タンザニアで必死の夏を過ごしながら思い出した40年前の日本の夏休み
「夏休みの思い出は?」友達からの、なんとはない質問に、小さい頃の夏休みの思い出があふれてきた。
今、タンザニアは夏休みだ。日本の夏休みは「学童」があるらしい。こちらは「サマーキャンプ」だ。3か月近くある長い長い夏休みをどう過ごそうかと、親たちは、あちこちの学校が提供する様々なプログラムの詳細や口コミをチェックしスケジュールを組み立てる。
ママ友に会えば、どこのサマーキャンプが良かったかの情報交換だ。私も例にもれず、今週はアートのサマーキャンプ、来週は組み立て実験のサマーキャンプ、その後はスポーツのサマーキャンプと予定を組むのに忙しい。午後が空いてしまう日は、お友達の家に遊びに行って、この日はこのお友達に遊びにきてもらおう。芸能人の分刻みのスケジュール調整をしているマネージャーになったような忙しさだ。
そんな風にタンザニアで夏を過ごしながら思い出した40年近く前の私の夏休み。まず思い出すのは、なんといっても「ラジオ体操」。きっと誰しも、ラジオ体操にまつわるその人だけの思い出があるだろう。
何が好きだったかって、私はラジオ体操に行ってもらえるスタンプだ。カードに少しずつたまっていく赤色のスタンプたち。あれを集めるために毎朝通っていたといっても過言ではない。
いつもは、一緒に学校に歩いて登校する仲間たちと、暑くなる前の涼しい朝にだけ近所の公会堂で会い、日に日に焼けていくみんなの顔を見るのも楽しかった。「夏休み」という特別な時期なんだなーと実感させてくれるのがラジオ体操だった。
「読書感想文」はどうだろう。これも、夏の季語といえるほど誰にとっても思い出のある夏のイベントではないだろうか。
私は変な小学生だった。夏休みの宿題はさっさと終わらせ、気楽に夏休みを過ごしたかった私にとって読書感想文は大敵だった。いつも夏休みの最初の3日間くらいで課題図書を読み読書感想文を終わらせていた。そんな駆け足で書いた感想文は、ずいぶんとひどいものだっただろう。
私にとって「さっさと終わらせてしまいたい」読書感想文だったが、小4の時の課題図書にのめりこんだ。今でも覚えているのは、本があまりにも面白すぎて、弟たちに読書の邪魔をされたくなくて、押し入れの中に懐中電灯を持ち込み、むさぼるように1日で読み終わったあの本だ。
余談だが、「青っぽい表紙で青い熱帯魚と少女の話」ということしか記憶になかったこの本を最近見つけて心が躍った。『海からとどいたプレゼント』という本だ。
読書感想文のおかげで、40年たっても覚えている素敵な本に出会えた。
私の夏の思い出の最後を締めくくるのは「手作りプール」だ。建設会社で働く父親は作ることが得意。毎年、夏休みになると、木造りのプールを作ってくれた。青いビニールシートを敷き、そこに水をためれば、プールの出来上がり。
小学生でも十分に楽しめる広さと深さで、夏は毎日、兄妹3人で仲良くプールに入り、横に立てたビーチパラソルの下でかき氷を作って弟たちと食べた。今思えば、なんともぜいたくな静岡の田舎町での夏休みだった。
タンザニアで、来週のサマーキャンプを探し回りながら、
日本で過ごしたわが夏休みを思い出した。
あなたの夏休みの思い出は?
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