世の中は全て確率論

生活する上で、すべての事柄は確率論で形成されている。
そして、どんな事柄も100%成功するとは限らない。

毎朝、髪をセットすると思うが、毎回全く同じになることはない。
ただ、大体同じ髪型にすることはできる。
これは、今までの経験上、どう髪を整えれば理想の髪型になるかを知っているから。つまり理想に近づける術を持っている。理想に近づける確率が高くなっているということ。
しかし、たまに何度かやっても中々上手くいかないこともある。
この上手くいかなかったという経験が、新しい対応策を得る(経験を積む)ことにつながり、徐々に理想に近づける確率を高めていく。

人は予測できないもの(予測不可能性が高い)に不安や恐怖を覚える。
だから、人は成功する確率(予測可能性)を上げるために知識や経験を得るという作業をする。

現在、ネットで調べればいくらでも情報を得られるため、予測不可能性を排除しやすい環境にある。
電車の運行情報、天気予報、店の評判、各種契約の仕方、注意事項、引越し、
結婚、、、
何かをする前にできるだけ、予測可能性を上げ、予測不可能性(不安)を取り除く作業をしている。
(実際、やってみないと分からない確認する程度でいいんだけどね。)

この予測不可能性の排除という行動は、人によっては時に悪さをする。
やったことのないものの予測不可能性の排除は、さらなる不安の排除を求め、
知らないうちに不安要素にしか目がいかず、行動を起こせなくなる(結局やめる)

やったことのないものは少し調べる程度(絶対にやってはいけないことなどにとどめ)にし、さっさと行動を起こさないといけない状況を作ることが大事。
(電話をかける、予約してしまう、準備して家を出てしまう。など)
一度経験してしまえば、ハードルは一気に下がることが多い。
(百聞は一見にしかずとはよく言ったもんだ)

そしてこれはセラピストにも言える。

セミナーに行ったり、書籍で勉強したり、身近な人に聞いたり、
患者の症状を改善できる確率を上げる作業をしている。

ただ、最初に言ったように、
どこまでいっても確率が100%になることはない。
どこかでイレギュラーは起こる。
そのイレギュラー(予測不可能性)に対応するには、
いわゆる基礎知識が必要になる。(解剖、生理、運動、その他もろもろ)
さらに身体以外の可能性も模索しないといけない。

世の中にはたくさんの手技があるが、どれも100%になることはない。
どれだけ極めても確率は似たり寄ったりの確率に落ち着く。

同じ状態の人を見れないこの業界では、
症状改善させた人しかすべてを語れないというものがある。
別の方法でも症状が改善できるはずなのに、
まるで、その方法でしか改善できなかったよな物言いで。

セラピストがどんだけやっても改善しなかった肩こりが、
孫の肩叩きで改善してしまう。
グローインペインで1年半サッカーが思うようにできない選手が、
監督が怖くてビクビクしながらサッカーをやっていた。
思いきってっチームを変えた(指導者が変わった)ら症状が急に消えて、
パフォーマンスが向上した。
これをどう説明しますか?

〇〇手技や〇〇テクニックは、習得すれば一定数の効果は出せるから否定はしない。でも学ぶ側がその手技やテクニックの理論、構造をどれだけ理解してるかは疑問ではある。
数ヶ月、数十回など、受講数が多いものなら、まだ理論の学習などもしているであろうから、なぜ効果が出るのかなどを理解して介入をできるだろう。
(あくまで推測)
そして改善しなかった理由も自分で考えることもできるだろう。

しかし、
一回、5〜6時間の講義で終わってしまうもので同業とはいえ、その手技の素人が本当にその手技で効果を出せているのだろうか?出なかった時の理由を深く考えられるだろうか?

開催者がすごい人だとしても、受講者のレベルが低かった場合、
被害を受けるのはそのレベルの低い受講者の施術を受ける患者さんです。
何を持って低いのか高いのかっていう明確な基準はないが、
強いていうなら、どれだけ理解しているかだろう。

まるで魔法かのような手技やテクニックに目移りするのはわかります。
(自分も経験しているので)
でもそこにいく前に、学校で使った、教科書を頭に入れること(土台をしっかり作る)の方がいい。
学校の教材だけでも改善はできる。
世間では自己投資、自己投資と言われますが、
まずは、すでに使われている自己投資から順番に消費していけば、
新しい自己投資をする際の見極めができます。
何が必要で何が不必要なのか。
これも予測不可能性の排除(確率を上げる作業です)になります。

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