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家事神話からの解放で、男女の家事時間ギャップを埋めるんだ!

いまや「男だって家事育児するのが当たり前だろ」という社会的な雰囲気、空気はたっぷりあります。

男の人の価値観だって、それだけ変わってきているわけで「俺だってぼちぼち家事育児してるよ」という人も多いはず。

それにも関わらず、男性の家事率はどうにも低いままのようで。
やはりクリティカルな課題として、「働き方」の問題は大きいと言われています。物理的に時間がないんだよね、ということです。

その一方、「夫が家にいる時間が長いほど、妻の家事時間も長くなる」なんて調査結果(家事分担の意識と現状2011))もあったりして。これについてはさもありなん、とも思うわけです。

そもそも男性が家事しないことの問題ってなんだろう?

だいたいの議論は、「男性の家事時間短すぎ!」ってところからスタートします。けど、男性の家事時間が短いってのはそもそものイシューで本当にいいのかな?

それって現象ではあるけど、必ずしも問題の核なわけではない気がするのです。

■ 女性にケア役割・アンペイドワーク(つまり家事育児など家庭内の役割)がずっしり偏りまくっていること。
■ それにより、主体的に社会と関わる機会を選択しづらい(できない)こと。
■ 片方に重くのしかかった家事育児介護といった役割が重すぎてつらすぎること
■ そういった役割は「(本当は)女性(妻)の役割」だ! って思ってしまい、それが差別意識に繋がっていること(また、それに気がついていないこと)

例えばこうした課題を解決するための手段として、男性の家事参画の必要性があるのではないかな、と思うんです。

個人的には、家事育児介護という家庭内の役割をシェアすることは、夫婦や家族の信頼関係を築いていく上で、大切な動力源になると思っており、上記課題意外にも大いに価値のあることだと考えています。

家事時間向上より時間のギャップを減らす

夫婦の平等意識や、ワンオペ解消などから考えると、単純に「男性の家事時間を倍にしよう!」みたいなことではなくて「夫婦の家事時間ギャップをなくしていく」ことに注目すべきではないかと思うのです。

家事時間ギャップの方に視点を当てると、男性の家事時間向上はもちろんですが、女性の家事時間の減少というのも重要であることが見えてきます。

そのためには2つのポイントがあるんじゃないかと思っていて。
ひとつが、家事神話からの開放、です。

家事神話から開放されたい

3歳児神話、なんてことがかつて言われていましたが(いまも??)家事についても「手作り=愛情」「労力=愛情」のような価値観がまだまだ根強い気がしています。

「家事なんて適当でいい!」って本が話題ですが、こうした価値観ってまだまだ残念ながら罪悪感との戦いになってしまっている。

現代の家事って、ある程度までは生活で、ある一定レベルを超えると趣味の領域に踏み込んでいく。

趣味がいいとか悪い、ではないのだけど、家族にとって過剰なこだわりはいつの間にか自分を追い詰めてしまっている、ということに自覚的であることも大切。

要はどこを「適当」と見なすかがとても大切で、この「適当」の分水量を女性(男性)だけで決めてしまうとあまり意味がない。
そこは夫婦・家族で「適当」のラインを決めないと「適当」には結局ならないんだろうなと思うのです。

アウトソーシングを活用しやすい制度が欲しい

もうひとつは、アウトソーシングの活用。
使っている人たちは「便利!」って言うのだけど、なかなか日常的な利用には至らないようです。
いまだに、他人が家に入ってあれこれすることに対する抵抗感って根強いらしく。ここらへんも、家事神話からの開放が重要なんじゃないかと。
また、利用料の負担が大きくて使えない、ということも大いにある。

そこらへんに対して福井県が面白い取り組みをしているようです。

家事代行サービスの利用料を県と企業、団体が半分負担するよ、とのこと。
めちゃくちゃいいじゃん! と思いきや、利用者は少ないらしい。

半額でも2時間6,000円の利用料がかかるとか、家庭内に他人が入るのがいや、とか色々と理由はあるようですが。

こうした県や市の制度って使いにくいものが多い。
京都でも子育て応援カードみたいなのがあるのですが、どこで使えるのかよくわからないし、一度も使ったことがない。

こうした予算って、個人にそのまま還元させるんじゃなくて企業に利用させるほうがずっといいんじゃないかと思ったりします。

家事代行だって、福利厚生として「使っても使わなくても」みたいにするよりも、家事代行を提供する企業に助成して、「この予算使って、〇〇までに対象者〇〇名に半額でサービス提供してね」などとしたほうが、企業も必死になってアピールしていくのではないでしょうか。(どうなんだろう?)

利用したいと思っている人にリーチできなければ、せっかく予算をつけた意味がまったくないと思うのです。

福井県の取り組みは素晴らしい視点のはずなのに、今のところうまくいってはいない模様。

この結果を受けて結果を受けて「福井県では家事代行の活用はあまり必要なさそう」なんて安直な答えだけは出さないで欲しいと思います。

男性がグダグダと言い訳をせずに、家庭の担い手として家事育児介護をちゃんとやるってのが大切である一方で、女性に偏ってしまっている負担をいかに軽減していくか、を真剣に考えていくべき。

日本の文化としての丁寧な家事は、やっぱり世界に誇れる素晴らしいものです。ただ、それは現代においては趣味の領域に入りこんでいる部分も多分にある。

こうした家事神話からの解放がもっと広まっていくといいなと思います。

※※※

今日も見にきてくれてありがとうございました。今日は笹川平和財団にて、政策提言のための意見交換会でした。そうそうたる方々に囲まれる中、ぼくもいくつか意見を言わせて頂きました。男性の暮らし方が制度によって変わる部分というのもあるんだろうな、なんて思います。

ぜひ、明日もまた見に来てください。





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