして。それから毎週1回。色んなお粥を食べに行く「粥活」をはじめました。

それなのに、お粥の情報って結構出てこない。
ラーメンなんてどこもかしこも情報で溢れてるのに。

でも、この広い世界でお粥についてマニアックに追求してる人がひとりもいないなんてありえない! そう思って調べていたら、いました。

お粥研究家の鈴木かゆさん。

これからはじめようと思っている粥活に一筋の光が差し込んだ気がしました。
そして、なんと鈴木かゆさんとはnoteで繋がっていたようで。

ありがたくも、お粥について色々と教えてもらっております。(noteってこういう出会があるから好き!)

そして。
妻に聞いたり、友人に聞いたり、鈴木かゆさんのサイトを参考にしたりしながら毎週お粥の食べ歩きを楽しんでいます。


こちらのnoteでも、巡ったお粥のレビューを少しずつまとめていこうと思います。
お粥好きの方いたら、ぜひ仲良くしてください。
まだまだペーペーのお粥ビギナーですが、これからもいっぱいお粥を楽しみたいと思っています。

では、また。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました! スキ・フォロー・シェアなどしてもらえたらとっても嬉しいです。 ぜひまた見に来てください!!