世界に４つしかない日本人学校がタンザニアにあるワケ

日本から遠いタンザニアに来て、驚いたことはたくさんありますが、そのうちの１つに、日本にいるような体験が「毎日」できること、なんです。

今日は、日本では知られていない、タンザニアの「日本人学校」について紹介します。ぜひ、遠いアフリカでも、がんばって日本の学校に通っている子供たちのことを想像しながら読んでみてくださいね。

海外の「日本人学校」とは？

海外に住む日本人の子供たちのための「日本人学校」ってご存じですか？

海外にある日本人が通う学校には２つあります。

平日の昼間に授業を行う全日制の「日本人学校」、もうひとつは土曜日だけ
通う「補習校」。全日制の日本人学校は世界に約100校、補習校は約230校あります。

タンザニアにあるのはこの補習校にあたりますが、その中でも「準全日制補習校」という、現地の学校にも通い、その後に日本の学校に通うというスタイルの学校なんです。

この「準全日制補習校」と言われる学校は実は世界に４つしかありません。タンザニアの他には、インド、メキシコ、オマーンにあります。

世界に４つしかない日本人の学校がなぜアフリカに？

この話をすると、よく聞かれるのは「タンザニアには日本人が多いんですか？」ということ。

でも、タンザニアに住む日本人は、約200人ほどと少ないんです。

実は、この準全日補習校は「現地の教育制度等が十分に整備されていない地域に、日本人学校に準じた教育を行うための教育施設」という位置づけなのです。つまり「日本人が多いから」ではなく「教育のサポートが必要だから」ということで、ここタンザニアにもあるということのようです。

補習校に通う子どもたちの多くは、将来日本に帰国した時に学校の授業や受験にうまく適応できるようにという理由で通っています。

タンザニアの補習校ってどんな感じ？

補習校の教室の様子

補習校の教室は、現地校の施設内の3部屋を借りて行われています。校長先生を含む3人の日本人の先生が、小1から中3までの20人の子どもたちに、国語、算数、理科、社会を教えています。低学年は午後3時から、高学年は午後4時半から。

子どもたちは毎日2時間、日本の学校の教育課程に沿って学習しています。
日本語の本もたくさんありますし、ランドセルをしょって通学する子どももいて、まるで日本の学校にいるような光景が見られます。

授業参観や運動会も行われているこの学校は、去年で創立から50年と歴史もあります。本当にタンザニアの中の小さな日本のような存在です。

小1も朝から晩まで大忙し

私の娘は小学校1年生ですが、タンザニアの学校は授業が7時からスタートなので、朝早くから夕方まで、まる1日で大丈夫かと心配していました。

補習校が始まり、もうすぐ2か月ですが、毎日、日本の学校がとても楽しいといってかえってきますので、ホッとしています。

そうはいっても、現地の学校と日本の学校に毎日行く子どもたちは、本当によくがんばっているなと思います。

タンザニアの他の国の学校は？

タンザニアの日本の補習校の向かいには、オランダ語の学校があります。

補習校とは異なり、オランダ語の学習はそれぞれの年齢が週に1回のみで、　　　日本語のように毎日行われるわけではありません。

タンザニアには他にもドイツ語、ロシア語、スウェーデン語の学校がありますが、どこも授業は週に1回とのことで、毎日行われる日本人の学校は稀なようです。

補習校の勉強以外のメリット

タンザニアにおける補習校の存在は、異文化理解や国際交流の架け橋としても活躍してます。毎日、日本人の友達と会えるこの環境で、子どもたちは日本人としての誇りや意識を高めているように思います。

最近も、現地校の発表会で、補習校の子どもたちが「ソーラン節」を踊りました。おそろいのはっぴをきて、日本語の掛け声をかけながら元気に踊っていました。

去年も、現地校のイベントで補習校の子供たちがみんなで一緒に空手を披露したこともあります。親としても、子どもたちが日本を紹介するアンバサダーのような大切な役目をを担っていて誇りに思いますし、とても貴重な体験です。

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・note: ほりとも＠タンザニア在住ライター