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アメリカ激闘記④ (仮)

…と、ここまで書いて、当時の細かな感情さえ、ここまで覚えていることに、自分でも少しびっくりしています。笑
大変だったことの方が遥かに多いはずなのに、思い出すことが不思議ととっても心地よい。

結果的に、この経験は紛れもなく、この後もずーっと僕とお供してもらう、大切な宝物になりました。♪

さて、、実際ステージ上での僕の役といえば、早替えで戦闘員〜2種類のモンスターの3役。炎と氷がモチーフの、綺麗なオレンジとブルーのモンスターは、日本のそれとは違って、めちゃめちゃデカかった。衛生を保つための消臭スプレーも、また日本とは違い、独特の香りがした。嫌いではなかった。
(後に観劇した米女性プロデューサーは僕のモンスターの愛らしい演技を大好きになってくれたそうだ)

早い段階から、僕はモンスター達に愛着が湧いていた。係の人達の両肩を借りてコスチュームの中にダイブする前には、必ず手を合わせて一礼していた。

ステージ上では、もちろんメンバーの中では一番細身の僕にも、モンスター達は、その重さと動き辛さに反し、僕の意図にしっかり応えてくれていたように思う。

ショー(本番)は、場所によって異なるが、週に2〜5日、週末がメインとなる。1週ごと、全米の各地を寝台バスで転々と移動する。


メンバーから、ステージ上のパフォーマンスや技術について、「Tomo、あそこはどうしたらいい?」「教えてくれ」と言われるようになってきた。

そして "Tomo" の他に "Action Jackson"というあだ名もついた。笑。(※ '88年 米アクション映画。どうやら"アクション馬鹿"を象徴する意味だったみたい。笑。良い意味で、、だったことを祈る。笑)


この頃は兎に角ライブショーが好きだった。鍛錬を重ねて、やり直しのきかない本番一発にかける緊張感とある種のギャンブル感、アドレナリン全開、観客と"生"でのエネルギーの様なものの交わし合いやリアルタイムで反応を感じること、(子ども達のみならず、)驚いたり、嬉しそうだったりするそれぞれの眼差し、拍手、一体感。スポットライトと、今自分が明らかに注目を浴びている高揚感。
その全てが最高に幸せな瞬間で、大好きな、魔法の時間だった。

だからサンフランシスコの観光や(本場の)HOOTERSよりも(笑)、コスチュームという秘密兵器を纏ってステージに立ち演じている瞬間の方が、遥かに幸せで、楽ですらあった。


この後、僕は2日間だけ、最初で最後の(メインである)イエローレンジャーに入ることになる。。

"⑤"に続く…

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