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第8回 オファリングの設計と実務

はじめに

はじめまして。Legalチームの村井です。
プレイドには2019年7月に入社しました。IPOプロセスとの関係では、ちょうど1回目のIPOプロセスが嵐のように過ぎ去った後くらいになります。
前職では法律事務所で弁護士として働いていましたが、プレイドにはビジネスメンバーとして入社しました。前職の経験から、Legalとして役に立つためには、まずは会社の事業を理解することが重要だと思っていたからです。
LegalとしてIPOの案件に関与するようになったのは入社から少し後になります。

さて、プレイドのIPOについての連載も、今回で第8回と終盤を迎えます。

今回は「オファリングの設計と実務」についてです。
そもそも、プレイドがなぜグローバルオファリングを選択したのか、グローバルオファリングのメリットは何なのかなどについては、CFO武藤の「第5回 なぜグローバル・オファリングか?/そこから何を学んだか?」をご覧ください。

今回は、この第5回を踏まえて、グローバルオファリングに関するドキュメンテーションをはじめとしたプロセスの全体像(手続の話なので少し眠くなるかもしれませんが、その場合は読み飛ばしてください…)、プロセスの山場となる英文目論見書の概要その作成に関して個人的に感じたこと担当者としての役割、最後に、今後のグローバルオファリングへの期待について書きます。すこし長いですが、お付き合いいただければ幸いです。

グローバルオファリングに必要なプロセスの全体像

グローバルオファリングとは何かについては、第5回で説明がありました。国内市場に加えて海外市場でも資金調達を行うことをいい、特に米国証券法規則144Aという登録免除規定により米国の適格機関投資家に株式を販売するオファリング方式を指します。

グローバルオファリングを行うためには、発行会社において、国内の公募・売出しに関する書類作成に加えて、海外(主に米国)での公募・売出しのため、主に以下の書類の作成が必要となります。

英文目論見書
米国証券法に基づき作成された海外投資家勧誘資料

英文財務諸表
英文目論見書に組み込まれる英文の財務諸表

海外引受契約書
海外公募・売出しの対象となる株式に関する引受契約書

CFO証明書
英文目論見書の財務数値及びその他の数値の正確性などについて発行会社CFOが作成する証明書。英文目論見書の財務数値の正確性などについて監査法人が作成する「コンフォート・レター」と呼ばれる書面でカバーされなかった事項をカバーする

英文ロードショーマテリアル
ロードショーにおける海外投資家への説明資料。詳細については、今後公開予定の大藪の「第6回 投資家向けマーケティングプロセスについて」を参照

プレイドの2回目のIPOプロセスに関して、書類作成などの大体のスケジュールをまとめると、以下のようになります(国内については結構省略しているところもあります。プレイドのIPOの全体像については「第1回 プレイドの上場準備・審査プロセスについて」の時系列をご参照ください)。

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上図からもわかるように、実際のスケジュールとしては、国内の公募・売出しに関する書類作成と、グローバルオファリングに関する書類作成は並行して走っています。しかも、書類作成だけでなく、国内公募・売出しに関しては東証審査への対応、グローバルオファリングに関しては海外デューデリジェンス(ビジネスデューデリジェンスとリーガルデューデリジェンス)も同時に走っています。上場承認までが一番忙しく、そのあとは少し落ち着くようなイメージです。

プレイドの場合、作成すべき書類は、1回目のIPOプロセスで一度完成間近まで至っていたというアドバンテージはありました。しかし、IPOプロセスを担当しているチームとしては、ほぼ毎日、何らかの締切りに追われている、という状況でした。私個人としては、ありがたいことにきちんと睡眠をとることができましたが、担当者によっては睡眠時間が短い上に悪夢に連夜うなされるということもあったかもしれません…。

このようなタフなスケジュールにどのように対応していたのかというと、業務分野ごとにFinanceとLegalという切り口での分担に加え、国内と海外という切り口でも分担を行っていました。もちろん、IPO担当チームの人数自体それほど多くはないので、国内・海外の分担に関してはどちらかしか見ないということではなく、主担当というくらいの位置付けです。具体的には以下のような分担になります。

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この分担は、書類作成などが本格化するよりも前の時点で概ね決まっていました。これにより、書類作成をはじめとする業務が本格化した際に、やるべき業務がエアポケットに落ちることなくスムーズに分担することができたと思います。業務の過程であわてて分担人数・比率等を変動させる必要が生じることもなく、効率的な分担であったとも感じています。

このような分担を事前に行い、グローバルオファリングに向けた業務を比較的スムーズに進めることができたのは、主要メンバーが1回目のIPOプロセスを経験し、全体の流れをよく理解していたということが大きいように思います。

ちなみに、今回のグローバルオファリングによる上場が「期越え上場」であることについては、CFO武藤の「第2回「共創」を目指した証券会社との付き合い方 / プレイドIPOの軌跡」で説明がありましたが、第2回では、その裏に弁護士のご尽力があったことがあまり語られていませんでした。
今回のような期越えのグローバルオファリングIPOを行う場合、有価証券届出書の財務諸表(和文)は未監査の状態のものしか掲載されないのに対し、英文目論見書では監査済みの財務諸表(英文)が付くため、その差分が国内の金融商品取引法上許されるかが問題となります。
この点は、前例が少なく、百戦錬磨の実績を誇る証券会社でも直ちに結論がでるものではありませんでした。しかし、弁護士と証券会社の連携により、一定の法的整理の下、無事に「期越え」グローバルオファリングに挑戦できることになりました。迅速かつ的確なアドバイスで我々が目指したいと考えている方向に導いてくれた弁護士の仕事ぶりにはプロフェッショナルを感じましたし、本当に感謝しております。

山場は英文目論見書

グローバルオファリングに必要な書類の中でも、特に重めの書類となるのが英文目論見書と(英文)ロードショーマテリアルの作成だと思います。作成する書類のボリューム、内容ともに他の書類作成よりも一つ、二つ抜けている印象です。
ロードショーマテリアルの作成については第6回で詳細が述べられる予定ですので、ここでは英文目論見書についてお話します。

英文目論見書の概要

英文目論見書は、冒頭でも説明したとおり、米国証券法に基づき作成された海外投資家勧誘資料のことです。プレイドの英文目論見書についてはこちらをご参照ください(EDINETでプレイドの令和2年12月7日付訂正臨時報告書を検索し、「代替書面・添付文書」のタブからも見ることができます。)。
そのボリュームは100ページを超え、当然のことながら全文英語で作成されます。英文目論見書には監査法人による監査済みの英文財務諸表の掲載も必要になります。

英文目論見書の作成は、米国法専門の弁護士等との協議の下、国内IPOとの関係で作成が必要となる有価証券届出書・目論見書(以下「有価証券届出書等」といいます)の内容と平仄をあわせつつ進めていきます。単に有価証券届出書等の英訳を記載すれば足りるわけではなく、有価証券届出書等の内容よりも詳細な記載を要する部分もあります。例えば、プレイドの英文目論見書と有価証券届出書の目次の対応関係を大まかに整理すると以下のようになります。

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英文目論見書では、有価証券届出書等と比較して、発行会社の事業内容に関する事項、経営者による財政状態や経営成績等の分析に関する事項、事業リスクに関する事項といった、発行会社の事業(ビジネス)に関する記載が特に厚くなっていることがわかります。

我々としては、ロードショーを通じて、投資家はかなりしっかりと英文目論見書を読み込んでいるという印象をもちました。ロードショーでは、それまで全く接点のなかった海外投資家と面談する機会もありますが、そのような投資家の事業に対する理解が非常に速いことがあります。それは事前に英文目論見書の内容を読み込んでいるからではないかと思います。
英文目論見書には、何か問題が生じたときのディスクレーマー的な役割だけでなく、やはり、会社の事業(ビジネス)をよく理解してもらうためのアセットという重要な役割があるのだと思います。

英文目論見書の作成を通して感じたこと

近年、有価証券届出書等の記載はかなり充実したものになってきていると認識しています。それでも、英文目論見書と比較すると、定型的な記載となりがちなものもあり、企業の概要をさらりと伝えるものもある印象です。
それと比べると、英文目論見書は、上記のとおり、投資家の判断に必要となる発行会社の事業(ビジネス)に関する記載が特に厚く、その内容も発行会社によって大きく異なる分、各会社のオリジナリティがより出やすいという印象があります。

そのため、発行会社としては、英文目論見書の作成にあたって自社ビジネスについて特によく検討・整理した上で、英文目論見書にその内容を落とし込んでいく必要があります。

プレイドの英文目論見書の作成過程では、証券会社側とプレイド側の弁護士から多くのコメントをもらいましたが、その中で特に印象的だったのは、どの弁護士もプレイドのビジネスをよく理解した上でビジネスの中身についてかなり踏み込んだコメントをしてくれていたということです。

各弁護士からは、プレイドが重視するKPIの定義やKPI間の整合性等をはじめとして、新型コロナやcookie規制などの最新の動向を踏まえたリスク要因、プレイドの提供する各種サービスと業績との関係性、さらには経理処理の細かな内容まで、第三者の視点から見たプレイドの事業の重要なポイントについて多くのコメントをもらいました。
単なる法律・リスクに関するコメントに止まらず、投資家からの見え方を考慮し、時世を踏まえ、財務経理を含めた我々の事業の強みや弱みについてコメントをもらうことができたのは本当にありがたかったです。
例えば、2020年にGoogleが3rd party cookie廃止に関する計画発表を行ったこと等を踏まえ、プレイドの英文目論見書のrisk factorでは3rd party cookieをはじめとするcookie規制のリスクについて触れられていますが、ディスカッションを踏まえ、単にリスクを記載するだけではなく、プレイドのKARTEというサービスが主に1st party cookieを利用していることをある種の強みとしても記載しています。

英文目論見書を作成している最中は、忙しいということもあり、IPOのために必要である以上やらざるを得ないという義務感に駆られて作成を進めていたところもあります。正直、英語と日本語のコメントがたくさんついたドラフトをみてグッタリしたことがあったことも否めません。

しかし、今になって振り返ると、この英文目論見書の作成過程を通じて、IPO担当チームのメンバーだけでなく、必要に応じてビジネスメンバーの協力を得て、彼らと協議し、一緒に悩むことで、自分たちの考えが深まっていったように思います。また、さまざまな英文目論見書の作成をサポートし、企業を投資家に説明することについて豊富な経験を有する弁護士や証券会社担当者と自社の事業についてディスカッションすることによって、自分たちの思考を整理し、文章や図としてうまく表現することができるようになっていったように思います。
実際、この過程を通じて、プレイドのKPIに関する整理は一層洗練されていきましたし、投資家に対するプレイドの事業に関する説明内容は、ロードショーマテリアルの内容も含め、より充実したわかりやすいものになっていきました。リスクについても、最新の動向を踏まえ投資家に説明していくべき事項を整理していくことができたように思います。
結果として、会社が今後大きく成長していくための基礎を固め、その後間もなく訪れる数多くの国内外の投資家とのコミュニケーションに必要な武器やスキルを磨いていくことができたのではないかと思います。

IPO前の企業としては、有価証券届出書等を作成するにあたってやるべきことは非常に多くありますし、その作成自体多くのパワーを必要とします。そのため、実は、有価証券届出書において定型的な記載がある程度許されるのは、IPOを目指す企業にとってはありがたいことですし、英文目論見書のような手間のかかる書類の作成はできれば避けたいところだとは思います。
しかし、定型的な記載が許されるが故に、知らず知らずのうちに、本当はIPO前に徹底してやっておくべき、自社の事業を客観的に分析し、自社の言葉でわかりやすく自社の長所を語れるようにしておく、という重要なプロセスを十分に生かしきれないというリスクも孕んでいるように思います(もちろん、有価証券届出書等の作成にあたって非常に深く検討し、それを表現されている会社もあると思います)。IPO後にいざ投資家に対して自社の事業の魅力を伝えようとしたときに、その魅力が十分に整理できていないがゆえに、伝え切ることができないといったことが起きてしまうこともあるような気がします。
おそらく、プレイドでも、英文目論見書の作成過程を経ずに投資家との面談に望んでいた場合には、現在ほど整理された形でプレイドの魅力を投資家をはじめとした世の中に伝えることは難しかったのではないかと思います。

IPOは、人間で言えば「成人」に近いものだと思います。IPOも成人も、それ自体が一定の成長を意味するところもありますが、実際にその人や会社を本当にIPO(成人)にふさわしいものに成長させてくれるのは、IPO(成人)するまでの間にその会社(人)が経験した悩みや苦労ではないかと思います。また、IPOも成人もそれは一通過点に過ぎず、ゴールではありません。IPO前(未成年)の貪欲さをもって、その後の長い期間に亘って知識や経験を積み、成長し続けていく必要があります。少しおおげさな話かもしれませんが、グローバルオファリング、ひいては英文目論見書の作成プロセスは、企業がパブリックになる前に最後に経験できる、とても貴重な成長プロセスの一つであったように思います。

発行会社担当者としての役割

発行会社の担当者としては、基本的に、英文目論見書その他の必要書類の作成を進めていくに当たって、それほど心配する必要はないと思います。なぜなら、証券会社、証券会社と発行会社がそれぞれ依頼する弁護士が、英文目論見書作成等のやるべき作業やタイミングなどをガッチリサポートしてくれるからです。
CFO武藤の第5回で説明があったように、グローバルオファリングでは一桁億円前半くらいの弁護士報酬等が発生します(プレイドでは2回のIPOプロセスを踏んでいますので、通常よりも多い弁護士報酬等が発生していますが…)。ときには、ドラフティングセッションと呼ばれる、発行会社と証券会社がそれぞれ依頼する弁護士(国内法専門の弁護士及び米国法専門の弁護士)が一堂に会するミーティングで「一体このミーティングのこの時間でどのくらいのフィーが発生しているのだろうか…」と考えたり、勢い余って追加で英訳などの依頼をしてしまった後になって「見積りを超える追加費用は発生しないだろうか…発生したら予実に影響でちゃうかも…」など、とソワソワすることもありました。しかし、弁護士は先に述べたようにグローバルオファリングの成功に向けて費用に見合うだけの力強いサポートをしてくれます。そして、結果としては、概ね見積りに沿った請求書をいただくこともできました(本当にありがとうございました)。

先にも述べたとおり、プレイドの2回目のIPOプロセスでは、すでに1回目のIPOプロセスにおいて、英文目論見書はほぼ完成間近の状態まで仕上がっていたこともあり、通常の英文目論見書の作成プロセスと比較するとアドバンテージがあったとは思います。
しかし、それでも、1回目から2回目のプロセスの間に1年以上の期間があいていたこともあってか、仮英文目論見書が出来上がるまでの最初の約2ヶ月間で、IPOに関係する当事者全体(証券会社、証券会社及び発行会社がそれぞれ依頼する弁護士、監査法人、発行会社)でバージョン5までドラフトのやり取りを行い、プレイドが依頼する米国法専門の弁護士とプレイドとの間では更にバージョン5(全体でやり取りしたものとの合計ではバージョン10)以上のドラフトのやり取りを行いました。平均すると、少なくとも1週間に1回程度は英文目論見書をバージョンアップをしていたことになります。完成までにかなりの時間を費やしたことをご理解いただけるかと思います。

このように業務量が多くなりがちな英文目論見書の作成過程では、発行会社の担当者としては、証券会社や外部の弁護士が知らない・判断できない会社に関する情報を書類に落としていくといった作業に注力していくことが重要になります。手続や法的論点等に関する不明点・不安点を抱えて悩み、貴重な時間を失ってしまうのはとてももったいないです。担当者としては、わからないことや不安に思ったことはすぐに証券会社や弁護士等の専門家に相談し、本当に自分がやるべき役割を理解した上でそこに注力することが大切だと思います。
プレイドが依頼した米国法専門の弁護士との初回ミーティングでは、「法律に関する話や進行については我々に任せてください。村井さんは、我々が知らない会社に関することを我々に教えてください。」との言葉をいただきました。今回、実際に自分が行った作業もまさにそのとおりでした。英文目論見書の作成やグローバルオファリングに限った話ではなく、ごくごく当然の話ではありますが、このような案件における会社担当者として真にやるべきこと(役割)は、弁護士や外部専門家が知り得ない会社に関する情報を適切に弁護士や専門家に伝え、適切なアウトプットが出る状態にコーディネートしていくことである、ということをこのプロセスの中で改めて感じました。

今後のグローバルオファリングへの期待

今回、グローバルオファリングに関与する過程では、グローバルオファリングによる上場は、スタートアップがIPO後も大きく成長していくためにとても重要な選択肢である一方、その意義やプロセスについて公開されている情報はほとんどないということを強く感じました。もう少し情報が公開されていれば、スタートアップがより積極的にグローバルオファリングを自社の成長戦略の選択肢として検討できるのではないか、という問題意識です。

すでに述べたように、グローバルオファリングは、企業がパブリックになる前に最後に経験できる、とても貴重な成長プロセスです。CEO倉橋とCFO武藤の対談「第4回 IPOにおけるCEOの役割とは?/ プレイドIPOの軌跡」で倉橋がIPOとその準備プロセスが「学習期間」と語っているのも同じ話だと思います。また、第4回やCFO武藤の第5回にあるように、世界中の投資家に会社のことを知ってもらい、会社の長期的成長の観点から、長期的に付き合っていきたいと思えるような投資家を少しでも多く見つける、という会社の資本政策としても、とても貴重な機会です。

一方で、グローバルオファリングによる上場についてはほとんど公開情報がありません。私自身、今回のプロジェクトの参考にするため、公開された文献等がないかと色々と探してみましたが、その意義やプロセス等について説明したものはほとんど見つかりませんでした(私の探し方が悪かったのかもしれませんが…。ちなみに、国会図書館のサイトでグローバルオファリングについて検索してもほとんどヒットしません)。
グローバルオファリングによる上場の実績自体少ないため(2020年までのマザーズではメルカリ、freee、プレイドの3社と理解しています。)、やむを得ないところがあるのかもしれません。もしかしたら、この分野が専門の弁護士がクローズドで提供している資料等にはグローバルオファリングによる上場についてわかりやすい説明があるのかもしれません。

近年では、政府の成長戦略であるオープンイノベーションの推進の一環として、グローバルに活躍するスタートアップ企業の創出・育成も重要視されてます。しかし、グローバルオファリングに関して言えば、選択肢としての重要性の割に、必要な情報があまり公開されていないというアンバランスな状況であり、今後、日本のスタートアップが世界に出て大きく成長していく可能性を十分に広げられていないような気もします。

今回、我々がグローバルオファリングによるIPOプロセスを比較的スムーズ(とはいえ、これまでのnote連載で書いているようにそれでも大きな波乱はいくつもあったわけですが)に進めることができたのは、1回目のグローバルオファリングによるIPOプロセスを上場直前まで経験することによって、その流れをほぼすべて体験していたことが大きいように思います。知らない敵と戦うのと、よく知った敵と戦うのとでは、その戦果は全く異なるはずです。

その意味では、今回、我々がこのnoteに記載したことが、現在IPOを目指されている、また、今後IPO目指そうと考えている多くの日本のスタートアップにとって少しでも役立つといいなと心から思っています。また、今後、グローバルオファリングによるIPOを選択肢として上手く利用するスタートアップが増え、日本のスタートアップ界隈が世界で注目を集めるようになってくれるといいなと思っています。

さいごに

プレイドの期越えグローバルオファリングによる上場は、幸運にもとてもよい結果につながったと思っています。そして、そのようなイベントに担当者として関与できたことはとても幸せでした。

これまで、プレイドという会社を作ってきてくれたメンバーにはほんと感謝しかありませんし、我々の目指す方向を一緒に向いてこのプロセスに尽力してくれたすべての証券会社、監査法人、弁護士にも感謝しかありません。ありがとうございました。

個人的には、このnoteは、自分が経験させてもらったことに対する小さな恩返しのようなものと考えています。今後、誰かのために少しでも役立ってくれるといいな、と心から願っています。なお、note作成にあたりこの分野について助言をくれた前職同期の石橋誠之さんにはこの場を借りて感謝申し上げます。

引き続き、ここからプレイドの次のステージに向けて、みんなで遠くをみながら頑張っていくことができればと思っています!!

次回は上場前後のIR・投資家とのコミュニケーションについて向江が書きます!ぜひご期待ください!!

▶︎▶︎始まったばかりのプレイドのチャレンジにジョインしたい新しい仲間を募集中です◀︎◀︎


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(書き手プロフィール)
村井智顕。1982年11月29日生まれ。司法修習後に森・濱田松本法律事務所に入所し、約5年間東京で勤務した後、2015年9月に名古屋オフィスの立上げに参加。その後約4年間にわたって名古屋オフィスで勤務。一般企業法務、交渉・紛争・危機対応等の案件に多く従事。2019年7月に正社員としてプレイドに入社。ビジネスメンバーとして入社するが、現在は、Legalチームとして契約・個人情報関係を中心に法務全般の業務に従事。

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