冬によくある急変への対応「緊急時もしくは事故の対応に関する研修」
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
私は作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、管理職に必要な知識と情報をシェアしていきたいと思います。
今回は、「冬によくある急変への対応」についてお伝えします。
冬に向けて、急変への対応方法を確認しておくことはおススメです!
「急変への対応方法が統一されていない」
「冬に起こる急変への知識をつけたい」
「今年度の緊急時研修をまだしてなかった」
そんな方にオススメな内容です。
それでは早速お伝えします。
冬は高齢者にとって危険!
11 月は気温が徐々に下がり、空気も乾燥してきます。
屋外と屋内の温度差などが大きくなるため、心身に不調を来しやすくなります。
また乾燥により脱水も起こしやすくなり、発熱・めまい・頭痛などの訴えも生じかねません。
加齢による体の機能の変化に、気候による変化が加わると体調を崩しやすくなります。
そして高齢者は、体力や免疫機能の低下もそうですが、基礎疾患を持っておられる方も多く、より体調を崩しやすいため注意が必要です。
コロナ・ノロ・インフル等、施設内で起こった時の対応は?!
新型コロナウイルス感染症だけでなく、冬季はインフルエンザやノロウイルスといった感染症も流行するため、急な発熱や体調不良など、ご利用者の変化を早期発見し、適切に対応することが求められます。
いざというときにご利用者の生命や自分自身を守ることができるよう、常に備品を整理しておくことや、研修などで知識や技術を身に付けるなど、日ごろから備えておくことが大切です。
利用者さんに発熱や嘔吐などがあった場合の対応方法は、別の記事にしています。
もし興味がありましたら、こちらもご覧ください。
脱水症は秋〜冬でも油断大敵!!
脱水症は夏場に起こるイメージがあるかもしれません。
しかし冬でも脱水のリスクはあります。
冬は空気が乾燥し、さらに室内でエアコンなどの暖房器具を使用すると湿度が下がります。
乾燥した環境では、特に自覚がないまま皮膚や粘膜、あるいは呼気から、水分が失われます。
また、夏より汗をかかないため水分を失っている自覚が少なく警戒心も下がり、水分の摂取が減りがちとなります。
さらに高齢者は喉の渴きを自覚しにくく、トイレが近くなるなどの理由から水分補給を控えたりすることで、脱水になるリスクは高まります。
様子を観察するとともに、看護職員、 などへ以下の情報を伝えましょう。
いつもより手先などの皮膚がカサカサする
口内が粘る
体がだるくなりやる気や活力が低下する
めまいや立ちくらみが起こる
いつもより便秘の症状が悪化している
尿の状態はいつもと違う(排尿の回数、尿量、尿の色や色の濃さ)
上記のような症状が見られたら、経口補水液などを少量ずつゆっくりと補給します。
市販の経口補水液がない場合は、水に砂糖と塩を加えて作ることもできます(水 1リットル. 砂糖 40g (大さじ4と1/2杯) 塩 3g (小さじ1/2杯) かき混ぜて作成)。
嚥下機能が低下しているご利用者には、トロミをつけて提供しても良いですが、ゼリータイ プの経口補水液も有効です。
介護施設で行う、水分摂取量アップの工夫
飲み物の種類を増やしてみてはいかがでしょうか。
また温度やコップの種類などを選ぶことができるようにすることで、楽しみながら水分摂取をできるようにします。
声かけの工夫として、「飲みますか?」と聞くのではなく、「お茶かコー ヒー、どちらがいいですか?」など、選んでもらうように聞きます。
また、コップを下げるときに「もう一口いかがですか?」と勧めたり、「一緒にお茶を飲んでくれる方を探しているのですが」と、スタッフも一緒にお茶を楽しむ雰囲気を作ってみても良いかもしれません。
介護職だからできること
「小さな変化」を発見するように努めます。
普段からご利用者とかかわっている介護職だからこそ気付ける小さな変化が、病気の早期発見につながることもあります。
例えば、
いつもより口数が少ない
顔色が悪い
表情が険しい
手に触れると、いつもより温かい
咳を多くしている
今日は食事を1/3ほど残した
いつもより頻繁に水を飲みたいと言われる
など
バイタルの測定値だけでなく、ご利用者の表情や動作の違いといった「小さな変化」をスタッフ間で情報共有したり医療職に伝えましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は、冬によくある急変への対応についてお伝えしました。
この記事が少しでもあなたの現場に活かされると嬉しいです。
毎年の研修は準備する方も受講する方も大変ですが、意味があります。
1、研修を通して「ご利用者はどのような事故または緊急事態が起こるのか」を見定め、「どう対応するのか」を前もって周知しておくことにより、事故の未然防止、事故緊急時の適切な対応につながる。
2、ご利用者の顔色、表情、様子の変化を敏感に読み取れる《発見する力》を養い、早期発見・早期対応ができる。
3、自身の責任で事故などが生じた際、動揺せず「この場合の自分の役割は?」と問いかけるだけで周りを見られるようになる。
研修をする際は「なぜこの研修を毎年するのか」を始めにおさえておくことをお勧めします。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も、管理職又はリーダーであるあなたにお役立てできる記事を投稿していきますので、スキ・コメント・フォローなどいただけると大変嬉しいです!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?