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クラリネットを良い音で吹く秘訣 【前編】 呼吸法

日頃、レッスンをしていると「どうしたら良い音になりますか?」という質問をよく受けます。

クラリネットを良い音で吹く秘訣は2つ。
それは「良い息」と「良いアンブシュア」です。

なんだ、そんなことかと思われる人もいるかもしれませんが、これを正しくきちんと身につけるのは実は結構難しいんです。
良い音が出ずに悩んでいるという人はいま一度見直してみると解決の糸口が見つかるかもしれません。

ということで、今回はクラリネットを良い音で吹く秘訣  【前編】として呼吸法について書いてみたいと思います。

「良い息」とはクラリネットを吹く為の息

皆さんが今、この文章を読んでいる時にしている呼吸のままクラリネットを吹いても決して良い音は出ません。
良い音を出す為にはクラリネットを吹く為の息(呼吸法)を身につける必要があります。

細かく解説していきます。

▼息の吸い方
まずは吸い方から。
左右の肺がコップになったようなイメージをしてみましょう。
コップに水を注ぐとどうなりますか?
水はコップの底から徐々に溜まっていくはずです。水は決して上から溜まることはありませんよね。
息を吸う時にはそんなイメージで息を吸うと上手くいきます。

水がコップの底から溜まるのと同じように、吸った息を肺の底から徐々に溜めていきます。最初はゆっくり、深呼吸するようなイメージで息を吸い込むとコツを掴みやすいです。
慣れれば素早く吸っても出来るようになります。

- 吸い方のまとめ -
1. 肺をコップのようにイメージ
2. コップに水を注ぐように、底から息を溜めていく

また、このとき肺の容量いっぱいまで吸ってしまうと、この後うまく吐けなくなります。息を吸う量は多くても80〜90%くらいまでにしておきましょう。


▼息の吐き方
息の吸い方がわかったら、次は吐き方です。
息を吐くときにはまず息の出発点を意識します。
前述したように上手く息を吸えていれば、息の出発点は自然とおヘソの下辺り(いわゆる丹田)になっているはずです。

丹田から息の柱が身体の中心(気管)を通り、喉、口を通り、そのまま楽器に入っていくようなイメージで息を吐いてみましょう。

この時、コツは「細く・速く・遠くに」です!
例えるなら、誕生日ケーキのロウソクの火を消すような冷たい息です。

- 吐き方のまとめ-
1. 息の出発点(丹田)を意識
2. 息の柱が丹田→気管→喉→口を経由して楽器に入っていくイメージで息を吐く
3. コツは細く・速く・遠くに!


腹式呼吸はお腹に力を入れる呼吸ではない

前述したような吸い方、吐き方をすれば自然と腹式呼吸になっているはずです。

楽器指導の現場では「腹式呼吸で吹きなさい」とか「お腹を使いなさい」という言葉がよく使われますが、僕はレッスンではなるべく言わないようにしています。
「お腹に力を入れる」とか「腹筋を使う」と誤解されてしまうからです。

クラリネットはとにかく楽に、脱力して吹くことが大切です。
それは呼吸においても同じことで、無駄な力は入れず「肺の機能を目一杯、効率よく使う」という意識で行なうと自然と良い息、良い音になってくると思います。

「腹式呼吸で吹くぞ」ではなく、「結果腹式呼吸になっている」くらいの状態の方が良い結果を生みやすいです。


クラリネットを良い音で吹く秘訣【後編】アンブシュアのお話を書いています。ご興味ある方はそちらもご覧ください。


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