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初めての経験

初めての経験。
外は天気予報の通告通り、雪が降りしきっています。
それなのに、とても大きな喜びを感じた日になりました。
生まれて2年。ようやくおばあちゃんらしいことが出来た日です。ゆっくり抱っこも出来ました。これも初めてのことでした。
息子が発熱で、昨晩からの当直を早くに引き上げて来たと嫁から電話。その嫁も2人目誕生待ちの身重。実家のお母さんはこの雪に閉口してしまい、お迎えに行く人がいないと、夕方SOS。
まだ2歳の子が保育園で待っていると聞いて、せっかく雪のせいで仕事を早めに終わらせたところだったけど、そんなこと言ってられなくて。
小さい体で待っている姿が浮かんでしまって。
たまたま、在宅ワークだった家人も、一緒に行こうといってくれたので、夕飯用に準備していた牛ヒレを2枚、和紙に包んでサラダもタッパに入れて、慌てて家を出ました。
保育園の場所は以前にこっそり1人で視察しだ事があるので、迷わずに着きました。
ただ雪が猛烈に吹雪いていて、つい、孫が可哀想だなと言う気分に押されてしまいます。
中には、三、四人の子どもたちが、保育士さんと話しながらおもちゃの片付けをしていました。
私が「今日はおばあちゃんがお迎えに来たよ」と言うと、驚いて泣きだされて、しばらく時間がかかりましたが、ママとワンワンに会いに行こうか、そらちゃん待ってるよ、と声をかけると、ようやく私のことを思い出した様でした。犬飼いのおばばですね。笑
泣き止むのを待っていると、保育士さんが、パパのお母さんですね、そうちゃんにそっくりね、と。
そんなこと、初めて言われたなあと。
実は自分では、私に似ていると思いながらも、誰も言わないからね。笑

おじいちゃんの運転する車の後ろで、私の膝の上で雪のことや、今日食べたお昼ご飯のことや、たまたまパパの仕事場を通ったことや、ぶーぶーのことなど、たくさんたくさん話しました。
私は職業柄、小さな子ども達との会話や遊びに慣れていて、あまり苦労はないのだけど、仕事を長いことやってて、初めて自分の役に立ったなと思いました。

30分ほどでマンションに着きましたが、降りる時に、「おばあちゃん、そうくん、おんりできないから、抱っこしてね」と、私の顔を見返して。
もちろんもちろん、と言いながら。笑
やっと本物の仲良しにも、なれたね。

玄関のドアを開けると、嫁がにこにこ顔で、そして寝ていた息子も寝室から出て来ました。
またいつでも、とひと言話して部屋を後にしました。

私は「ばあば」と言う呼び方が好きではないので、「おばあちゃん」と呼ばせていますが、今日保育園で、「おばあちゃんって、まだ早い感じですね」と言ってもらって、やっぱりまだおばあちゃんと言う呼び方は早いかな、なんて、チラッと調子こきましたが、膝の上で話す孫の温かさを感じて、こんな喜びもあっても良いよね、と心の中で思っていました。
心情はしっかりおばあちゃんです。
亡き母も26年前に同じ気持ちで、息子を膝に乗せたかっただろうなあと、今更ながら思いました。

自宅に着いた頃には、雪が小降りになっていました。真っ暗な空を見上げながら、涙がつうと頬を伝う温かさを感じました。

今年は断捨離編み物に必死です。
カラフル膝掛け、五枚目です。
そらも春も、犬たちは元気です。
毛糸の膝掛けを好んでくれています。笑

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