『MRR』 Part 4 〜MRRのトレンドを理解する〜
こちらの記事は、前回の記事『MRR』 Part 3 〜MRRから考える料金プラン〜 の続きになります。
このMRRの記事シリーズでは、MRRから色々な情報を得れるようにするための知識を提供しております。興味のある方は、是非Part 1より、ご覧ください。今回の記事では、ある期間のMRRのアップダウンを確認することで、MRRの傾向やトレンドを理解できるようにする方法を伝授します。
こんな経験はございませんか?MRRをチェックしていると、たまに1日で大きな下降が見られ、大焦り。みたいなことが。
ただ、MRRをチェックする上で大切なことは、このような1回限りの事柄をチェックするのではなく、時間とともに見られるトレンドや変化をチェックすることです。
特殊な一つの事柄に注目してしまうのは、よくありません。なぜならそこには無限の変則がありそれらは注目するに値しないからです。大きな顧客が解約したら、MRRも大きく下がるものです。ですので、MRRは月次よりもきめ細かいレベルのデータを見ることはほとんど無駄だと思ってもらっても大丈夫です。
きめ細かいデータを利用して、大きな決定を下すのは避けた方がいいでしょう。データを利用して、会社の方向性を左右するビジネスの決断をする時は、最小で月次ベースまでにしておくことが賢明です。
トレンドラインを使うことは、変則性を抑制することに最適な方法で、平均を理解することや、ある一定な方向に向かっているまたは散らされているのかを理解することにも繋がります。
下図の点線ラインは数ヶ月のデータから山や谷がスムーズに表現された移動平均トレンドラインです。
もちろん、この平均トレンドラインだけを利用して、ビジネスを分析するのも悪くはないですが、様々な視点から異なるトレンドでMRRを確認できるようになると新しい発見ができることもあります。
サブスクリプション分析ツールのBaremetricsを使用すると、平均線だけではなく異なるタイプのトレンドラインをチェックすることができます。以下に、それらのトレンドラインの特徴や使用するべきタイミングについて解説します。
1. 線形トレンドライン (Linear) - 線形は、直線の線を描き山や谷などがありません。ビジネスがうまくいっている場合、右上に伸びるメトリックです。 線形はシンプルですが、MRRには素晴らしい選択肢の一つです。
2. 対数トレンドライン (Logarithmic) - 線形に似ていますが、曲線を描きます。急に変化し安定するデータに最適です。例えば、急成長し安定期に入る、またはゆっくりとした変化になるMRRに適しています。
3. 多項式トレンドライン (Polynomial) - このトレンドラインは山や谷が多いデータに適しています。多項式トレンドラインは最大で2つの曲線が描かれます。チェーンとLTV(顧客生涯価値)は多項式トレンドラインがよく使えるメトリックの二つです。
4. パワートレンドライン (Power) - これらのトレンドラインは特定の割合で変化します。右上に伸びるデータに最適で、MRRなどを含みます。
5. 指数関数トレンドライン (Exponential) - これは、上がったり下がったりする指数間数的成長データに最適です。ほんの一握りのサブスクリプション式ビジネスは指数間数的成長をします。今でいえば、 Slackなどです。
6. 移動平均トレンドライン (Moving Average) - 各データポイントごとに注目し、2個どなりのデータポイントから平均を出します。これは、定期的に差し引きするデータに適していて、不規則なデータポイントを持っています。チェーン、LTV、そしてデータARPUはこの方法を使うと良いでしょう。
これらの様々なトレンドラインを利用して、MRRやビジネスメトリクスをチェックしたい方は、Baremetricsをチェックしてみてください。
ということで、MRRの傾向を理解するためにも、様々なトレンドラインを用いることができるのを理解できましたでしょうか? おすすめは、MRRの場合は、線形か対数トレンドラインを利用するのが良いでしょう。
長い期間のMRRをチェックすることで、ビジネスの成長度合いやこれからの成長予測を考えてみてください。数週間程度の短期間でMRRが大きく減少傾向を示しても焦らず、長期間のスパンであなたのビジネスを分析してくださいね!
遂に、次の記事では、どうやってMRRを伸ばすかについて、説明していきます。お楽しみに!
次回投稿:『MRR』 Part 5 〜どうやってMRRを成長させるのか〜
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