見出し画像

24年1月観たものまとめ

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年もゆるゆると綴っていこうと思っています。Xでリアルタイムに感想を書くのもよいのですが、個人的に頭の中にある散文をここでしっかりまとめないともったいないなと思っています。思考も定期的に筋トレしないと、ただ観て終わりになっちゃうからね。

1月に観た作品は以下の通り。

  • 新春浅草歌舞伎 第1部

  • 劇団四季 ミュージカル「ウィキッド」

  • 女王蜂 全国ホールツアー2023-2024「十二次元+01」

  • 舞台「オデッサ」

※女王蜂のライブとオデッサに関しては、まっさらな状態で観るのがとてもとてもオススメ、というか女王蜂からはお達しが出ていますので、これからご覧になる方は「ウィキッド」まで読んだら、お帰りくださいませ。ごきげんよう。

新春浅草歌舞伎 第一部

9名中7名が今回で卒業となる浅草歌舞伎。それにふさわしく、今年は王道古典作品のラインナップでした。
第1部は「十種香」「源氏店」「どんつく」」の3作品。
まず十種香は、幕開きからまさに錦絵。長袴姿が凛々しい武田勝頼(橋之助さん)を中心に、上手に”赤姫”姿の八重垣姫(米吉さん)、下手に黒を基調とした衣装の腰元濡衣(新悟さん)と、色・年齢・役柄(若い姫と落ち着いた腰元)の対比が美しい。幕開きから主人公の八重垣姫が後ろ向きで、なかなか客席に顔を見せてくれないのが、また小憎らしい。お香の香りは2階席まで届いているのに!演出に躍らされる一観客でした。
赤姫だった米吉さんが、源氏店では色気を感じさせる、大人の女性に様変わり。これまで初々しい姫系の役を観ることが多かったので、新鮮でした。隼人さんの与三郎は、ポーズも声音も本当ににざ様そっくり!そして、まぁかっこいい!若旦那の品と悪になりきれてない甘さが、初役と相まって似合っていました。今度、与兵衛(女殺油地獄)やりますが、似合うだろうな~。ぜひいろんな色悪を吸収して、極めてほしい。
蝙蝠安は松也さん。舞台のテンポと雰囲気を決める重要な役ですが、ニンではないかな…とくに声音が一定なのが気になりました。難しい役どころですが、今後誰がやっていくのかしら…
藤八の橘太郎さん・多左衛門の歌六さんの安心感もあり、見ごたえのある源氏店でした。
どんつくは総出演で楽しい。親方(歌昇さん)の”一芸大会”では、松也さんが盛り上げ隊長でしたね。一人だけガヤが大きかったです。そして巳之助さんの踊りは、スッキリしていて観ていて気持ちがいい。身体があるべきポジションに正確なタイミングで確実に置いていくから無駄がない。観られる機会が少ないので、場を与えてほしいなと思います。

劇団四季 ミュージカル「ウィキッド」

10年ぶりに大好きなミュージカルを観ることができました。四季自体、前よりもだいぶ離れてしまったので、さすにが知ってる劇団員もだいぶ少なくなりましたね。
今回は三井エルフィーと中山グリンダ。三井エルフィーは、根っから優しい子ですね。妹やチステリーへの眼差しが優しく、「闇に生きる」での悲しい顔が観ていて辛い。
中山グリンダの「ポピュラー」は今まで観たグリンダの中で、一番自分のルックスにしか興味がなく、頭からっぽな女の子に感じました。なので2幕頭で「立派になられて…」と思ってしまう。
若奈さんのネッサは学生時代から感情強めで、ボックへの依存度が高い。だから総督になった後の件は、今回はあまり感情移入しなかったな。
ウィキッド初見の友人たちの”誰が一番悪いか”論争に、新鮮さを感じました。もうあの時の衝撃は二度と味わえないのかー。



女王蜂 全国ホールツアー2023-2024「十二次元+01」

LINE CUBE SHIBUYAでのライブに行きました。ホールツアーは毎回、いつものzeppより観客が多種多様ですが、今回はとくに老若男女満遍なくいたように感じます。老夫婦、おばあさんと孫、おじさま・おばさまの一人参戦etc。昨年テレビ出演が多かったのもあるかしら。昨年の聖誕祭でも50代ぐらいの夫婦が「今回初めてのライブなんです」て、小学生とその母親に話していたので、裾野が広がったなと実感しました。
さて十二次元も01もかなりお気に入りなので、今回のホールツアーも特に楽しみでした。さてどんな順番でと思ったら、幕開きからアルバム外の曲を立て続けで来て、ちょっとびっくり。前半終わった時点で01はおろか、十二次元もほとんどやっていなくて、正直「もう半分?」と。後半にもちろんアルバムの曲が続きましたが、そうでない曲も挟まり、最後まで展開が全く読めないライブでした。
犬姫冒頭の琵琶の音に合わせて、アヴちゃんがエアで弾き、犬王オタ(私)歓喜。売春・回春を時系列に逆行した順番で披露。ルリちゃんの卒業を実感しつつも、「時系列順にやるだろ」と高をくくってたので猛省。ひばりくんのコーラスが入るとは思わなかった。大好きな「杜若」は嬉しすぎて、イントロで興奮して飛んでしまった。アヴやしの絡みは今日も平和。
幕開きはFLATで、ラストは01。今までで一番いろんな生きざまを描いて、その分苦悩も感じさせ、最後はまた清々しくスタートを切る。まさに15年の重みを感じさせる幕切れでした。終わった直後のひばりくんのやりきった姿がかっこよすぎて二度見。
終了後は珍しくアヴちゃんが最初に捌けて、4人が1人ずつお辞儀して捌けていくスタイル。全員が捌けて観客の拍手が続く中、突如響き渡る笑い声。そして登場したのは、十二次元ビジュアル姿のアヴちゃん!「アクスタ出たら絶対買ってお守りとして祀るのに!」(今までのアクスタ1つも開封してない)と思った姿が、突然目の前に現れてたので大混乱。アヴちゃんがただ、熱狂している観客を見下ろす神のごとく笑っているだけなのに、観客全員拍手をやめた。それくらい、超越的な雰囲気で一瞬で会場を圧倒。アルバム内で唯一やらなかった「十二次元」を舞台上に体現してるよう。”神”はひとしきり笑った挙句、無言で去って行きました。何事もなかったかのように終演アナウンスが流れて、魔法が解かれた観客たちは一斉にざわめいた。
笑い声と歩く姿だけで観客の注目を一瞬で集めるカリスマ性、何千人を黙らせる劇場空間を支配する力、感情の流れを途切れず笑い声に乗せる集中力。言葉を選ばずに言うなら、アイドルも役者も顔負けの化物。あの時の衝撃をもう味わえないのが悔しい。
いやぁとにかく代々木がより楽しみになりました。

舞台「オデッサ」

三谷さんの舞台を生で観るのは始めて。今回はアメリカの田舎を舞台に、アメリカ人の警官(宮澤さん)・英語が全く話せない、鹿児島弁を話す日本人旅行客(迫田さん)・現地でトレーナーとして働く、鹿児島県出身の日本人(柿澤さん)による3人舞台。日本人旅行客に殺人犯の疑いがあり、現地に住む日本人を通訳に、警官が取り調べをする物語です。
言語がキーとなる今回の舞台。それは三谷さんによる開演前アナウンスが、日英両方の言語で話されたことにも表れています。どちらも片言というのが三谷さんらしい。
では舞台はどうするか。舞台に警官・通訳、通訳・旅行客の2人のみの場合は日本語、3人で話すときはそれぞれの言語を話し、英語は後ろの壁に字幕が流れる形に。なので柿澤さんはずっと日本語(やや鹿児島弁訛り)か英語を話すしています。字幕はYouTubeのように、字が大きくなったり、複数の字体を使い分けたりして、台詞のニュアンスを補完していました。
通訳は旅行客が誤って疑われたと思い救おうとするものの、旅行客は罪を認めている。通訳は旅行客の疑いが晴れるようにしながら、旅行客に怪しまれないように、あの手この手で”通訳”をしていきます。旅行客が身振りを交えながら事件当時の状況を話しているのに、通訳は同じ身振りで蕎麦の作り方を英語にするなどなど、通訳の右往左往に抱腹絶倒。最後までサスペンスにコメディを掛け合わせながら、時にシニカルに現実を捉えた台詞をふと発する。現代での上演にふさわしいコメディサスペンスでした。
英語・鹿児島弁ともに出演者が監修しているので、聞いていて違和感がなく、耳馴染みがよかったです。また3人とも演技がうまいので、あっという間に感じられました。




この記事が参加している募集

今月の振り返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?