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【海外で無謀な挑戦?】無給インターンから有給インターンって可能なのか

さて、新人インターン生ユウキから昨日の日報が今朝noteにあがったので今日はそれについて書きたいと思います。

まずはユウキの今朝のnoteをご覧ください。

タイトル通り昨日私はユウキに2週間以内に動画を作成するように言いました。まあめちゃくちゃな要求です。そしてなぜ2週間という期間なのかということを今日は説明したいと思います。

無給から有給へ(無謀な挑戦)

まずこの理由を説明するためには私のある決意が重要になります。それはユウキをインターンに指名してからすでに決めていたことですが、いずれ彼を無給から有給に変えるということ。ラ・リングアのインターンは基本無給です。そしてこれまでの12人のインターン生は2人を除いて全て無給でインターンを終えています。

有給に変えるということはかなりハードルが高いことです。(しかもこのコロナ禍では無謀に近い)無給であるということと、有給であるということの大きな違いは学校に貢献ができるかどうか、ラ・リングアの場合は利益を生んでくれるかどうか、ということで基準が決められています。それぞれの企業によってインターン生に求めるモノは違うと思いますが、ラ・リングアでは無給インターン生には学校に対して利益を生むことは全く求めていません。前回の記事にも上げましたが、インターンという機会を自分の経験、糧としてもらえることを一番の目的としています。


つまり、インターン生のポジションはあくまでも学校にとってはあってもなくてもいいポジションとなります。いてもらえると確かに助かることやプラスになることもたくさんあるのですが、必ずいないと困る、というポジションでもないということです。

コロナがきっかけとなった私の決意

その中で今回のユウキを有給にしようと私が決めた理由ですが、以下の3つが決め手となりました。

①可能性があったから ②応援したくなる人柄 ③腹のくくり方が半端なかったから

このうち順番的には③→②→①で私の心を動かしました。実は彼の半年前の状況は悲惨でした。半年前オーストラリアではコロナの影響によって国境が封鎖されました。日本での仕事を辞め、なけなしのお金を叩いて高い留学費用を捻出して本気で英語を喋れるようにしたいと気合を入れて学校が開始した2週間後にコロナのせいによってロックダウンとなり生活費を稼ぐために働いていた飲食店での仕事を失いました。(ウソのような本当の話)

もちろん仕事を失ったのは彼だけでなく、ほぼ全員の生徒たちが同じ境遇に立たされました。生徒たちは海外という孤立した状況の中突然の死刑宣告にただただ茫然と立ち尽くす、という感じでした。あの時の生徒たちの追い詰められた表情は今でも忘れることはできません。

コロナで見えたユウキのチカラ

多くの生徒たちが帰国をするかどうかの選択にせまわれ、私に厳しい顔で相談に来たり、中には泣きながらどうしたら残れるのかなんとかして欲しいと訴えに来た生徒もいました。そんな中、ユウキは明らかに他の生徒たちとは違う様子で私にとても落ち着いた態度でこう言いました。

「あと4週間で仕事が見つからなければホームレスになるので仕事の見つけ方を教えて欲しいです」

あの時私が思ってことを今だから正直に言うと、「え、何それ。いや、腹くくりすぎです。帰国じゃなくてホームレスって。」あまりにも落ち着いた彼のその態度に私は「本気だ」と直感的に感じました。それと同時になんとかしないと本気でホームレスをやりかねないと思った私はすぐに仕事探しセミナーを開催して対応はしました。結局仕事は見つけられませんでしたが、「仕事を自分たちで作る」というコンセプトで「シドニーサバイバル」というコミュニティを立ち上げ、なんとか現在まで生き残っています。(とても面白いコミュニティです。ぜひご覧ください)

話が横にそれてしまいましたが、コロナという生きるか死ぬかというここまでのことが起きた時、人の本当のチカラって見えるんだな、って思いました。インターネットやスマホの普及、SNSの発達により、多くの日本人にとって海外というモノがここ10年でそこまで遠い存在ではなくなり、いい意味でも悪い意味でもそれほど特別な場所ではなくなってきています。今回のことは生徒たちにとってはもしかしたら初めて海外というモノに対してどうなるかわからない「怖さ」とどうにもできない「無力感」を感じたのではないでしょうか。(これは本当にお金を出しても買えないすごい経験)

ユウキの腹のくくり方は尋常ではなかったですし、何よりも彼からは死んでもここに残ってやる、という根性と意気込み、熱量を感じました。ここ最近の生徒たちとは違う覚悟を感じました。「ならばとことん付き合おう」そんな想いにさせられました。

応援したくなる人柄

続いて②の応援したくなる人柄、についてですが、これは正直驚いた部分なのですが、ユウキはもともとラ・リングアの生徒たちの中ではいわゆる優等生のような存在でした。休み時間も他のクラスメイトとお喋りすることもなく一人でずっと机に向かって勉強していました。授業が終わればすぐにバイトに向かい、朝は遅刻をすることはありませんでした。私からすると手のかからない生徒でしたが、その反面コミュニケーションを取る機会がほとんどなかったのが少し気がかりでした。(正直もっと肩のチカラ抜いたらいいのになって思ってました。その方が英語って伸びるんです)

そんなユウキとコロナをきっかけに接する機会が一気に増えました。家に来てシドニーサバイバルについてどうすればコミュニティがもっと活発に動くか、というような話を朝まで語るなんてこともありました。そして彼と関わるようになる中で今まで見えなかった彼の別の顔や性質が見えてきました。思っていたよりも自己評価が低く、謙虚でした。さらに驚いたことは思った以上にこれまで人にこれまで頼ってきたこと、そして意外にも結構ポンコツな一面もあるということがわかりました。簡単に言うと高感度アップですよね。いい意味でのギャップです。(わざとなら高度すぎるテク!)これによって親しみと助けてあげたい、という感情が生まれてきました

①の可能性についてはあまり面白くないのでここでは多く語りませんが、一言で言うと伸び代です。今の知識のインプット量を見ているとアウトプットの場を与えたくなった、ということです。(単純に私がどうなるか見てみたいというのが本音です)

2週間の理由

そこで戻りますが、なぜ2週間なのかというと9月末で現在のオーストラリア政府からビジネス経営者への金銭サポート(コロナ救済処置)の第一段階が終了します。(10月からは金額が下がります)つまり、ビジネスの状況が好転していない経営者にとっては来月からは苦しくなります。場合によっては倒産する企業も増えるかもしれません。

生々しい話になりますが、だから9月末までに一つ結果を出す必要があるのです。ラ・リングアのオーナーに証明しなければいけません。来月からは恐らく財布の紐がさらにきつくなること間違いありませんのでその前に手を打つ必要があります。

繰り返しますが、有給にするのは本当に難しいことです。しかもこんなコロナの最中に学校もボランティアで払うお金なんて一銭もありません。どちらかというと今は一人でも使えないスタッフは切りたいくらいなんです。ただ、私はユウキを有給にすると一旦決めましたので何がなんでも有給にしてみせます。(あー言ってしまった)

とにかく本音の本音でユウキのことを応援して欲しいのは間違いないです。(このスイッチが入ると本当に後に引けないので困ってます)2週間後に動画が完成されているか楽しみですね。(急に人ごと笑)引き続き応援よろしくお願いします!(ユウキのnote読んであげてください!)

最後に、前回の記事で第13代目インターン生と言いましたが、もう一度よく数えてみると15代目でした。(冒頭挨拶再チャレンジだね(^O^))


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